今回はヤンマガ本誌で連載中の図書館お仕事コメディ「税金で買った本」から、”臭い本””ゴミ屋敷”のエピソードに登場した女子高生「カホちゃん」について解説します。
カホちゃんは主人公たちが働く図書館の利用者の一人。
借りていた本を臭くしてしまい、弁償しなくてはいけなくなった女の子です。
メインキャラクターではないのですが、そのエピソードによって読者に強烈なインパクトを残したカホちゃん。
本記事ではそんな彼女のプロフィールや登場話などを中心に解説してまいります。
「税金で買った本」カホちゃんのプロフィール
カホちゃんは主人公の石平くんたちが働く図書館の利用者です。
黒髪ロングで長いまつ毛が特徴的な気の強い女子高生。
作中では見た目の怖い石平くん(ヤンキー)や白井(筋肉)相手に一歩も引かず言い争っていました。
初登場時は本の弁償を拒否して白井と揉めていましたが、決して悪い子ではなく、むしろ根は真面目で善良な少女。
決して白井の「クソ利用者図鑑(白井が自分の怒りを鎮めるために書いたクソ利用者を分類した図鑑)」に載るような悪い利用者ではありません。
彼女はただただ純粋に……「臭い」。
彼女が本を弁償しなくならなくなった理由は、本に物凄い悪臭をつけてしまったからなのですが、彼女はある理由からその臭いに気づかず、臭くないと弁償を拒否していたのです。
……まあ要するに、自分自身が臭い人は、その臭いに気づかないっていうアレですね。
そうした経緯から、後に彼女は石平くんから「鼻壊れてた人」と呼ばれることになります。
「税金で買った本」カホちゃんはどうして臭いの?
ではどうしてカホちゃんは臭いのか?
最初に注意しておきますが、カホちゃんは決して不潔ではなく、むしろ身だしなみや臭いには人一倍気を遣っています。
彼女の臭いの原因はそのゴミ屋敷のような家庭環境。
カホちゃんのお母さんは片付けが苦手で(ネグレクトとかではありません)、家の中はゴミだらけで床はベタベタ。
そこから発せられる強烈な臭いが彼女の身体に染みつき、鼻を破壊していたのです。
カホちゃん本人としては、小学生の頃に友達から臭いを指摘されて以降、ファブったりして自分はもう臭くないと思っていたようなのですが……
「税金で買った本」カホちゃんは何話に登場?(ネタバレ注意)
第5話「絶対できる! 片付け」(臭い本・ゴミ屋敷)
カホちゃんの初登場兼メインエピソードは第5話「絶対できる! 片付け」。
カホちゃんは借りていた本に家の変なベタベタ(?)がついてしまい、ベタベタそのものは拭き取ってキレイにしたものの、本に強烈な悪臭が染みつき、白井から弁償を求められていました。
しかしいくら臭いと言われても、カホちゃん本人は鼻が壊れているので臭いと感じず、弁償に納得がいきません。
実際には本をビニール袋に包んだ状態でも部屋の外まで臭いがするほどの悪臭で、臭いを直に嗅がされた石平くんは吐きそうになっていました。
カホちゃんの鼻の鈍さには白井もドン引きし、仕方なく1カ月間待って臭いが取れるか様子を見ることに。
納得いかない様子でしたが、その場は引き下がり帰宅したカホちゃん。
彼女の家はとんでもないゴミ屋敷で、歩くだけで床のベタベタで靴下はぐちょぐちょ。
本の弁償を求められたことも含め、思わず何でこんなに家が汚いのか母親に怒りをぶつけるカホちゃんでしたが、呑気な母親はまるで気にした様子がありません。
カホちゃんが怒って家を飛び出し公園で一人泣いていると、心配した友達のマリちゃんがやってきます。
今日の出来事をマリちゃんに愚痴り、自分は臭いに気をつけていたし中学からは臭くなかったでしょと同意を求めるカホちゃんでしたが、
「いやごめん」
「ずっとくさいと思ってたけど……」
と衝撃のカミングアウト。
マリちゃんはカホちゃんを傷つけると思ってずっと言えずにいたのです。
マリちゃんの言葉で薄々感じていた事実を自覚したカホちゃんは、母親に謝り家を大掃除。
1カ月後には清潔で臭いのない家庭環境を手に入れることに成功します。
そして改めて本の弁償しようと図書館を訪れたカホちゃん。
以前はまるで臭いと思わなかった本を嗅いでみると、
「オエエエ」
「クッサアアア」
壊れていた鼻も無事に治っていました。
第44話「ワキガ・多汗症を治す」
一話限りの使い捨てキャラかと思われたカホちゃんですが、第44話「ワキガ・多汗症を治す」で再登場を果たします。
ある日、図書館の本棚の影からじっと若い男性を見つめるカホちゃん。
それを見た石平くんはカホちゃんがその男性に気があるのかと考えますが、次の瞬間、その男性を中心に漂う強烈な悪臭に気づきます。
周囲の迷惑になっていると、男性に臭いを指摘しようとした石平くんですが、それをカホちゃんが制止。
自分自身が臭いで悩んでいたカホちゃんは、男性の体臭から迷いや悩み(=汗、雑菌、香料、制汗剤などのブレンド)を感じ取り、彼が周囲から「クサい」と言われ傷つくことを心配していたのです。
しかしこのままでは、男性の体臭で周囲の利用者が困っていることも事実。
カホちゃんと石平くんは早瀬丸さんに相談し、何とか男性の尊厳を守りながら対処することに。
まず石平くんが男性の隣に座って本を読み始め、そこにやってきた早瀬丸さんが「席が込み合っているので」とさりげなく男性を人通りの少ない奥の席へ誘導することに成功します。
無事に男性を傷つけることなく対処ができ、一安心する石平くんとカホちゃん。
早瀬丸さんは男性が落ち着いてあの本ー「ワキガ・多汗症を治す」が読めるといいな、とひとりごちたのでした。
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