今回は「モーニング」で連載中のオカルティックコメディ「出禁のモグラ」から、「厄病神」について解説します。
厄病神は猫附家で封印されていた悪神。
モグラとは因縁深い存在で、50年前にも一度一大霊騒ぎを起こしています。
作中では密かに霊を誑かし、力を蓄えてついに復活。この世に再び災厄をもたらそうとしています。
本記事ではそんな厄病神のプロフィールや正体、モグラとの因縁と過去、その登場話を中心に解説してまいります。
目次
「出禁のモグラ」厄病神のプロフィール
厄病神は作中に登場する悪神で、主人公のモグラと対を為す存在。
50年前にある事件を起こし、タヌキの形をした器に封印されていましたが、徐々に霊を食べて力を取り戻し復活を果たしています。
外見は白い長髪が特徴の朗らかな雰囲気のイケメン。
姿かたちは自由に変化させることが可能ですが、普段の顔の造形はモグラに非常によく似ています。
その名の通り、周囲に災いをもたらすよう行動しており、本人曰く「悪い奴」を殺すことが生業。
自分が積極的に行動しても善人はあまり困らないと主張していますが、そもそも善人悪人の基準そのものが非常に曖昧となっています。
「出禁のモグラ」厄病神の正体
厄病神の正体はヨモツオオカミの剣、その残滓です。
その由来はイザナギとイザナミの二柱の神の争いにまで遡ります。
最終的に喧嘩別れした二神ですが、イザナミは「あの世は一日に人間を1000人殺す」と呪い、イナザギは「ならばこの世は一日に人間を1500人誕生させる」と呪い返しました。
この時、イザナミの呪いから人間を殺す専門の厄病神が生まれ、これを女神イザナミは「ヨモツオオカミの剣」と名付けました。
これこそが厄病神の始まりです。
「出禁のモグラ」厄病神とモグラ
厄病神と主人公であるモグラにはどのような関係があるのか。
前段で厄病神の正体はヨモツオオカミの剣であると述べましたが、モグラの正体はそれを対を為す「オオカムヅミの弓」。
ヨモツオオカミの厄から人々を守る厄払いの神です。
両者は神話の時代、互いに拮抗し人の命のバランスをとっていましたが、ある時オオカムヅミの弓(=モグラ)は人々に同情し、ヨモツオオカミの剣を倒してしまいます。
以来、人は爆発的に増えるようになり、モグラはバランスを損なった罰としてあの世から出禁を喰らってしまうのですが、それはまた別の話。
倒されたヨモツオオカミの剣(=厄病神)は力こそ失ったものの滅んではおらず、密かに力を蓄えていました。
「出禁のモグラ」厄病神の過去(封印)
疫病神は原作開始約50年前の高度経済成長期に一度、大きな騒動を起こしています。
当時の厄病神は阿波にオオカムヅミを奉る神社がある縁で四国に潜伏し、タヌキの像に紛れていました。
厄病神はそこで「がしゃどくろ(=戦死した霊)」を焚きつけて一大霊騒ぎを引き起こし、猫附・鵺神社・モグラ総出で対応することに。
その際は、鵺神社の神主が封印のために自決し、それを止めようとしてモグラも死亡。
結果的にオオカムヅミの弓の御霊が出てきて「がしゃどくろ」を弓でぶちのめし、封印に成功。
ついでに厄病神も弱らせることができたので、猫附桜史郎(藤史郎の祖父、梗史郎の曽祖父)が厄病神をタヌキの器に封じ込め、現在に至ります。
「出禁のモグラ」厄病神の登場話(初登場・何話)
厄病神が実際に作中に登場したのは原作95話。
猫附家で封印されていた厄病神ですが、巧みな弁舌で屋敷内に入り込んできた霊を誑かし、「どしたん?話聞こか?教」を設立。
モグラを監視し、思い通り動かすよう裏で手を回していました。
八重子の故郷の人魚島の一件やゲーム騒動、川上フユミの事件なども何らか厄病神が裏で関わっていたフシがありますね。
最終的にフユミの事件でモグラが一度死亡し、そのモグラの遺体(前々鵺神社の神主で、オオカムヅミの弓の神気にタップリ漬かっていた)を食べたことで力を取り戻して復活。
モグラに宣戦布告しています。
「出禁のモグラ」厄病神の目的
厄病神の目的は元の力を取り戻し「ヨモツオオカミの剣」へと戻ること。
その為に人を誑かして、この世に争いを引き起こそうとしています。
最終的にはモグラにも「オオカムヅミの弓」に戻ってもらい、神話以上の規模で人を守り、殺し合いたいと考えているのです。
ある意味では愉快犯、ある意味では神らしい役目に忠実な存在と言えるでしょう。
また厄病神はモグラに復讐しようとは考えておらず、むしろ彼には大切な争いのパートナーとして好意を抱いている印象ですね(悪神の好意は悪意と同義ですが)。



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