今回は「モーニング」で連載中のオカルティックコメディ「出禁のモグラ」から、鵺を奉る神社の現神主「取次弁天(とりつぎべんてん)」について解説します。
取次弁天は鵺(=祓えなくなった霊の成れの果て)を神主自らが鵺となり封印している神社の神主。
モグラや猫附家とは協力関係にありますが、モグラは自らを犠牲とするこの神社の在り方に納得がいっていない様子です。
本記事ではそんな取次弁天のプロフィールや登場話、その役割やモグラとの関係(過去)を中心に解説してまいります。
目次
「出禁のモグラ」取次弁天のプロフィール
基本プロフィール
取次弁天は鵺を奉る神社の現神主。
本名は不明で、取次弁天というのはこの神社の神主が受け継ぐ通称のようなものです(女性なので弁天、男性なら大黒)。
外見は右目をフードのような布で隠した妖しげな雰囲気の美女。
非常に厳格で日々のルーティンをしっかりと守るタイプの女性で、チャラついた人間が大嫌い。
ついでに毒舌でもあり、道端で声をかけてきた真木梅晴(真木栗顕の弟)への第一声は「くたばれ!!」でした。
浮世離れした雰囲気を身に纏っていますが、虫が大の苦手だったり人間らしい一面も持ち合わせています。
鵺を奉る神社の神主(鵺とは?)
鵺とは一般に「足は虎、体は狸、胴は猿、尾は蛇、虎鶫の声で鳴く化物」と伝わっています。
ただこれはイメージがキャラクター化した姿で、この「出禁のモグラ」世界において鵺とは「正体不明」「姿がはっきりしない」「原型すらわからなくなった霊の成れの果て」を指す言葉。
つまり「もはや祓うことも出来なくなった霊」です。
この鵺神社は代々そうした鵺となった霊を封印しているのですが、その代償として代々の神主は死後自分自身も鵺となり、歴代神主の霊と混ざりあって鵺の封印を強化する定めを背負っています。
つまりこの神社は鵺で鵺を封印している神社なのです。
「出禁のモグラ」取次弁天の初登場
取次弁天の初登場は90話のラスト。
初詣に行ったついでにモグラのもとを訪れた真木君、八重子ちゃん、詩魚ちゃんは、鵺神社にお参りにいった猫附一家を見かけて、自分たちも鵺神社にお参りに行くことにします。
そこで出会ったのが取次弁天。
そこから98話までのエピソードで彼女や浮雲の口からモグラの正体や過去が語られることになります。
そして同時にモグラと対を為す厄病神が復活し、モグラが最近まで使っていた身体の持ち主が取次弁天の祖父のものであったことなども判明しています。
「出禁のモグラ」取次弁天の能力(役割)
取次弁天は鵺を封印する神社の神主で、代々鵺を封印する役割を引き継いでいます。
では彼女たちは祓えなくなった鵺幽霊をどうやって封印しているのか?
元々初代神主は、守護霊と神主一人で鵺を封印していました。
しかし鵺が増えるにつれてそのままでは封印を維持することが厳しくなり、神主はその死後守護霊に加担することで封印を維持するようになります。
その結果、守護霊はキメラ化し鵺状態。鵺で鵺を封じているとはそういう意味です。
神主の「取次弁天(大黒)」という名は、「封印の力を鵺へと取り次ぐ器」というところからきています。
しかし突然鵺が増えて封印を維持できなくなることもあり、その場合は現神主が即死んで守護霊に加わることに。
とんでもねー覚悟ガンギマリ神社です。
ちなみにこの鵺神社は祓い屋である猫附一族とも提携していて、取次弁天は猫附家が焼却場なら自分たち埋め立て場とその役割を評していました。
「出禁のモグラ」取次弁天とモグラ
モグラにはとても当たりが強い
取次弁天はモグラに対してとても当たりが強いです。
モグラが玉串料を収めていないとか、反りが合わないとか色々理由はあるのでしょうが、根っこにあるのは自己犠牲精神が強いモグラへの苛立ちでしょう。
ある意味では、自分を犠牲に他者を救おうとする者同士の同族嫌悪と言えなくもありません。
取次弁天はその犠牲を自分の役割と受け入れていますが、モグラは本来神であり、人間の生き死にに関わるべき存在ではありません。
取次弁天のモグラへの毒舌は、人に関わり苦しむのをやめて早く神に戻れという好意の裏返しでもあります。
モグラとの過去と因縁
モグラと対を為す厄病神は歴史の節目節目で鵺を生み出しており、その封印に関わる鵺神社はモグラや厄病神と因縁深い存在です。
一番最近厄病神が騒動を起こしたのが約50年前。
四国の阿波でがしゃどくろを焚きつけ一大霊騒ぎを起こした厄病神を、モグラ、鵺神社(現神主の祖父)、猫附桜史郎(藤四郎の曽祖父、梗史郎の高祖父)の総出で対応し封印しました。
その際、当時の神主は自決してがしゃどくろを封印しようとしたのですが、それを止めようとしたモグラまで死亡することに。
その結果、モグラの御霊がでてきてがしゃどくろと厄病神をぶちのめし、結果的に封印には成功。
その後、モグラの御霊は死んだ神主の肉体に宿ることとなったのです。



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