「ゴールデンカムイ」二階堂浩平~杉元に憎悪を燃やす双子の兄、義手・義足・モルヒネによる精神異常、壮絶な最期(死亡)~

 今回はヤングジャンプで連載中の大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、作中で最もサイボーグ化が進んだ男「二階堂 浩平(にかいどう こうへい)」について解説します。

 二階堂浩平は鶴見中尉率いる第七師団の一員でありながら、鶴見に何ら関心を抱いていない稀有な存在。

 作中では主人公の杉元佐一に双子の弟・洋平を殺され、その復讐のために手足はおろか正気を失っても戦い続けた狂気の男です。

 本記事では二階堂に施された魔改造の数々(義手・義足・モルヒネ)や杉元との因縁、その壮絶な最期(死亡)を中心に、二階堂という男について深掘りしてまいります。

「ゴールデンカムイ」二階堂浩平のプロフィール

基本プロフィール(外見、性格、誕生日、年齢、モデル、声優など)

 二階堂浩平は鶴見中尉率いる帝国陸軍第七師団に、双子の弟・洋平とともに所属する一等卒。

 初登場こそやや不気味な雰囲気漂う普通の男でしたが、作中で耳を失い、右足を失い、右手を失い、次々と身体欠損とサイボーグ化が進んでいきました。

 物語後半では江渡貝が作ってくれた人皮のヘッドギアが二階堂のトレードマークになっていましたね。

 元々暴力的な性格ではあったのですが、双子の弟・洋平を亡くしてからは精神の均衡を失ってしまい、削がれた耳を弟の洋平に見立てて話しかけるなど奇怪な行動が目立つようになっていきます

 身体欠損の痛みやモルヒネの投与などで正気を失っており、弟を殺した杉元佐一への復讐心だけが二階堂を突き動かしていました。

 誕生日は11月19日で年齢は杉元や谷垣らとほぼ同年代の20代半ばと推測されます。

 モデルとなった実在の人物は存在しません。

 声優は杉田智和さん。

鶴見一派では珍しく、鶴見に何ら興味のない男

 二階堂浩平は鶴見一派の人間には珍しい、鶴見中尉に何ら興味も忠誠心も抱いていない男です。

 元々は尾形らとともに鶴見中尉への造反を企てており(そもそも鶴見中尉そのものが軍に対する造反者なので軍人としては正しい)、敵対していたと言ってもよいでしょう。

 しかし造反の事実は物語序盤で鶴見中尉にバレてしまい、二階堂は鶴見から他の造反者を言えと拷問を受けてしまうことに。

 右耳を削ぎ落されるという苛烈な拷問を受けても口を割ろうとしなかった二階堂ですが、鶴見の「杉元を殺させてやる」の一言を聞くとあっさり寝返り、仲間を売ってしまいます。

 二階堂が鶴見一派に属する理由は弟を殺した杉元への復讐、ただそれだけだったのです。


「ゴールデンカムイ」二階堂浩平の人間関係

双子の弟、洋平は死んだ後もいつも心の中で寄り添い続ける

 双子の弟・洋平は見た目も性格も浩平そっくりで、二人はとても仲の良い兄弟でした。

 しかし洋平は、拷問し殺害しようとした杉元に返り討ちに遭ってしまい死亡。

 その亡骸を見た浩平は涙を流して崩れ落ち、杉元への復讐を決意します。

 洋平の死後、浩平は心の中に洋平の幻を見る様になり、削ぎ落された自分の耳を洋平の耳に見立てて話しかけるなど奇行が目立つようになりました。

 浩平にとって洋平はまさに自分の半身、一心同体の存在。
 作中では失った自分の右足を「洋平の右足」と発言したこともあり、浩平の心の中で洋平はずっと生き続けていたのでしょう。

義手(お箸)・義足(散弾銃)・モルヒネ……魔改造の元凶、有坂中将

 作中で最も身体欠損率が高い男、二階堂浩平。

 まずクマに襲われ左耳を失ったことを切っ掛けに、鶴見中尉の拷問で右耳も削ぎ落されてしまいます。

 されに土方歳三との交戦では右足を失った上、痛みを和らげるためにモルヒネを何度も投与されモルヒネ中毒に。

 さらに網走監獄襲撃時には杉元と交戦し右腕を失ってしまいました。

 まさに散々な二階堂ですが、さらに悲惨なのがその都度二階堂に魔改造を行う有坂中将の存在です。

 右足を失った際に散弾を仕込んだ義足を装着し、痛み止めのモルヒネを準備したのが有坂中将。
 必要なことではあったのでしょうが、モルヒネで精神を病んだ二階堂は幼児退行を起こしてしまいます。

 また網走監獄では義足に仕込んだ散弾を逆に杉元に利用され右腕を失ってしまう始末。

 そんな二階堂のために有坂中将が準備した義手が、何と「お箸」付のものだったというのですから、二階堂のショックたるや……

 ちなみに、このお箸の義手は後にアシリパの捕獲に大いに貢献し、金カムファンを大いに沸かせてくれました。


「ゴールデンカムイ」二階堂浩平、杉元への憎悪と最期(死亡)

双子の弟(洋平)を杉元に殺され、杉元への復讐を渇望する

 二階堂浩平と杉元佐一の因縁について語っていきましょう。

 彼らの出会いは小樽で人皮刺青を探す杉元が第七師団に捕縛されたことが切っ掛けでした。

 杉元の拘禁・監視を命じられた二階堂兄弟でしたが、彼らは杉元の挑発に乗ってしまい、杉元を拷問の上で殺害しようとします。

 しかし浩平が部屋の外で見張りをしている隙に、洋平は白石の助けを借りた杉元に返り討ちにされて死亡。杉元は逃亡してしまいます。

 その後、洋平の復讐を誓って杉元をつけ狙う二階堂浩平。

 彼は同じ造反組の仲間を裏切って鶴見中尉の軍門に下り、腕や足を失い精神を病んでも諦めることなう杉元を狙い続けます。

 その復讐はもはや彼の生きがいと言い換えても良い程で、一時杉元が鶴見一派を手を組むことになった際には鶴見から「杉元は死んだ」と聞かされ、生きる希望を失っていたほどです

五稜郭で杉元と一騎打ちの果てに壮絶な最期(死亡)を迎える

 その後、改めて鶴見一派と杉元たちが袂を分かち、再び杉元への復讐心を燃やす二階堂。

 彼は五稜郭での決戦において、望み通り杉元と交戦機会を得ます。

 精神を病み、杉元さえ殺せば再び洋平に会えると信じて戦う二階堂。

 しかし杉元には一歩及ばず、銃剣で腹部を刺され致命傷を負ってしまいます。

 自分の最期を悟った二階堂は手榴弾で自爆し、杉元を道連れにしようとしましたが、杉元は二階堂を穴の中に放り込んでそれを回避。

 二階堂の身体は爆発によって真っ二つに切り裂かれてしまいます。

 しかし。

 その最期の瞬間、二階堂は二つに分かたれた自分の身体と向き合い、そこに弟の洋平の姿を見ることに。

「おや?」
「また会えた」

 最期に二階堂はずっと求め続けていた双子の弟と再会し、心の安らぎを得て散っていったのです。



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