「ゴールデンカムイ」鯉登音之進(鯉登少尉)~成長著しい薩摩隼人、月島とのコンビ、誘拐の真相と兄の死、声優など~

 今回はヤングジャンプで連載中の大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、一人の男として飛躍的な成長を遂げたボンボンこと鯉登少尉ー本名「鯉登 音之進(こいと おとのしん)」について解説します。

 ゴールデンカムイは明治末期の北海道・樺太を舞台に、男たちがアイヌ民族から強奪された金塊を求めて争いを繰り広げる物語。

 鯉登少尉は才能豊かですが精神的に未熟なボンボン軍人として登場し、作中で読者も目を疑うほどの成長を遂げた男です。

 本記事では作中での成長著しい鯉登少尉の過去と決意(裏切り?)、月島とのコンビなどを中心にその魅力を深掘りしてまいります。

「ゴールデンカムイ」鯉登音之進(鯉登少尉)のプロフィール

基本プロフィール(外見、性格、モデル、誕生日、年齢、声優など)、薩摩弁

 鯉登少尉は帝国陸軍北海道第七師団に所属する軍人で、鶴見中尉お気に入りの薩摩隼人です。

 士官学校を卒業した軍人家系のエリートで、当初は世間知らずで我儘なお坊ちゃんとして登場し、周囲を振り回していました。

 過去のある事件から鶴見中尉に心酔しており、常に鶴見のブロマイドを胸に忍ばせている変態的鶴見チルドレンの一人でもあります。

 外見は直角に曲がった独特の眉と浅黒い肌が特徴の華のある美青年。

 鶴見のお気に入りだけあって能力は高く、自顕流の達人でもあります。
 また、頭の回転も速く、敵の変装を誘導尋問で華麗に看破したこともありました。

 ただ性格は非常に我儘で迂闊なボンボンで、ゴールデンカムイらしく奇行も目立ち、興奮すると早口の薩摩弁になってしまい何を言っているのか分からなくなる困ったちゃん

 モデルとなった実在の人物は第七師団の第18代師団長を務めた鯉登行一という説が有力です。

 誕生日は12月23日で年齢は1886年生まれの21歳。

 声優は小西克幸さんです。

兄の死が切っ掛けで父との距離が生まれ、そこを親子ともども鶴見に付け込まれる

 鯉登は日本海軍の要人を父に持ち、鹿児島でも裕福な家庭に育った典型的なボンボンでした。

 幼い頃から鼻持ちならないドラ息子として有名だった鯉登が鶴見と出会ったのは、鯉登が14歳の時。

 当時の鯉登は、海軍予備校に進学しながらも、かつて年の離れた兄が日清戦争の海戦で戦死したことがトラウマとなって船酔いをするようになり、それが引け目となってやさぐれていました。

 また、父も兄が死んで以降、自分に関心を持たなくなり、疎遠となっていたことも、鯉登がぐれた原因の一つだったのでしょう。

 鶴見と出会って2年後、函館に移住した鯉登。
 そこで鯉登はロシア軍らしき者たちに誘拐されてしまい、その身柄と引き換えに鯉登の父は函館要塞と駆逐艦の破壊を要求されます。

 鯉登を見捨てるしかないと考えていた父でしたが、鶴見の活躍によって鯉登は見事に救出され、鯉登父子は鶴見に心酔。
 鯉登は鶴見の役に立とうと、父のいる海軍ではなく陸軍士官を志すことになるのです。

 ……しかしこの誘拐事件、実際には鯉登父子を引き込むための鶴見の自作自演。

 後に鯉登自身もそのことに気づき、鶴見に対する忠誠に疑念が生じていくことになります。


「ゴールデンカムイ」鯉登音之進(鯉登少尉)の人間関係

物語当初は鶴見中尉を妄信していたが……

 物語当初、鯉登少尉は熱狂的な鶴見信者であり、その忠誠心は鶴見の前に立つと興奮して示現流独特の猿叫を発したり、早口の薩摩弁になって何を言っているか分からなくなるほど異常なものでした。

 普通ならこんな面倒な男を部下にしておきたくはないでしょうが、能力自体は非常に優秀で、旗頭となる華もあるということで、鶴見も鯉登を気に入っており、歪んではいるものの二人の関係は理想的な主従だったと考えられます。

 しかし、物語が進む中で、かつて誘拐犯が口にしていた「バルチョーナク(ボンボンという意味)」というロシア語を尾形が自分に向けて発したことが切っ掛けで、あの誘拐事件そのものが鶴見の自作自演だったのでは、という疑念を抱くようになります

 そして徐々に鶴見に対する妄信が晴れ、公正な軍人、一人の男として鶴見に対して向き合っていくことになるのですが……

月島軍曹とのコンビ、過去の誘拐事件での因縁

 鯉登少尉と月島軍曹は共に行動を共にすることが多い名(迷)コンビです。

 当初の鯉登は完全なボンボンで、鯉登の方が上官ではあったものの、月島からは自身の補佐を「子守」と言われるなど完全にバカにされていました。

 まあ、散々鯉登の奇行をフォローさせられて、薩摩弁の通訳までやらされてれば愚痴の一つも言いたくなりますよね。

 そんな鯉登と月島には一つの因縁があります。

 それは、かつて鯉登を誘拐した実行犯の中に月島がいた、というもの。

 月島が鯉登を馬鹿にしていた理由には、鯉登父子が都合よく鶴見に利用されていることへの憐れみもあったのかもしれません。


「ゴールデンカムイ」鯉登音之進(鯉登少尉)の成長と裏切り(?)

金塊争奪戦を通じて一人の男として大きく成長

 鯉登は元々才能には恵まれていたものの、世間知らずで鶴見に都合よく利用される未熟なキャラクターでした。

 そんな鯉登も金塊争奪戦という荒波に身を投じ、杉元アシリパなど様々な人々とふれあう中で一人の男として大きく成長を遂げることになります。

 鶴見一派の人間が、その首魁も含めて歪んだ人物が多い中で、ある意味鯉登は非常に真っ直ぐで、穢れのない軍人でした。

 だからこそ、誘拐事件の真実を知って怒りに身を任せることも、投げやりになることもなく、男として一皮むけることができたのでしょう。

 他の連中を見ると、宇佐美は完全に倒錯してますし、月島は自暴自棄だし、純粋に鶴見劇場の呪縛を解くことができたのは鯉登ぐらいなんですよね。

真実を知り鶴見中尉を裏切るかとも思われたが、最後まで見届けることを決意

 鯉登は誘拐事件の真実を知った後、鶴見の意に反して谷垣とインカㇻマッを逃がしています。

 それを知り、谷垣を殺そうとする月島。

 鯉登は月島を制止しますが、月島は怒りに満ちた目で鯉登に「あなたも鶴見中尉を裏切ったということでいいですか?」と問いかけます。

私は鶴見中尉と月島軍曹を最後まで見届ける覚悟だ」

 鯉登は、自分たち親子が利用されていたのだとしてもかまわない。

 鶴見中尉殿の行く道の途中でみんなが救われるなら別にいい。

 ただ、鶴見中尉に本当の目的があるのなら、それを見定めたいのだと答えます。

 そして、だからこそ、自分たちは谷垣たちを殺してはならないのだと、月島軍曹を思いとどまらせるのです。

 一人の男として、鯉登の成長が最も良く表れたシーンでした。

鶴見中尉の死後は中央から部下たちを守り、最後の第七師団長に

 月島軍曹への宣言通り鶴見中尉を最期まで見届けた鯉登。

 彼には鶴見の死後、賊軍として処罰を受けることとなる自分を含めた部下たちを中央から守り抜くという大仕事が残っていました。

 最終的に鯉登は月島軍曹をその右腕として中将、最後の第七師団長にまで登り詰めており、無事に部下を守り、軍人としての職責を全うすることができたようです。

 金塊にも鶴見という英雄にも頼ることなく、最後まで。



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