「ゴールデンカムイ」刺青人皮(いれずみにんぴ)~刺青囚人一覧および暗号の解読方法について徹底解説~

 今回は大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、この物語の鍵そのもの「刺青人皮(いれずみにんぴ)」について解説します。

 刺青人皮とは、のっぺら坊と呼ばれる男が囚人たちの皮に彫ったアイヌ民族の莫大な金塊の行方を記した暗号。

 ゴールデンカムイでは日露戦争直後の北海道を舞台に、この刺青人皮と暗号の解読方法を巡って男たちによる壮絶な争奪戦が繰り広げられています。

 本記事ではその刺青人皮が刻まれた刺青囚人の一覧や、暗号の解読方法などを中心に徹底解説していきます。

「ゴールデンカムイ」刺青人皮とは?

アイヌ民族の金塊の隠し場所を記した暗号

 刺青人皮とはのっぺら坊と呼ばれる男がアイヌ民族の莫大な金塊(約2万貫=8千億円相当)の隠し場所を暗号にして囚人たちの皮膚に彫ったものです。

 のっぺら坊は金塊を移送していた7人のアイヌの民を殺害したとされる犯人で、殺人の罪で網走監獄に収監されていました(実際には彼はアイヌの民を殺していません)。

 のっぺら坊は外部に金塊の在り処を伝えるため、金塊の分け前を与えるという条件で監獄の囚人たちに暗号化した刺青を彫り、監獄を脱獄して小樽に向かうよう指示しました。

 刺青人皮は全部で24。

 莫大な金塊を手に入れるため、野に放たれた刺青囚人たちを巡って、主人公たち杉元一行、元新選組土方一派、鶴見中尉率いる第七師団の三つ巴の争奪戦が繰り広げられます。

解読の鍵はアシリパの記憶?

 刺青人皮は囚人たちの上半身(若山だけは下半身)にびっしりと刻まれており、複数の曲線的なラインと漢字(文章ではなく一文字)で構成されています。

 刺青人皮は単独では意味をなさず、複数の刺青人皮を集め、つなぎ合わせることで金塊の隠し場所が明らかになる暗号。

 当初は24枚全てが必要とされていましたが、実際には全て集めなくとも解読は可能です。

 全て必要だとしたら1人分でも紛失したら永遠に暗号が解けなくなってしまうので、これは考えてみれば当然のことですね。

 しかし刺青人皮を集めても、それをどうすれば暗号が解読できるのかは囚人たちにも知らされていません。

 唯一、暗号解読の鍵をのっぺら坊から聞かされていたのが土方歳三

 土方は「小樽の『コチョウベアスコ』という娘に会え」とのっぺら坊からヒントを与えられていました。

 コチョウベアスコ(=小蝶辺明日子)とは、本作のヒロイン・アシリパの和名。

 のっぺら坊の正体は、アシリパの父・ウイルクだったのです。

 周囲の者達は、刺青人皮の暗号を解読する鍵はアシリパの記憶にあると推察していましたが、アシリパ自身は何も心当たりがなく……


「ゴールデンカムイ」刺青囚人一覧

 刺青人皮を刻まれた囚人たちは全部で24人。

 その一覧は次の通りとなっています。

名前罪状初登場
1後藤竹千代殺人1話
2笠原勘次郎不明3話
3白石由竹強盗、脱獄4話
4土方歳三政治犯7話
5牛山辰馬殺人12話
6津山睦雄殺人19話
7二瓶鉄造殺人22話
8辺見和雄殺人37話
9家永カノ殺人50話
10宝井哲夫不明56話
11若山輝一郎殺人65話
12船橋荘六不明72話
13鈴川聖弘詐欺87話
14坂本慶一郎強盗、殺人102話
15姉畑支遁傷害、器物損壊108話
16門倉利運(囚人でない)117話
17都丹庵士不明119話
18岩息舞治暴行143話
19土井新蔵殺人151話
20関谷輪一郎殺人172話
21松田平太殺人217話
22海賊房太郎強盗、殺人223話
23マイケル・オストログ殺人225話
24上エ地圭二殺人232話

 メインキャラクターとして活躍した者もいれば、あっという間に死んでしまった者、未登場のまま死んでしまった者と、その役柄は様々。

 非常に個性豊かな面々が揃っており、凶悪犯云々より、とにかく変態が多いことが特徴です。

 ちなみに門倉利運だけは囚人ではなく看守部長。

 のっぺら坊が24番目に彫った刺青の持ち主で、刺青は背中にだけ彫られており、他の囚人たちのものと比べると小さめでした。

 なお、刺青には囚人たちの皮膚を直接剥したものと、刺青の写し、そして鶴見中尉が剥製職人の江渡貝に作らせた6枚の偽物が混在しています。

 最終的には同盟を結んだ杉元一行と土方一派、そして対立する第七師団が互いに14~15枚分の刺青人皮の情報を獲得し、暗号解読に着手しました。


「ゴールデンカムイ」刺青人皮の解読方法

暗号解読の鍵は5つ

 暗号解読の鍵とされていたのはアシリパの記憶でしたが、作中ではそれ以外にも4つ、計5つの鍵が登場しています。

①アシリパの記憶
②アイヌの金貨
③海賊房太郎の情報

④土方歳三の記憶と刺青
⑤門倉利運の刺青

 まず最も重要なのは①アシリパの記憶。

 暗号を解く鍵は、暗号を彫ったウイルク(=のっぺら坊)のアイヌ名「ホロケウオシコニ」、今ではアシリパだけが知る名前の存在でした。

 刺青人皮には共通する音の漢字がいくつも彫られていますが、その内「ホロケウオシコニ」以外の漢字は基本的に囮。

 「ホロケウオシコニ」の音を表わす漢字は刺青一皮に4文字以上入っており、ぴったり間隔が合う漢字同士を重ね合わせることで刺青人皮が一つの大きな図になるようになっていたのです。

 また暗号解読を進める上で助けとなったのが、支笏湖で見つかった②アイヌの金貨。

 アイヌの金貨には「交互に」「交差」を表すアイヌ文様が刻まれており、どの線にも交わらない一本の線を表わす紋様は刺青と共通していました。

 そしてどの線とも交わらない線をつなぎ合わせていくと、浮かび上がってきたのは大きな星型。

 ③海賊房太郎の裏情報により、ウイルクたちが金塊を移動させる前の大まかな隠し場所は分かっており、移動可能な範囲は絞れています。

 そこから推察された金塊の隠し場所は、新選組終焉の地・函館五稜郭でした。

 刺青とアシリパの記憶だけでも解読は可能でしたが、②と③の情報もヒントになっていた、ということですね。

 

 しかし隠し場所が五稜郭と分かってもその敷地は広大。

 どこに隠しているかは分かりません。

 その正確な隠し場所へと導いてくれたのが④土方歳三の記憶と刺青、⑤門倉利運の刺青の存在でした。

暗号解読の先にあったもの

 ウイルクは二つのものを五稜郭に隠していました。

 その内の一つは、④土方歳三の刺青の左胸に刻まれた「神」の文字の位置にある兵糧庫に埋められていました。

 土方は「神」の文字の下には必ず意味があると確信していたのです。

 しかしそこに埋められていたのは、金塊ではなくアイヌ民族が日本政府から購入した北海道の土地の権利書。

 アイヌ民族は金塊を使って日本政府から土地を購入していたのです。

 すごいものではありますが、自分たちの役には立たないと力が抜ける杉元たち。

 しかし権利書を読んでいくと、土地の購入には金塊の約半分しか使われていないことが判明し、残る1万貫の金塊はまだ残されていることが判明。

 ではそれはどこに?

 その疑問を解き明かしたのは、⑤門倉利運の刺青に刻まれた「馬」の文字でした。

 その「馬」の文字の位置はかつて馬用の井戸があった場所。今ではその存在を知っているのは土方ぐらいのものでした。

 記憶を頼りに井戸があった場所を掘り返してみると、そこには莫大な量の砂金が。

 刺青人皮の暗号の先には確かに黄金が隠されていたのでした。



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