今回はアニメ化、実写化もされた大人気漫画「弱虫ペダル」から、天才スプリンター新開隼人の悩める弟「新開 悠人(しんかい ゆうと)」について解説します。
新開悠人は真波山岳に続く箱根学園史上二人目の1年生レギュラー。
エーススプリンターであった兄と同じく才能あふれる少年ですが、偉大な兄にはやや屈折した感情を抱いており、作中での言動には尖ったものが目立ちます。
本記事ではそんな新開悠人の人間関係(新開隼人・葦木場)やお面を被る理由、成長と活躍などを中心にその魅力を深掘りしてまいります。
「弱虫ペダル」新開悠人ってどんな奴?
基本プロフィール(誕生日、身長、声優、あだ名、自転車)
所属 | 箱根学園 |
身長 | 175cm |
体重 | 61kg |
誕生日 | 12月30日 |
タイプ | クライマー(?) |
愛車 | cervelo(白地に黒ロゴ) |
声優 | 内田雄馬(幼少期:矢作紗友里) |
新開悠人は王者箱根学園自転車競技部において、真波山岳に続いて史上二人目の1年生レギュラーの座を勝ち取った才能あふれる少年。
箱根学園のエーススプリンターであった新開隼人の弟でもあります。
外見は兄によく似た整った顔立ちをしており、違いとしては黒髪と赤目、やや細身の体格が挙げられます。
性格は自己顕示欲が強く生意気。
偉大な兄と比較され続けた劣等感からか、とにかく自分の力を見せつけ、勝利することに強いこだわりを持っています。
そのためレースでは相手にわざと接触したり、路肩に追いやったりとかなり黒寄りのグレーなプレーを多用していました(実際のレースでやったら厳しいペナルティを受けるでしょうで……御堂筋とかが散々やってるんで今更ですけど)。
ついたあだ名は「ピークホーネット(頂上のスズメバチ)」。
ポジションはクライマーorスプリンター?
新開悠人のポジションは兄とは違ってクライマー……ということになっています。
実際、クライマーとしてレギュラーを勝ち取ったのですからその実力に疑いはありませんし、作中では主人公の小野田坂道とも互角の戦いを繰り広げていました。
兄と違って細身なのも、登りのために体重を抑えているからでしょうしね。
しかし新開悠人の元々の脚質は兄と同じスプリンター。
本人はそのことを認めたがりませんが、IHでは御堂筋や今泉俊輔相手に互角のゴールスプリントを繰り広げており、スプリンターとしても並々ならぬ才能を秘めていることは間違いありません。
更に、新開悠人は追い出しレースを経て箱根学園の新エースとなることが判明しています。
葦木場のようにクライマーとしてエースとなっていた例もあるため、エースだからと言ってオールラウンダーに転向しなければならないわけでもありませんが、能力的にみればもはやオールラウンダーとそのものでしょうね。
「弱虫ペダル」新開悠人の人間関係(お面の理由)
尊敬する先輩・葦木場拓斗
箱根学園に入学した新開悠人を待っていたのは、前年に卒業した兄・新開隼人の影を彼に見る先輩たちでした。
不躾な態度をとる先輩たちと衝突し、自身も失礼な態度をとって孤立する新開悠人。
そんな新開悠人を変えたのは箱根学園のエース葦木場拓斗でした。
「おまえに注意しないのは新開さんって存在があるからだ」
「それおまえが一番ふり払いたいヤツじゃないのか」
先輩へ敬意を払おうとしない新開悠人を叱責し、勝負を持ち掛ける葦木場。
新開悠人はそれに応じ、レース中、葦木場を挑発して足を使わせ、ゴール前で引き離そうとします。
しかし葦木場は冷静にそれを躱し、逆に新開悠人の動きをコントロールして圧倒的な実力差で勝利しました。
敗北を切っ掛けに葦木場の実力を認め、練習を共にするようになる新開悠人。
普通なら反発してしまいそうなものですが、葦木場の天然なキャラクターがちょうどうまく新開悠人にハマったのでしょう。
新開悠人は葦木場を次第に尊敬するようになり、それが切っ掛けで先輩たちにこれまでの態度を謝罪し、チームに受け入れられていったのです。
偉大な兄・新開隼人、お面の理由は兄への複雑な感情の表れ
幼い頃、新開悠人と隼人はとても仲の良い兄弟でした。
新開悠人が自転車競技を始めたのも兄に憧れて。
しかしどんなに努力しても、周囲からの評価は「新開隼人の弟」。
8度目のレースで勝利を掴んだ時、それでもなお変わらない周囲の評価に兄の存在を疎ましく思うようになり、次第に疎遠となっていきました。
クライマーの道を選び、度々それを強調するのも、自分は兄とは違う存在なのだという周囲へのアピールです。
とは言え完全に兄を嫌っているのかというとそんなことはなく、むしろ兄へ劣等感を抱く自分の小ささに嫌気が差しているような様子もあります。
そんな兄へのコンプレックスの表れが、時折新開悠人が被っているお面。
黒田雪成からツッコまれた新開悠人は「少女願望がある」とその理由を語っていましたが、作者の渡辺先生曰く、偉大な兄へのコンプレックスがお面を被ることによって表現されているそうです。
つまりは、妹だったらこんな風に兄を疎ましく思うことなく、素直に慕っていられたのになぁ、ってことなんでしょうね。
「弱虫ペダル」新開悠人の活躍(vs小野田坂道など)
IH2日目、小野田坂道への宣戦布告
最初に新開悠人がその実力を露にしたのは、IH2日目、前を行くメンバーに追い付こうとする小野田坂道と二人になった時。
新開悠人は山王と呼ばれる小野田に勝ち、自分の実力を誇示しようとどちらが先にメンバーと合流できるか勝負を持ち掛けます。
小野田の「チームのために走る」という姿勢に、根本的に自分とは相容れないと感じつつ、だからこそ勝利しておかなければならないと決め、加速する新開悠人。
そのまま前をキープしたまま葦木場と合流しますが、総北は小野田に併せてメンバーが下がっていったため「どちらが速く合流するか」という勝負は同着に終わります。
ただこれがゴールであれば勝利していたのは新開悠人。
彼がその実力をまざまざと見せつけた瞬間でした(まあ、実際にゴール前だったら小野田くんの走りは別物だったでしょうけど)。
葦木場から託された2日目のゴール争い
そして2日目のゴール争いにおいても新開悠人はその実力を発揮します。
本来ゴールを狙うエース葦木場が山岳リザルトのために足を使ってしまい、ゴール争いに絡めなくなった箱根学園。
しかし葦木場は新開悠人にゴールを託します。
新開悠人はクライマーの自分が平坦のゴール争いに絡めるはずがないと戸惑いますが、それでも葦木場の信頼に応えるべくそのペダルをこぎました。
本人は否定するでしょうが、兄譲りのスプリンターとしての才能の片鱗を見せた新開悠人は、御堂筋、今泉と互角のスプリントを発揮し、彼らを追い詰めます。
残念ながら御堂筋たちには一歩及ばず結果は3位でしたが、周囲にその実力を見せつけました。
IH3日目、チームのために捨て石となる覚悟を決めた新開悠人
IH3日目には新開悠人の成長が垣間見えたシーンがありました。
ゴール目前の登りで、先頭を行く総北に追い付くべく、黒田を切り離して先を行く真波と合流したはずの新開悠人。
切り離された黒田は京都伏見の御堂筋と岸神の足止めを試みていました。
そこに姿を見せたのは前へ行ったはずの新開悠人。
困惑する黒田に対し、御堂筋は冷静に新開悠人が限界に近いことを見抜きます。
いくら凄い才能を秘めていても、まだ彼は1年生ですからね。
新開悠人は自分が京都伏見の二人を足止めする隙に、余力のある黒田を先に行かせようと考えて下がってきたのです。
それはチームの勝利のために自分が捨て石になるという決断。
自分さえ勝てばいいと考えていた今までの彼では考えられない行動でした。
新開悠人の覚悟を理解し、真波との合流を目指して先を行く黒田。
新開悠人は京都伏見の二人を力の限り足止めしようとします。
残念ながら限界が近かった彼では、それほど長い時間を稼ぐことはできませんでしたが、結果的にその行動が肉マニアの岸神の興味を引き、彼を戦線離脱させることに成功しました。
チームのために走ることを学んだ新開悠人の今後にますます期待が高まりますね。
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