「弱虫ペダル」御堂筋翔~キモイ、最強、脱皮、変態etc、他作品にも大きな影響を及ぼした男、その名言、過去~

 今回はアニメ化、実写化もされた大人気漫画「弱虫ペダル」から、恐らく作中において読者の心に最も大きなインパクトを残した男「御堂筋 翔(みどうすじ あきら)」について解説します。

 御堂筋はある意味において「キモさ」を極限まで追求した究極の敵役(ヒール)。
 そのインパクト抜群の言動は突き抜けており、もはやウザさを通り越して名人芸の域にあります。

 しかもただキモイだけではなく、実際にとんでもなく強く、しっかりとした過去のバックボーンが存在している御堂筋。

 本記事では彼の幼少期や活躍、周囲に与えた影響などを中心に深掘りしてまいります。

「弱虫ペダル」御堂筋翔ってどんな奴?

基本プロフィール(誕生日、身長、声優など)

所属京都伏見高校
身長185cm
体重不明
誕生日1月31日
タイプオールラウンダー
愛車DE ROSA
声優遊佐浩二(幼少期:雪野五月)

 御堂筋は作中において、メインキャラの一人である今泉が過去に敗北した因縁の相手として登場し、実際のレース(IH)ではその因縁を超えてレースそのものを縦横無尽にかき回した敵役です。

 外見はのっぺりとした顔立ちと爬虫類のような目つき、細長い手足が特徴で、とにかく不気味な雰囲気を漂わせています。

 性格は非常に傲岸不遜で、常に他者を見下し小馬鹿にしたような言動をとり、勝利のためなら挑発、詐術、ラフプレー何でもありと、いっそ清々しいほどの悪役っぷり。

 口癖は「キモ」、他人のことは「ザク(=量産型)」と呼称するなど、その振る舞いは実に傍若無人なものでした。

 初登場時は1年生でしたが、御堂筋は京都伏見高校自転車競技部に入部するなり当時の3年生エースだった石垣に勝負を持ち掛け勝利し、強引にエースの座をもぎ取って部を支配しています。

 その結果、部員たちには自分のことを君付けで呼ばせ、部員同士は番号か名字で呼び合うことを強制するなど独特のルールを徹底(……君付けで呼ばせるのは、友達いなくて寂しかったんですかね?)。

 レース戦略も全て御堂筋が立て、京都伏見高校を独裁主義、軍隊的なチームへと作り変えていました。

母親との意外な過去、勝利への異常な執着

 そんな典型的な悪役である御堂筋ですが、意外や彼も幼い頃は多少内気で人付き合いが苦手なだけの普通の少年でした。

 御堂筋は元々母子家庭で育ったようですが、その母親は病弱で永らく入院しており、御堂筋本人は親戚の家に預けられています。

 御堂筋が自転車に目覚めたのは、幼少期に母親が入院する山向こうの病院まで自転車で毎日見舞いに行っていたことが切っ掛けです。

 人付き合いが苦手でイジメられていた御堂筋にとって、母親は唯一無条件に自分に愛情を注ぎ、認めてくれる存在。自転車に乗り始めたのも、母親に会いたい、母親を喜ばせたいとの想いからでした。

 しかしそんな母親も御堂筋が小学生の時に亡くなってしまいます。

「何があっても、前に進むんやで」

 母親の死、そして母親が最期に残した言葉が、現在の御堂筋の勝利に対する異常な執着心を形成したのです。

 ちなみに、現在でも御堂筋にとって母親の存在は非常に重く、劇場版では大会への出場よりも母親の墓参りを優先している場面が描かれていました。


「弱虫ペダル」御堂筋翔の強さと活躍

今泉が敵視する不気味な男として登場、物語を混沌へ落とし込む

 元々御堂筋は、今泉が中学時代に敗北した因縁の相手として物語最初期から存在が匂わされていました。

 単純に敗北しただけなら今泉はそこまで御堂筋を意識してはいなかったでしょう。

 しかし御堂筋はレース中、今泉に対し彼の母親が事故に遭ったと嘘を付き、動揺させるという卑怯な手段を使って今泉に勝利していたのです(勿論、卑怯な手を使わなかったとしても今泉が勝てたかはかなり怪しいですが)。

 そしてIHで再会した御堂筋は今泉のことを「弱泉」と呼んで馬鹿にし、それだけでなくレース前に王者箱根学園相手に壇上で「ハコガクぶっ潰しまーす」と宣戦布告するなど、大胆不敵な振る舞いを見せます。

 そして実際に、IH初日は千葉総北、箱根学園と共に同率1位でゴールし、物語を混沌の渦へと落とし込んでいったのです。

何度も崩れ落ちながらも脱皮と変態を繰り返し飛翔

 作中では異常な強さと勝利への執着を見せる御堂筋でしたが、その反動か勝利を逃した際の落ち込みは激しく、IH途中にレースを投げ出して退部しようとしたこともありました。

 しかしそうしてどん底に落ちても御堂筋は何度も復活し、更なる力を得て主人公たちの前に立ちふさがります。

 その最たるものが異常な前傾姿勢で自転車を漕ぐ、通称「飛ぶライド」

 作中ではイナゴが翅を広げたような描写で描かれ、更なる進化・躍動を遂げる際は「脱皮」としてその様子が表現されています。

「これが僕の変態や!」

 御堂筋の決めゼリフですが、これは何ていうか……あんまりですよねぇ?(変態=動物が生育過程において形態を変化させること)

 ちなみに、IHでは圧倒的な実力でレースをかき回し、周囲を蹂躙する御堂筋ですが、1年目2年目ともに最終日はゴールに絡むことはできず、その直前で自身が「弱泉」と馬鹿にしていた今泉との一騎打ちで敗れ、リタイアしています。


「弱虫ペダル」御堂筋翔が与えた影響

勝利への渇望、その名言は勝ち負けというシンプルな世界へ物語を回帰させる

 弱虫ペダルは主人公である坂道がホンワカした雰囲気のオタク少年で、ライバルである真波も不思議ちゃんなため、彼らだけだとどうしても物語が緩みがち。

 勝ち負けよりも一緒に走れることが楽しい、みたいな爽やかな雰囲気が漂ってしまうんですよね。

 そんな空気を引き締め、物語を勝ち負けの世界に回帰させてくれるのが、御堂筋を始めとした勝利へ強く執着する男たちです。

「ロードレースは純粋!」
「より純粋に勝ちを求めたモンが勝つんや!」

 レースの本質を突き、勝利の価値を再認識させてくれる御堂筋の言葉。

 勝つために走っていて、だからこそその走りには価値があるのだと、読者にもレースの意味を思い出させてくれます。

「ボクは母親死んだくらいでペダルゆるめたりせんよ!? 甘泉くん」

 勿論、そのあまりに苛烈で理不尽な言葉は、周囲へ不快感をまき散らすこともしばしば。

「正しいことを正しいと判断出来る」
「足元がブレてへん」
「おまえら完全に、こっち側の人間や!」

 しかし、それでも勝利に強く執着する彼のような人間がいるからこそ、物語として勝利の価値がより輝くことも確かです。

「勝利や勝利、勝利!」
「勝利以外は意味ないわ!」

 ……まあ、程度の問題はありますけど。

「弱虫ペダル」だけでなく他作品にも大きな影響を及ぼす

 ここから先は完全な余談(というか与太話)ですが、御堂筋は「弱虫ペダル」という作品の枠を飛び越えて、他作品にも大きな影響を及ぼしています。

 別に他作品で御堂筋をパクったキャラクターが登場したとかそういう意味ではなく、御堂筋のインパクトが強すぎたせいで、類似のキャラクターが御堂筋のイメージに塗りつぶされてしまう、という意味で。

 似ているとされるキャラクターは実は多数存在するのですが、一番影響を受けたのは間違いなく僕のヒーローアカデミアの「瀬呂範太」。

 瀬呂範太は中身は立派な好青年ですが、御堂筋と外見というか雰囲気が激しく似ているため、ネット上では兄弟か双子かと話題に。

 瀬呂範太を見ていると御堂筋が浮かんできて思わず笑うという方が続出しているようです。

 瀬呂範太を綺麗な御堂筋と表現する人もいるようですが……なんだろう、この言葉の矛盾感は?(与太話終了)。

【まとめ】「弱虫ペダル」キャラクター一覧

 



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