今回はアニメ化、実写化もされた大人気漫画「弱虫ペダル」から、主人公にして最強のクライマー「小野田 坂道(おのだ さかみち)」について解説します。
小野田くんは”メガネ””小柄””気弱”と三拍子そろった典型的なオタク少年で、一見すると自転車競技とは対極に位置する存在です。
しかし同時に、やる時は必ずやる典型的な主人公でもあり、およそ土壇場では異常とも思える勝負強さを発揮しています。
本記事ではそんな小野田くんの人間関係や活躍を中心に、その魅力について解説してまいります。
「弱虫ペダル」小野田坂道ってどんな奴?
基本プロフィール(誕生日、身長、声優、自転車)、嵐のような母親
所属 | 千葉総北高校 |
身長 | 165cm |
体重 | 54kg |
誕生日 | 3月7日 |
タイプ | クライマー |
愛車 | クロモリロードレーサー → BMC(黄) |
声優 | 山下大輝 |
小野田坂道は「弱虫ペダル」の主人公であり、千葉総北高校自転車競技部の1年生クライマー(物語開始時)です。
外見は小柄で細身、丸眼鏡をしたいかにも気弱で人の良さそうな少年です。
見た目通り性格は非常に気弱で、スポーツも(自転車を除き)苦手。
典型的なオタク少年で、中学時代は友達もいなかったため、人付き合いも得意ではありません。
しかし優しく仲間想いで、いざ動き出すと常軌を逸した精神力で物事をやり遂げる、典型的なやる時はやる男でもありますね。
元々はアニ研に入るつもりでしたが部員不足で休部となってしまっており、今泉や鳴子に誘われたことが切っ掛けで自転車競技部に入部しました。
友達が欲しくて、今泉や鳴子と一緒に走れたら楽しいだろうなと思って自転車競技を始めたため、勝利への欲求はほとんど無いのですが、上を目指す仲間たちと一緒に走るため、仲間たちを助けるために凄まじい速さで成長していくことになります。
なお、小野田くんの母親は自転車競技に関して全く理解しておらず、人の話を全く聞かずに嵐のように現れ唐突に立ち去っていく強烈なキャラクターをしていますが、アニメが絡んだ時の小野田くんの押しの強さは母親譲りと考えられます。
「山王」チート級の最強ハイケイデンスクライマー
小野田くんの武器はその圧倒的なハイケイデンス(高回転)で、通常は毎分70~90と言われるケイデンスを、彼は毎分180回転以上まで上げることができます。
シフトチェンジなどの細かな技術は未熟で、加速も減速もケイデンスだけでコントロールしているという不器用っぷりですが、そのたった一つの武器が小野田くんの場合は突出しています。
小野田くんのハイケイデンスを作り上げた基礎となっているのが、小学生の時から毎週秋葉原までの往復90kmを電車代を浮かすためにママチャリで通っていたという経験。
その距離も凄まじいですが、実は小野田くんのママチャリは親御さんが心配してあまり遠くまで行けないよう、こいでもあまり進まないよう細工がされていて(小口径ギア)、足にかかる負担は相当なものだったのでしょう。
その本人も意図しない積み重ねが、それまで全くスポーツ未経験だった小野田くんをIHの頂点、「山王」と呼ばれるまでに成長させたのだと考えられます。
「弱虫ペダル」小野田坂道の人間関係
千葉総北高に鳴り響く「ラブ☆ヒメ」の歌(主に今泉、田所)
小野田くんは千葉総北高校自転車競技部のメンバーとは非常に良好な関係を構築しており、メンバーからは「意外性」の男として頼りにされています。
運動部の怖そうな人が苦手という設定はどこへ行ったのやら、いかにもな強面の3年生、田所ともいつの間にか普通に仲良くしていますね。
ただ、普通に仲良くするだけなら良かったのですが、小野田くんは自転車競技部に入っても「仲間とアニメや漫画について語り合う」という夢を諦めきれなかったのか、部員たちに大好きなアニメ「ラブ☆ヒメ」を布教し始めました。
クールな今泉には刷り込みの様にひたすら語り続けて興味を持たせ、田所に至ってはIH2日目に弱って極限状態にある中、救出と引き換えに公衆の面前で「ラブ☆ヒメ」のテーマ曲を熱唱させるという強引な手に出たのです(やや誇張表現有り)。
お陰で2人は「ラブ☆ヒメ」の歌を完璧に覚えてしまい……
憧れの先輩クライマー巻島さん
小野田くんが作中で最も憧れ、懐いているキャラクターが先輩クライマーである巻島裕介です。
しかし冷静にエピソードを振り返って行くと、実は巻島さんはそれほど小野田くんに慕われるようなことをしているわけではありません。
クライマーとしての指導も、巻島さんが口下手だったため、最後は「自己流を貫け」とそれっぽいことを言って誤魔化しているだけ(悪く解釈すると)なんですよね。
その後も要所要所で巻島さんはカッコいいこと言ってるんですが、別にそこまで懐くほどのエピソードかと言うと……
しかしそれでも巻島さんの不器用さ(?)みたいなものが小野田くんには非常にウケたのか、結果的に小野田くんは巻島さんに別格とも呼べる尊敬と憧れを向けることになりました。
1年目のIH後に巻島さんはイギリスへ留学することになりましたが、小野田くんは巻島さん相手にマメに手紙を書いて連絡を取り続けています(なお、返信は一切ない模様)。
宿命のライバル、真波山岳
作中における小野田くんの最大のライバルが、王者箱根学園のクライマー、真波山岳です。
真波は実力だけでなくイケメンで爽やかな女性人気も高いキャラクターで、ある意味小野田くんとは対照的。
しかし2人とも天然キャラなため相性は非常に良く、レースの内外を問わず友人として親しくしています。
元々は飲み物が買えず行き倒れそうになっていた小野田くんに、真波がドリンクボトルを渡して助けたのがその出会い。
その後、偵察に行った真波が小野田くんの走りに興味を持ち、IHでドリンクボトルを返して(=IHで戦おう)と伝え、実際に二人はIHで凌ぎを削ることになります。
真波としては、どこかで山岳賞争いでもできればいいね、ぐらいの発言だったのですが、結果的に2年連続でIH優勝争いという非常にプレッシャーのかかる戦いを小野田くんと繰り広げるはめになってしまいました。
小野田くんに敗北しても彼を嫌うことはできず、ただ純粋に闘志を燃やす理想的なライバル関係と言えるでしょう(理想的じゃないのが今泉と御堂筋)。
「弱虫ペダル」小野田坂道の活躍、3年生ではキャプテン就任
3年生では今泉や鳴子を押しのけキャプテンに就任
3年生(正確には手嶋たちの引退後ですが)になった小野田くんは、なんと前キャプテン手嶋の推薦を受けてキャプテンに就任します。
小野田くん本人は推薦されて非常に困惑していましたが、今泉や鳴子はそれを動揺することなく受け入れていました。
普通ならエースで落ち着いている今泉がキャプテンになるべきなのでしょうが、総北のスタイルなら小野田くんのような人間がキャプテンになった方が面白い、と考えたのでしょう。
今泉は今泉でメンタル面に脆さがあり、キャプテンとなるにはやや問題がありますしね。
同級生の川田が小野田くんを舐めて突っかかって来たり、様々問題もありましたが、小野田くんなりのやり方でチームを引っ張って行って欲しいものです。
ちなみに、箱根学園は真波が、京都伏見は御堂筋がそれぞれキャプテンに就任しており、3年目のIHはライバルたちとキャプテン同士チームを率いて激突することになるようです。
IH2年連続優勝の活躍
それでは最後に、2年連続優勝という偉業を成し遂げたIHでの小野田くんの活躍を振り返っていきましょう。
まず1年目。
初日に小野田くんは落車に巻き込まれ1人後方に取り残されるも、100人抜きを成し遂げチームへ復帰を果たします。
そして2日目は体調不良で出遅れた田所の救出に向かい、周囲が不可能と判断した田所を救出し、チームへの合流に成功。
3日目は広島呉南の策略により巨大な集団に巻き込まれてやはり遅れるも、今度は箱根学園の荒北に気に入られ、彼と協調することでチームへ復帰します。
その後、メンバーが次々と離脱する中、最後は真波と箱根の山で一騎打ち。
見事ゴール争いを制し、IH優勝を飾りました。
2年目は序盤はストレスの溜まる展開が続きます。
初日は周囲のブロックにあって出遅れ、2日目は山岳ステージとゴールが近いという特殊なコース設定から、望んでいた真波との山岳賞争いは叶いません。
最終日は仲間たちが次々と離脱する中、今泉が御堂筋を一騎打ちで下し、このままいけば1、2フィニッシュも狙えるという状況で真波が追い付いてきます。
体力を消耗していた今泉に全てを託され、再び優勝をかけた真波とのゴール争い。
シューズがペダルから外れるなどトラブルはありましたが、最後は巻島の声援に力を借りて真波との接戦を制しました。
さて、2年連続で真波と優勝争いをし、それを制した小野田くんですが、果たして3年目のIHはどんな展開となるのでしょうか……
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