今回はメディア展開が進む大人気ダークファンタジー「ゴブリンスレイヤー」のメインヒロイン「女神官」について解説していきたいと思います。
女神官は、無口かつ暴走しがちなゴブリンスレイヤーに対するツッコミ役であると同時に、この物語のもう一人の主人公とも言える重要人物。
物語が進むにつれて徐々にゴブリンスレイヤーに毒され、変なの2号とも呼ばれる彼女の魅力と能力(強さ)について語っていきましょう。
なお、変なの1号ことゴブリンスレイヤーと物語の舞台となる四方世界の紹介記事もありますので、興味のある方はこちらも読んでやってください。
ゴブリンスレイヤー、女神官ってどんな奴?
基本プロフィール(名前、声優など)
女神官は地母神を信仰する神官で、物語開始時点で15歳になったばかりのかわいい少女。
この作品では登場人物たちが固有名でなく役割で呼ばれるため、作中では女神官とだけ呼ばれています。
声優は小倉唯さん。
外見は長い金髪が特徴の、小柄で穏やかな面立ちの少女で、胸のサイズはかなり控えめ。
性格も見た目通り優しく控え目ですが、いざという時の胆力には目を見張るものがあります。
神殿で育てられた孤児で、この世界で只人(ヒューム)が成人と見なされる15歳になると同時に独立し、冒険者となったばかりの新米冒険者です。
慢心から初めての冒険で大失敗
女神官の初めての冒険は悲惨なものでした。
ギルドで冒険者登録を済ませた女神官に声をかけてきたのは、同じく冒険者になったばかりの三人組(青年剣士、女武闘家、女魔法使い)。
彼らにゴブリン退治に誘われた女神官は「ゴブリンなんて子供でも倒せる雑魚」という彼らの言葉に流され、碌な準備もしないままゴブリンが巣くう洞窟に突入してしまいます。
しかし、ゴブリンの数の暴力、慣れない閉所での戦いという悪条件に加え、背後から奇襲を受けた彼らは全滅。
青年剣士は嬲り殺され、女武闘家は慰みものにされ、女魔法使いは毒矢を受けて……
そんな絶体絶命のピンチに訪れたのが、この物語の主人公、ゴブリンスレイヤーです。
ゴブリンスレイヤーによって救われた女神官ですが、青年剣士と女魔法使いは死亡し、女武闘家も再起不能。
慢心した冒険者がゴブリンに敗北することは、この世界では「よくあること」であり、助かった女神官は幸運だったとも言えるでしょう。
ともかく、そのことが切っ掛けで女神官はゴブリンスレイヤーとともに冒険(ゴブリン退治)に赴くようになります。
そして、銀等級という一流の冒険者でありながら、ゴブリン専門で特殊な戦い方をするゴブリンスレイヤーに驚きつつも、徐々にその在り方に染まっていくこととなるのです。
ゴブリンスレイヤー、女神官の強さ
スペック的には極めて才能あふれる純ヒーラー(ただしTRPG的には……)
女神官の能力は、神官(プリースト)技能特化の純ヒーラーです。
作中では経験の浅い最下級の冒険者でありながら、銀等級の冒険者一党の冒険について立派に役割を果たしている才能あふれる少女、という立ち位置。
実際、女神官は最初から一日に魔法を3回も使える優秀なマジックユーザーで、これはゲーム(TRPG)的に言うと36分の1の確率(約3%)でしか生まれない稀な存在です(この世界はMP式ではなく、予め一日に使える魔法の回数が決まっている)。
ちなみに、36分の5(約14%)で2回、36分の15(約42%)1回、残る4割の人間は別途スキルで魔法の使用回数を増やさないと(最大で+5回)、全く魔法を使えません。
一方で、マジックユーザーとしては優秀な女神官ですが、神官以外の技能を全く習得していないため、かなり使い勝手の悪いキャラクターでもあります。
なんせ、優秀と言っても魔法が使える回数は限られていますから、副技能を習得していない女神官は、普段は雑用ぐらいしかできないんですよね。
女神官が習得している魔法(奇跡)は次の通りです。
<初期>
・小癒(ヒール)
・聖光(ホーリーライト)
<追加習得>
・聖壁(プロテクション)
・沈黙(サイレンス)
・浄化(ピュアファイ)
・聖域(サンクチュアリ)
対アンデッドを除けば攻撃呪文は一つもなく、補助、便利系呪文を揃えている感じですね。
とは言え、作中ではこれが本来の用途とは違うえげつない使われ方をされることになるのですが……(詳細は後述)
ゴブリンスレイヤーに染まり、変なの2号と呼ばれる理由
ゴブリンスレイヤーについて行ったばかりの頃は、女神官は突飛なゴブリンスレイヤーの行動に振り回され、困惑してばかりでした。
ゴブリンは女の臭いに敏感だからと、臭い消しのためにゴブリンの臓物を全身にぶちまけられ、死んだ目をしていた女神官。
しかし、そんな純粋無垢な少女はもういません。
「すぐに慣れますよ」
どれだけの回数臓物をぶちまけられたのか、女神官は意外な適応能力の高さを見せ、ゴブリンスレイヤーの相棒としての地位を確立していきます。
ゴブリンに対して容赦がなく、おかしな戦術をとるのはもはや当たり前。
ゴブリン以外の相手に対しても「『直接』触れてはいけない」という条件を取り付けて勝負を挑み、飛び道具を使うという騙し討ちに近い形で勝利した上、即座に不意打ちで相手を無力化するという容赦のなさ。
それを見ていた周囲の非難の声に対しても、
「だってわたし、触れてないですよ?」
ゴブリンスレイヤー、女神官の作中での活躍
聖壁(プロテクション)は万能魔法
作中で最も活躍した魔法はこの聖壁と言って過言ではないでしょう。
実のところ小癒(ヒール)なんかは、ポーションで代用できるので実はあまり使われていないんですよね(ヒーラーとは何ぞや?)。
強敵の魔法を防ぐといった王道の使い方をしていたのは最初の方だけ。
複数の聖壁で挟んで敵を動けなくしたのも、まあマシな方でした。
洞窟を火攻めにして出口を聖壁でふさいだり、エレベーターの縦穴に落ちた敵に対し聖壁で穴を塞いでエレベーターで敵をプレスしたりと、えげつない使い方がばかりしています。
もはや「女神官=聖壁」と言っても過言ではありませんが……こんな使い方をしても技能を取り上げない地母神は、本当に懐が広いですね。
地母神からも注意された禁断の即死魔法「浄化(ピュリファイ)」
そんな寛容な地母神であっても、さすがに見過ごせなかったのが禁断の即死魔法「浄化(ピュリファイ)」です。
浄化は「液体の汚れを取り除いて真水にする」というだけの簡単な魔法で、(ゲーム的には)貴重な呪文枠を割いて習得する人間は少数派です。
女神官が敢えてこの魔法を習得した理由は言わずもがなで、毎度ゴブリンの臓物をぶちまけられるのはキツかったんでしょう。
しかし、そうしてゴブリンの血肉を浄化できるならと、碌でもないことを思いついちゃったんですよね。
「汚れと認識していれば敵の血を真水に変えられる」
抵抗に失敗すれば血液を真水に変えてしまう、即死魔法の完成です。
作中では殺しまではせず、術の妨害に使う程度だったのですが、さすがに地母神も見過ごせなかったのか女神官に警告を与えています。
……そんなだから変なの2号呼ばわりされるんだよ。
もはやどこを目指しているか分からない、女神官の成長(?)を今後も生暖かく見守っていくことにしましょう。
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