今回は魔物食という異色のテーマを扱う人気作「ダンジョン飯」から、作中に登場する「獣人」について解説します。
獣人とは文字通り人間と獣を掛け合わせたような見た目をした種族の総称。
生来の獣人であるコボルト、オークなどとの区別が難しいですが、作中では基本的に獣人とは古代魔術によって肉体を改変された「人工獣人」のことを指します。
実は何かと複雑でわかりにくい存在である獣人。
本記事ではそんな彼らの生態や特徴、有名な「獣人ワナビ」エピソードなどを中心に深堀してまいります。
「ダンジョン飯」獣人とは?
古代魔術で肉体を改変された存在
この「ダンジョン飯」世界において獣人とは一般的に、古代魔術により獣(魔物)と人の魂を結合させ肉体を改変された「人工獣人」のことを指します
元々は古代人が兵隊として徴用するために生み出した亜人種。
普段は人間の姿ですが、半人半獣の姿に変身することができます(後述)。
現代ではこうした人工獣人を生み出す古代魔術の使用は禁忌とされ、重い罪が課せられます。
しかしそうした術師は意外と多く、闘技場などには相当数の人工獣人が所属しているようです。
オークやコボルトは生来の獣人?
「人工獣人」というからには当然この世界にも「生来の獣人」が存在するはずですが、作中で明確に「生来の獣人」と呼ばれた種族はいません。
コボルトやオークは「生来の獣人」と呼んで差し支えないように思えますが、いずれも「亜人」と表現され、獣人とは呼ばれていません。
他に生来の獣人と呼ぶべき種族がいるのかどうかは不明ですが、獣人は「亜人」の一種と見做されているので、個別の種族名があるコボルトやオークは敢えて獣人とは呼ばれていないとも考えられます。
ちなみにコボルトやオークは「人間と〇〇の魔物を掛け合わせたと思われる亜人」と表現されており、あるいは彼らは古代人によって作られた獣人の末裔なのかもしれません。
「ダンジョン飯」人工獣人の種類
この世界でよく見られる人工獣人の大まかな種類は以下の通りです。
ワーウルフ
闘技場で一番多くみられるのがこのワーウルフ。
獣化の古代魔術は、掛け合わせる魔物とあまりに体格がかけ離れていると適応できず、また掛け合わせた獣に引きずられて体調や性格にも変化が起こります。
ワーウルフが一番多くみられるのは、適応条件が緩く、術後の体調や性格の変化があまりないことが大きいとされています。
協調性も高く、変身していない時でも同種同士でよくつるんでいるのだとか。
ワーベア
獣人世界の王者と言えばワーベア。
適応条件は並外れて厳しく、相当な巨体でなくては熊の獣人になることはできません(小型の熊なら別ですが)。
戦闘能力は折り紙付きで、闘技場時代にリシオンもパンチ一発で下あごをもっていかれたことがあったそうです。
身体に大きな負担がかかるため、闘士としての引退は早いのだとか。
ワーラット
ネズミの獣人。
小柄なハーフフットに適応する魔物は多くなく、ワーラットを見かけたらまずハーフフットがベースになっていると考えて間違いありません。
人間時より多少強くなるようですが、闘技場ではもっぱら盛り上げ役や接待役で、実際に戦うことは多くありません。
実は稀少な存在なので、無茶をさせられることはないそうです
ワータイガー
闘技場の花形と言えばワータイガー。
とにかく強いし華やかで、熊ほどではないもののなるには才能が必要です。
ただネコ科の特徴か社会性を失いがちで、気分屋になる傾向があります。
そのため扱いが難しく、奴隷や戦争にはあまり採用されていないのだとか。
「ダンジョン飯」人工獣人は人間の姿に戻れる?
魔物と人間の魂を結合させた人工獣人は、本来自在に人間の姿に戻ることができます。
リシオンも露出度は高いものの、普段は普通の人間とを全く同じ見た目。
彼ら人工獣人は人間に魔物の魂を少しだけ混ぜていて、普段は魔物の魂を内側に抑え込んでいます。
そして魔物の魂を解放することで半人半獣の姿に変身することができます。
例外は大猫(魔物)との獣人であるイヅツミですが、彼女は実はこの魂の割合が逆。
大猫に少しだけ人間の魂が混ざっていて、気ままな大猫は人間の魂を普段から全く抑え込んでいないため、普段から半人半獣の姿で人間らしく振る舞うことができています。
「ダンジョン飯」獣人ワナビとは?
獣人と言えばコミックス11巻の巻末に収録された「モンスターよもやま話」で、リシオンがライオスを罵った「獣人ワナビが」というセリフが有名です。
狼男に変身したリシオンを見て、昔の自分の夢は狼男になることだったと語り、アイドルを前にしたオタクのように興奮するライオス。
しかし実際リシオンに話を聞いてみると、中身はほぼ人間で、外側だけ獣の姿になっているだけと聞いて途端にガッカリしてしまいます。
自分の自慢の身体を暗に馬鹿にされ、キレたリシオンはライオスに対して実に的確な罵倒を繰り出します。
それが「獣人ワナビが」というもの。
言い返す言葉もなく睨み合うライオスとリシオン。
ちなみに後にライオスは、しっかり本物の魔物に変身しワナビを卒業しています。
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