今回は魔物食という異色のテーマを扱う人気作「ダンジョン飯」から、生き物を他種族に変身させる茸「チェンジリング」について解説します。
チェンジリングは本作の中盤で登場する不思議な茸。
センシの悲しい過去の鍵を握る存在であると同時に、登場人物たちの別の姿を見せてくれる楽しい存在でもあります。
本記事ではそんなチェンジリングの概要や登場話、登場人物のビフォアフターなどを中心に解説してまいります。
「ダンジョン飯」チェンジリングとは?
生き物を他種族に変身させる茸(キノコ)
チェンジリングとは「ダンジョン飯」の物語中盤で登場する不思議な茸。
円形状に群生する茸の一種で、茸の輪に踏み入った者を近縁種に変化させる性質を持ちます。
変化先はランダムですが、あまり元の種族からかけ離れた種族には変化せず、トールマンをエルフやドワーフに、ヒポグリフをグリフィンに変化させるイメージですね。
迷宮の地下6階以下に生息しており、地上では駆除対象で現在は希少な存在。
なお、チェンジリングの影響を受けた者が腕などで作り出す「環状」にも同様の変身作用があります。
元ネタは同名の「取り替え子(チェンジリング)」
「ダンジョン飯」に登場するチェンジリング(茸)の元ネタは、同名のヨーロッパの伝承「取り替え子 (チェンジリング)」。
取り替え子とは、妖精によって子供を連れ去られた際、代わりに置いていかれた妖精の子供を指す言葉です。
各地に類似の伝承が伝わっており、現代では奇行や奇形のある子どもの特異性を無理やり説明するために用いられた迷信だと言われています。
あの子供が知恵遅れなのは、あるいは容姿が変なのは妖精の取り替え子だからだ、と。
一部地域では取り替え子に冷たく当たったり拷問することで本来の子供を取り返すことができると信じられており、虐待を取り繕う言い訳としても使われていました。
「ダンジョン飯」チェンジリングの登場話
センシの過去エピソードの鍵(49話)
チェンジリングの初出は49話。
センシは若い頃、ギリンが率いる鉱夫団に所属していましたが、その一団は迷宮内で遭難し、グリフィン(?)に襲われて次々命を落とすことに。
リーダーのギリンは、若いセンシを生かすために優先的に食料を与えてくれたのですが、最後に彼がセンシに与えたのがグリフィンの肉で作ったというスープ。
他の仲間が全滅する中、そのグリフィンの肉によってセンシは辛うじて生きながらえるのですが、センシはその肉が実は仲間の肉だったのでは、という疑念をずっと抱いて生きてきました。
そして改めて迷宮内でグリフィンと遭遇し、倒した際、センシはライオスの提案で再びグリフィンの肉を食べてみることにします。
しかしその肉の味は思い出の味とは似ても似つかぬもの。
つまりあれはやはり仲間の肉、と絶望しかけるセンシでしたが、ライオスはグリフィンではなくヒポグリフの肉だったと断言します。
実はかつて戦士たちを襲った魔物はグリフィンではなく、グリフィンの近縁種にあたるヒポグリフ。
チェンジリングによってヒポグリフへと変換されたその肉の味はセンシの記憶のスープと合致。
センシの長き渡る疑念が取り除かれたのです。
ライオス一行うっかり変身(50~52、55話)
その後の話では、うっかりチェンジリングを踏んでいたライオス一行が、それぞれ別の種族に変化してしまいます。
ライオス
トールマン → ドワーフ
マルシル
エルフ → ハーフフット
チルチャック
ハーフフット → トールマン
センシ
ドワーフ → エルフ
イヅツミ
トールマン → コボルト
それぞれ別の種族に変わったことで、メリットとデメリットがあり、それでワチャワチャした形ですね。
ライオスはドワーフになってパワフルになったものの、疲れやすくなってしまいます。
マルシルは感覚が鋭くなったものの、魔力が少なくなって魔法がほとんど使えなくなり、寿命も大幅に短縮。
チルチャックは身体が大きくなったことで目立って隠れられなくなり、ハーフフットの鋭い感覚を喪失。
センシはやたら耽美になり、貧弱でただ鼻につくだけの存在に。
イヅツミは愛嬌がなくなった形です。
一行は胞子を洗い流すことで元の姿に戻りますが、その後チェンジリングの大歩き茸と遭遇し、再び変身。
ライオスはハーフフット、チルチャックがドワーフ、センシがハーフフット、イヅツミがオークと、ここまでは普通でしたが、マルシルがオーガに変身しており、とても逞しくなっていました。
また、ライオスたち以外にもミスルンとカブルーもチェンジリングで他種族に変身していました。
「ダンジョン飯」チェンジリング、七変化
ライオスたちの変身パターン
扉絵では実際にライオスたちがチェンジリングで変身した以外の種族へのビフォアフターも描かれています。
マルシルは変身してもかわいいイメージに変化はありませんが、普段もっさりしたイメージのあるライオスは他種族だと意外にかわいい系。
チルチャックは全体的に中年臭さがアップ、センシはエルフ化した際の耽美感がすごいことになっています。
確かにセンシはドワーフの中では知性的なんですよね。
イヅツミの場合、チェンジリングでも混じった大猫の因子は変えられないのか、変身しても猫耳はそのままです。
落書き本ではその他キャラの変身も(ナマリが人気)
落書き本ではライオス一行以外のキャラクターの変身姿も描かれています。
ほとんどのキャラクターはあまりイメージに大きな変化はなかったのですが、この中で話題になったのがナマリ。
ナマリはドワーフで、背が低くふくよかな体型をしているのですが、実はドワーフの中では背が高く(平均125cmに対し130cm)、決して太っているわけではありません。
他種族、特にトールマンに変身したナマリはシャープな輪郭の姉御肌で、普通に美人だなとファンを喜ばせていました。
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