「ゴールデンカムイ」レタラ~最後のエゾオオカミ・レタラは死なない? その名の意味とつがい(家族)、二瓶との激闘~

 今回はヤングジャンプで連載されていた大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、最後のエゾオオカミ「レタラ」について解説します。

 レタラは子狼だったころアシリパに保護され、共に育った純白のオオカミ。

 成体となった現在ではアシリパと離れて森で暮らしていますが、彼女の危機には颯爽と駆けつける頼もしい守護者です。

 またエゾオオカミは当時既に絶滅していたと考えられており、その稀少さから二瓶ら猟師たちに命を狙われたレタラ。

 本記事でレタラの過去やその生死、つがい(家族)の存在などを中心に語っていこうと思います。

「ゴールデンカムイ」レタラとは?

絶滅したとされている最後のエゾオオカミ

 レタラとは作中序盤に登場した純白の雄のエゾオオカミです。

 明治時代の北海道ではエゾオオカミは家畜を襲うことを理由に害獣指定され、徹底的な駆除活動が行われており、ゴールデンカムイの舞台とされる1907年当時、既にエゾオオカミは絶滅したと考えられていました。

 史実でエゾオオカミが確認されているのは1896年の毛皮の取引が最後です。

 レタラはそんな時代を密かに生き延びたエゾオオカミで、猟師たちからは「最後のエゾオオカミ」と呼ばれていました。

 作中ではアイヌの少女・アシリパの友として登場し、その強さと追跡能力でアシリパのみならず主人公・杉元の危機をも救っています。

名前の意味は「白い」

 レタラの名前の意味はアイヌ語で「白い」。

 アシリパが名付けた名前で、もう本当に見たまんまですね。

 アイヌ語のレタラは今でも北海道ではお店の名前などに使われており、時折目にすることがあるようです。

 ちなみにオオカミのことはアイヌ語で「ホロケウカムイ(狩りをする神様)」。

高い知性と追跡能力、マタギを一撃で倒す戦闘能力

 エゾオオカミであるレタラの能力は優れています。

 オオカミは身体の大きさに対する脳の割合が犬よりも30%も大きく、非常に賢いことで知られています。

 また嗅覚は人の数万倍で、30億個以上の臭いを嗅ぎ分けられ、特に獲物の体臭に関しては抜群の追跡能力を発揮するのだとか。

 長時間に渡って走り続ける体力もあり、まさに最強の追跡者と言えるでしょう。

 更にその牙と爪、大きな体躯からなる戦闘能力も非常に高く、作中ではセクシーマタギこと谷垣源次郎を一撃で打ち倒していました。


「ゴールデンカムイ」レタラとアシリパ

 レタラは子狼の頃、ヒグマに襲われているところをアシリパに救出され、彼女に保護されました。

 レタラの親はアシリパが駆け付けた時には既に命を落としており、その毛皮はアシリパの防寒具となっています。

 幼い頃はいつも一緒に過ごし、共に狩りをしていたアシリパとレタラでしたが、レタラがオオカミとして成長したことで別れの時が訪れます。

 誇り高き「ホロケウカムイ」であるレタラは飼い犬になることはできず、ある嵐の夜に届いた遠吠えに誘われ、アシリパを置いて森に戻っていったのです。

 

 とは言え、アシリパとレタラの絆がそこで断たれたわけではなく、住む場所は違えど二人の交流は続いていました。

 実際、作中においてレタラはアシリパに何かあれば即座に駆けつけ、何度もその危機を救っています。

 また、その際にはアシリパに撫でられて無邪気に喜ぶ子供のようなレタラの姿も見られました。

 物語中盤以降、登場することはありませんでしたが、それはあるいはアシリパに杉元という新たな相棒ができたことを知り、杉元になら彼女を任せられると判断したからなのかもしれません。

「ゴールデンカムイ」レタラと二瓶鉄造

 レタラ最大の見せ場と言えば、刺青囚人の一人で伝説の熊撃ちと呼ばれる二瓶鉄造との激闘でしょう。

 最後のエゾオオカミであり、美しい純白の毛皮を持つレタラは猟師たちから常に狙われていました。

 レタラは二瓶の仕掛けた罠をその高い知性と嗅覚で何度もかわしていたレタラ。

 しかし最終的にアシリパを人質に取られ、救出するため二瓶に向かって正面から突撃することに。

 レタラは銃の照準が定まらぬように素早く左右にステップを踏みながら間合いを詰め、二瓶に食らいつきます。

 しかしレタラが食らいついたのは二瓶の左腕。

 二瓶は残る右腕でレタラの喉元に銃を突きつけ、勝利を確信しました……が、そこに突如現れた雌のエゾオオカミが二瓶の首を食いちぎり、二瓶は息絶えることになります。


「ゴールデンカムイ」レタラのつがいと家族

 最後のエゾオオカミと思われていたレタラですが、彼には家族がいました。

 二瓶との戦いに割って入ったのがレタラのつがいで奥さん。

 茶色の毛を持つエゾオオカミです。

 嵐の夜に遠吠えでレタラを呼んだのは彼女だったのかもしれません。

 また、レタラには奥さんだけでなく子供が、しかも4頭もいたのです。

 純白の子狼が1頭、残る3頭は奥さんのように茶色の毛をしていました。

 絶滅したと思われていたエゾオオカミですが、ゴールデンカムイの世界では人知れず、密かにその命が紡がれていたのですね。

「ゴールデンカムイ」レタラはどうなった?(→死なない!)

 レタラは二瓶との激闘の後、家族と共に森に帰っていき、その後、最後まで再登場することはありませんでした。

 レタラたちエゾオオカミにとっては厳しい時代が続きますから、一概に「その後は幸せに暮らしました」とは言えませんが、物語としては最後まで生き延びたと言えるでしょう。

 作者の野田先生も、レタラの子供たちの血が今もどこかで受け継がれていて欲しい(どっかのアイヌ犬と混ざったりして)とコメントされおり、その未来は暗いものばかりではないはず。

 きっとレタラたちエゾオオカミが生きた証は、今もどこかに繋がっていることでしょう。



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