今回は大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、土方一派に加わった刺青囚人の一人「都丹 庵士（とに あんじ）」について解説します。
都丹庵士（とにあんじ）はアイヌの金塊の行方を記した刺青を持つ囚人の一人。
監獄での苦役が原因で失明しているものの、音の反響により正確に周囲の物の位置を把握する特殊能力を持つ男です。
当初は失明の原因を作った犬童典獄への恨みによって動いていましたが、土方歳三に救われて以降はその一派で斥候として活躍。
本記事では都丹庵士（とにあんじ）のプロフィールや元ネタ、作中での活躍とその最期（死亡）などを中心に語ってまいります。
「ゴールデンカムイ」都丹庵士（とにあんじ）のプロフィール
基本プロフィール（外見、性格、誕生日、年齢、声優など）
都丹庵士はアイヌ民族の金塊の行方が記された刺青を持つ刺青囚人の一人。
当初は共に脱獄した手下たちと盗賊に身をやつしていましたが、土方歳三に命を救われて以降は彼の一派に加わっています。
外見はガラス玉のような目つきと左右非対称の耳当てが特徴の白髪の老人。
実は投獄中の苦役が原因で失明しており、音の反響により周囲の物の位置を正確に把握する特殊能力を保有しています。
義理堅さと執念深さを併せ持ち、目的のためなら箍が外れてしまう危うい性格の持ち主。
誕生日は不明。
年齢は若かりしの土方を知っており、かつ土方に敬語を使っていることから60代後半ぐらいと推察されます（土方はゴールデンカムイの舞台とされる1907年時点で72歳）。
声優は水島裕さん。
元ネタは盲目のガンマン、俳優「トニー・アンソニー」
都丹庵士の元ネタ（モデルとなった実在の人物）は、名前と盲目という設定から、マカロニウエスタン映画で成功をおさめた俳優「トニー・アンソニー」だと言われています。
トニー・アンソニーは1972年に「盲目のガンマン」という映画で主演を務めており、恐らくこれが都丹庵士のイメージモデル。
都丹庵士も作中では拳銃をメインウエポンとして使用しています。
ちなみに「盲目のガンマン」自体が、日本の映画「座頭市」のオマージュだそうです。
「ゴールデンカムイ」都丹庵士と杉元一行の戦い（初登場）
都丹庵士の初登場は119話（118話のラストで存在だけは明かされています）。
杉元一行は屈斜路湖周辺で都丹庵士が自分と同じ境遇の囚人たちを率いて盗賊を行っていることを知り、その刺青を探す途中、付近の温泉宿に宿泊します。
その宿に按摩師として潜んでいたのが都丹庵士。
彼の手引きにより、杉元一行は素っ裸で入浴している最中に、都丹庵士配下の盗賊たちから襲撃を受けピンチに陥ります。
しかし銃を忍ばせていた尾形や杉元たちは不利な状況から見事に都丹庵士たちを撃退。
都丹庵士は杉元によって殺されそうになりますが、そこに現れた土方歳三の仲裁によって命を救われ、以降配下の盗賊たちと共に土方一派に加わることになります。
「ゴールデンカムイ」都丹庵士と犬童典獄への恨み
都丹庵士が土方一派に協力した理由は、土方への恩もありますが、当初はそれ以上に網走監獄の典獄・犬童四郎助へ復讐する機会を狙っていた、というのが大きかったと思います。
そもそも都丹庵士が失明したのは、犬童によって硫黄山での苦役に駆り出され、亜硫酸ガスによって目を侵されてしまったことが原因です。
犬童は資金作りのために硫黄山の経営者に密かに囚人たちを労働力として貸し出し、失明した者はその場で殺されることさえあったそうです。
都丹庵士が屈斜路湖周辺で盗賊をしていたのは、その際の鉱山経営者を狙ってのことでもあったのです。
土方一派に加わり、杉元一行とも協力して犬童典獄が取り仕切る網走監獄への襲撃に参加した都丹庵士。
彼は襲撃の最中、犬童典獄に復讐する機会を得ますが、残念ながら犬童の反撃に遭って昏倒。
その時も同行していた土方が犬童を討ち、再び都丹庵士の命を救うことになります。
「ゴールデンカムイ」都丹庵士と有古力松との戦い（死亡説）
網走監獄襲撃の後、都丹庵士は土方の指示で第七師団御用達の療養地がある登別温泉に按摩師として潜入し、鶴見陣営の動きを探っていました（192話）。
そこで都丹庵士は療養していた菊田特務曹長と有古一等卒に怪しまれ、交戦状態に入ります。
暗闇と洞窟の地形を利用した戦術により一時は優位に立ったものの、有古が引き起こした雪崩に巻き込まれる都丹庵士。
有古が剥がしたという都丹庵士の人皮刺青の存在もあり、そこで死んでしまったものと思われましたが……
その後、都丹庵士は207話で再登場。
実はあの雪崩の後、都丹庵士は有古に掘り起こされ捕えられていましたが、そこに現れた土方歳三の説得によって有古は鶴見一派から土方一派に寝返っていたのです。
これで都丹庵士は三度に渡って土方歳三に命を救われたことになりますね。
「ゴールデンカムイ」都丹庵士の最期（土方を庇い死亡）
土方によって何度も命を救われた都丹庵士ですが、彼は最後に土方のためにその命を使い、恩を返します。
都丹庵士の最期は五稜郭での決戦、293～294話の出来事でした。
第七師師団との激戦の最中、その超人的な聴力によって二階堂が土方を狙っていることを察した都丹庵士は、咄嗟に土方を庇い、凶弾に貫かれます。
明らかな致命傷。
しかし土方がいなければとうに死んでいた命。
少しでも土方の寿命の足しになれば。
都丹庵士は残る僅かな命を賭してその後も拠点を守り続け……最期は白い静寂の世界で、静かに息絶えていきました。
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