「ゴールデンカムイ」辺見和雄~作者・野田サトルによる変態の先駆け(辺見先生・ワンドロ)、モデル、声優など~

 今回はヤングジャンプで連載中の大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、作品に勢いをつけてしまった変態の先駆け「辺見 和雄(へんみ かずお)」について解説します。

 辺見和雄はアイヌ民族の金塊の行方が記された刺青を持つ囚人の一人。

 一見するとどこにでもいる冴えないオッサンですが、その正体は「抗った末に惨たらしく殺されたい」という倒錯した性癖を持つ殺人鬼です。

 ゴールデンカムイでは代名詞とも言える常軌を逸した変態の一人ですが、辺見はまさにその先駆け。

 本記事では辺見和雄の本編での活躍(杉元との交流・死亡)、そして彼が作品と作者に与えた影響などを中心に語ってまいります。

「ゴールデンカムイ」辺見和雄のプロフィール

基本プロフィール(外見、性格、年齢、誕生日、声優など)

 辺見和雄は身体にアイヌ民族の金塊の行方が記された刺青囚人の一人。

 外見は本当にどこにでもいそうな普通の男性で、表面的には口調や物腰も落ち着いており、全くおかしなところはありません。

 しかしその正体は全国各地を渡り歩いて百名以上を殺害した連続殺人鬼。

 人を殺すことに全く躊躇がなく、息をするように殺害を繰り返してきました。

 網走監獄では白石と同室で、辺見は彼に自分の過去を語っていましたが、白石は辺見の経歴から少し距離をおいており、決して仲が良かった訳ではなかったようです。

 見た目よりも大分年がいっており、年齢は40歳手前。

 誕生日は8月23日です。

 ちなみに作中では興奮すると股間に発光エフェクトがかかります。

 声優は関俊彦さん。

実在のモデルは殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカス

 ゴールデンカムイのキャラクターには実在のモデルが存在することが多く、辺見和雄の場合は1960年代から80年代にかけてアメリカで殺人を繰り返した「ヘンリー・リー・ルーカス」がモデルと言われています。

 共通点は「連続殺人鬼」であるという点と「ヘンリー(辺見)」という名前。

 ヘンリー・リー・ルーカスは100件以上の殺人を自供したことで有名ですが、彼が犯した犯罪内容には未だ不明瞭な点が多く残されています。

 というのもルーカスは病的な虚言癖の持ち主で、その自白の多くは虚偽で信用に値しないとされているためです。

 もちろん母親の殺害など明確になっている罪も多く、殺人犯であることは間違いありません。

 ルーカスはいったん死刑判決を受けながら、後にその自白の信憑性に疑義が生じて終身刑に減刑され、最終的には2001年に心不全により獄中で死亡しています。


「ゴールデンカムイ」辺見和雄の過去(弟の死)

 辺見和雄が殺人鬼となってしまった理由には、幼少期に起こった弟の死が関係しています。

 辺見には弟がいましたが、ある日その弟が巨大なイノシシに襲われて食べられてしまいました。

 弟は必死に抵抗しましたが、弟は惨たらしく食い殺され、辺見はそれを隠れてじっと見つめていることしかできなかったと言います。

 そしてそのトラウマが、辺見に極めて倒錯した性癖・願望を生んでしまいます。

 絶望に染まる弟の目を思い出すと、誰でもいいからぶっ殺したくなる。

 そしてその果てに、弟のように惨たらしく、必死に抗った末に殺されたい。

 辺見にとって殺人とは目的ではなく、自分を惨たらしく殺してくれる存在と出会うための手段に過ぎないのです。

 辺見は殺害した相手の背中に「目」という、自分の刺青にあるのと同じ文字を刻んでいますが、これも恐らくは自分を惨たらしく殺してくれる存在をおびき寄せるための餌だったのでしょう。

「ゴールデンカムイ」辺見和雄の最期(死亡・杉元→シャチ)

 そして辺見和雄は運命の相手と巡り合います。

 白石が土方から聞いた情報をもとに、辺見和雄を追って殺人の情報があった漁場へ向かう杉元アシリパ

 そこで杉元たちは、ニシン漁師として現地に潜伏する辺見と出会います。

 直前に白石とは別行動をとってしまい、目的の辺見の顔が分からない杉元とアシリパ。

 一方で辺見は杉元に自分と同じ殺人者の匂いを感じ取り、杉元ならば自分を最高に惨たらしく殺してくれるかもしれないと彼に接近します。

 杉元と親しくなるにつれ、その在り方に心酔し「この人に殺して欲しい」そして「この人を殺そう。自分の求めていた人なら自分に殺されるはずがないし、きっと自分を殺してくれる」と考える様になります。

 そして白石が現れ自分の正体が知られたことで杉元に襲い掛かる辺見。

 辺見は決して強者ではなく、杉元との戦力差は明らかでしたが、全力で杉元に襲い掛かります。

 そして辺見に突き立てられる杉元の刃。

「……杉元さん、僕のこと」
「忘れないでいてくれますか?」

「引っ剥がしたお前の入れ墨を広げるたびに思い出すよ」

「生きててよかった」

 ……何だ、この意味不明なBLトレンディドラマみたいな展開は?

 しかしゴールデンカムイはこれでは終わりません。

 何とこの直後にシャチが辺見を連れ去っていってしまったのです。

 死の間際にシャチに乱暴される辺見が思ったことは……

『嘘、なにこれ』
『想像を超えてる』
『こんな死に方、最高だ』

 空中に投げ出された辺見が太陽と重なり、その股間が眩く発光して見えます。

 ……まあ、本人的にはこの上ない最高の死に方だったんでしょう。


「ゴールデンカムイ」辺見和雄と作者・野田サトル(辺見先生)

作品に勢いをつけてしまった最初の変態

 ゴールデンカムイにおいて辺見和雄は、作品に勢いをつけてしまった最初の変態と位置付けられています。

 ……いや、もちろん彼以前にも変態は多数登場していたのですが、辺見以前の変態はまだキャラクターに変態以外の芯が存在していました。

 一方で辺見和雄はただただ純粋に突き抜けた変態。

 辺見の存在によって作品にそっち方面の勢いがついてしまったのは間違いなく、後の姉畑支遁や中沢達弥といった突き抜けた変態たちが生まれる土壌を作り出したのです。

作者も自身のアイコンに使用、ワンドロ企画ではR18ネタをぶっこむ

 作者の野田サトル先生も辺見和雄を重要人物に位置付けており、自身のアイコンに使用しています。

 要はぶっ飛んだ変態を生み出す元となった存在ってことでしょうね。

 一部のファンは野田サトル先生のことを「辺見先生」と呼んでいるそうです。

 直接的な登場シーンこそ少なかった辺見ですが、回想などでちょいちょい登場し続けており、その際には変わらず杉元へ熱い視線を向けています。

 ゴールデンカムイの60分ドローイング企画が持ち上がった際には、ファンが自らR18ネタを自粛しようという空気を醸し出す中、野田サトル先生ご本人が辺見和雄のR18ネタを引っ提げて参戦するという蛮行をしたことでも有名ですね。

「NO変態、NO金カム」

 辺見和雄はゴールデンカムイにおいて全ての変態の父と呼べる存在だったのでしょう。



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