「反逆コメンテーターエンドウさん」感想&評価~あらすじ(概要)、主な登場人物など~


 今回は「GANMA!」で連載中の「反逆コメンテーターエンドウさん」について解説します。

 この作品は昨今の歪な報道体制に対し、誰も言えなかった稲妻のごとき金言を叩きつけるコメンテーター「エンドウさん」を描いた風刺漫画。

 現実にはこんなコメンテーターいないけど、だからこそコメンテーターはこうであって欲しいと胸に刺さる作品です。

 本記事では「反逆コメンテーターエンドウさん」のあらすじ(概要)や主な登場人物の解説を踏まえ、その魅力を語ってみようとおもいます。

「反逆コメンテーターエンドウさん」あらすじ

「もし、こんなコメンテーターがいたら」

「この漫画は『こんなコメンテーターがひとりぐらいいてもいいのでは』という願いの下に描かれたものである」

 この物語の主人公は、歯に衣着せぬ堂々たる発言で昨今の歪んだ報道体制に疑問を投げかけるコメンテーター「エンドウさん」。

 彼は視聴率重視、忖度だらけの偏向報道に平気で噛みつき、他のコメンテーターや司会者、業界関係者をぶった切っていきます。

 業界関係者からは厄介なこと極まりない人物ですが、その堂々たる言動で大衆からは人気があり、様々な番組に出演し続けています。

 人気があるから干せず、エンドウさんのそうした発言さえエンタメとして利用しているということなのか、それとも力ある誰かがマスコミへの処方箋として出演させて続けているのか……

反逆したり、刺されたり、惚気たり

 基本的には特定のテーマをお題に、掛け合い形式でエンドウさんが他のコメンテーターらに重い金言を叩きつけるショート漫画。

 友人のイシガミさんや毒舌タレントのKENJIROUなど、クセが強くエンドウさんとも互角に渡り合うコメンテーターも作中に複数登場。

 エンドウさんの発言を軸としつつも、それを絶対の考えとして思想が偏らないよう様々な視点から意見が出されているのが特徴です。

 また、単に意見のぶつけ合いだけでなく、時に刺されて死にかけたり、奥さんとの馴れ初めを語って惚気まくったりと、固いだけでなくコメディとしても秀逸な内容となっています。


「反逆コメンテーターエンドウさん」主な登場人物

エンドウ(遠藤央太郎)

 本作の主人公にして歯に衣着せぬ堂々たる金言で人気のコメンテーター。

 見た目は白髪眼鏡で頑固そうな50代の男性。

 誰に対しても忖度せず、堂々と自分の意見を主張する一方で、自分の考えを絶対のものとせず他人の考えを尊重する出来た大人。

 人情派で心優しく、人の痛みを理解しようと努める人格者。

 一方で事あるごとに幼馴染で奥さんの「いさめ」さんのことで惚気まくったり、私生活が妙に雑だったりと決して完璧な人間ではない。

イシガミ(石神涼平)

 エンドウさんの親友でもあるコメンテーター。

 一見爽やかで、エンドウさんと比べればマスコミ寄りの発言をしているように見えるが、よくよくその内容を聞いてみるとかなりの腹黒毒舌。

 社会に対して強い怒りを秘めており、若かりし日は暴走して危ない行動に出ようとしていたところを、エンドウさんに止められたことがある。

 堂々たる独身童貞53歳。

KENJIROU

 有名実業家にして毒舌タレントのおじさん。

 炎上常連で論理的でなく人格破綻者と言われているが、なんだかんだスジが通った人物で仕事も人望もある。

 エンドウさんとは互いに不仲で大嫌いと言い合っているが、エンドウさんが刺されて死にかけた際には「絶対生還させてやる」「治療費払わせろよ」と騒いでいた。

宍戸ヒルト

 有名ワイドショー司会者の男性。

 登場当初は視聴者受けしそうなことばかり言って、パワハラ三昧で、エンドウさんにやり込められていた。

 ただ実際にはその司会者としてのキャラは仕事のために作っていたものであり、本来の自分との乖離に悩んでいた。

 そのことを未来人アイドル設定でデビューし、それをすっぱりやめて女優転身した楊玉けいこに見抜かれたことで少しずつ本来の自分を取り戻していき、彼女と交際・結婚することになる。

滝澤マガリ

 現役女子高生小説家。

 アンチも多いがタフな性格で、基本的にそうした意見は相手にしない。

 作中で実は同性愛者であったことがマスコミにすっぱ抜かれるが、エンドウさんに救われる。

 作中ではエンドウさんと仲が良く、彼に近い発言をすることが多い。


「反逆コメンテーターエンドウさん」感想&評価

ワイドショーを観た後に読みたい

 昨今のマスコミの偏向報道ぶりは今更言うまでもなく、自分ではそれに流されまいと気を付けているつもりでも、どうしたって大きな声にはつい釣られてしまうもの。

 SNSだって、誰かが酷い奴だと叩かれていたら、良く知らなくてもそうなのかもという気になってきます。

 そんなワイドショーなどで取り上げられる情報に触れた後、頭をフラットにする意味で一度目を通したいのがこの「反逆コメンテーターエンドウさん」。

 この作品の良いところは決して「こちらが正しい」とか論破を目的にしていないところ。

 エンドウさんたちのコメントが非常にフラットで、歪んでいた心の背骨を治して正してくれるような作品です。

こんな人におススメ

 全国民すべからく読んでいただきたい良作。

 それも一度や二度でなく、定期的に読み返して現代マスコミの報道で歪む自分の思考をリセットしていただきたい。

 特に報道やSNSの情報に触れて、自分は正しいと攻撃的になっていたり、妙に高揚したり楽しくなっている時に読むと、今の自分を振り返る鏡になってくれる作品です。



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