今回は水瀬マユ先生が漫画アクションで連載中、交際経験0の夫婦が始めるジレジレラブコメディ「いとなみいとなめず」について紹介します。
この「いとなみいとなめず」は、文字通り色んなものをすっ飛ばかして夫婦になった2人が、”夫婦の営みを営めないまま”少しずつ距離を縮めていく物語。
「中学生かよ」とツッコみたくなる純な2人の関係をヤキモキほのぼのしながら見守っていたくなる良作です。
まだ気が早いけど、できればドラマ化して欲しいなぁ……
「いとなみいとなめず」あらすじ(ネタバレ注意)
交際経験0の純朴男がうっかり女子高生にプロポーズ→結婚!?
主人公の純岡清は不動産仲介業社で働く、ややぽっちゃりした26歳の青年。
非常に真面目で周囲からの評判も良い好青年ですが、まともに女性の目を見ることもできないほどウブで、今まで一度も女性と付き合ったことがありません。
そんな清はある日、いつも利用している弁当屋さんで働く女性、飛鳥馬澄に一目惚れしてしまいます。
寝ても覚めても澄のことが頭から離れない清。
偶然街中で澄と話をする機会を得た清は、勢い余って「僕と結婚して下さい」とプロポーズしてしまいます。
当然澄は困り顔。断られるのかと思いきや、実は澄はまだ高校2年生の女の子だったんです(事案か!?)。
澄は(何故か)プロポーズそのものは受け入れたものの、高校卒業まで結婚は待ってほしいと提案。
そして1年と9か月後、そこには澄の高校卒業を待って教会で式を挙げる清と澄の姿がありました。
ちなみに、清は式でも完全にヘタレており、誓いのキスさえできないまま式が終わってしまいます。
幼馴染の存在、すれ違い、徐々に距離は縮まるも、未だいとなみいとなめず
そうして交際経験0のまま結婚し、新婚生活を始めた清と澄。
当然、夫婦となったのですから初夜を迎え、夫婦の営みをすることになるのですが、なんと澄はそのことに動転して家を飛び出してしまいます。
澄を迎えに来た清は、澄の心の準備ができるまで夫婦の営みはしないことを約束し、2人は一緒に家に帰りました。
ある日澄は疎遠となっていたイケメン幼馴染の深田と再会します。
実は深田は幼い頃から澄のことが好きだったのですが、その想いを告げられないまま澄が結婚してしまい、やり場のない想いを抱えていました。
澄に想いを伝え、本当に清のことが好きなのかと尋ねる深田。
澄は最初はただ早く大人になりたくて結婚に応じたことを認めながら、今は清の誠実さを知り本当に好きになったと、答えながら自分の気持ちを自覚します。
澄の言葉に気持ちの整理をつけた深田。
そして澄はその帰り道、偶然清と出会い、思わず彼を抱きしめ初めてのキスを交わしたのです。
一方、清は仕事に熱中するあまり澄に寂しい想いをさせてしまい、すれ違い、初めての夫婦喧嘩にまで発展してしまいます。
何とか仲直りをしたものの、今度は清の幼馴染、森薗梓月が現れ澄に宣戦布告。
様々な障害が立ちふさがる中、果たして彼らが”いとなめる”のはいつの日になるのか……
「いとなみいとなめず」主な登場人物(ネタバレ注意)
純岡 清(すみおか きよし)
本作の主人公で不動産仲介業社「スム住ムハウス」で働く26歳の青年。
外見は体格が良くぽっちゃりとした可愛い熊のような雰囲気の持ち主。
性格は非常に生真面目でウブ。
外見にコンプレックスがあって自分に自信がなく、女性を目の前にすると緊張してまともに話ができなくなってしまう。
誠実で仕事熱心な性格から、周囲からの評価は非常に良い。
女性との交際経験が全くなく、緊張のあまり色々すっ飛ばかして澄にプロポーズしてしまう。
純岡 澄 (すみおか すみ)/(旧姓:飛鳥馬・あすま)
本作のヒロインで18歳の少女。
外見は黒髪のおっとりした雰囲気の美少女だが、これまで一度も男と付き合ったことがない。
幼い頃に両親を亡くし、祖父母に育てられる。
弁当屋でアルバイトをしており、そこに客としてやってきた清に見初められ、プロポーズされる。
プロポーズを受け入れたのは、早く大人になって祖父母に楽をさせたかった、という理由からだが、結婚してから徐々に清の誠実な人柄に惹かれて実際に好きになっていく。
性的な知識がほとんどなく、夫婦の営みについて覚悟はしていたつもりだったが、実際に初夜を迎えるとパニックになって家を飛び出してしまう。
古賀 実佳子 (こが みかこ)
澄の中学時代からの親友。
高校卒業後は短大に進学しており、今でも澄とは交流がある。
外見は黒髪ボブカットのかわいい雰囲気の少女で、恋愛にはかなり積極的な様子。
山吹 悠(やまぶき ゆう)
澄の中学時代からの親友。
トリマー志望で、高校卒業後はトリマーの専門学校に通っている。
外見はゆるくウェーブのかかったロングヘアの今風の少女だが、恋愛には慎重派。
失恋した深田充を慰めているうち、彼に想いを寄せるようになる。
深田 充(ふかだ みつる)
澄の幼馴染のイケメン少年。
中学時代から秀才として知られており、現在は超難関の帝東大学へ進学している。
幼い頃から澄に想いを寄せていたが、中学時代から思春期特有の気恥ずかしさで澄と疎遠になっていき、突然現れた清に澄をかっさらわれる。
澄に告白したが、澄の清への想いを聞いて素直に引き下がった。
藤 志津子 (ふじ しづこ)
不動産仲介業社「スム住ムハウス」に勤務するエリアマネージャーの女性。
社長賞を何度も獲得したバリバリのデキる女で、清たちの指導係として1か月間清の勤める支店を訪れる。
完璧な女性の様で、根暗だったり酒に弱かったり、プライベートは意外と隙が多い。
後に、交換ノートが切っ掛けで清の後輩の小泉と交際を始めるようになる。
森薗 梓月 (もりぞの あずき)
清の2歳年下の幼馴染の女性。
幼い頃はお互いの家を行き来するほど気が知れており、清のことを「清兄」と言って慕っている。
突然清と澄の前に現れ、澄に対して清を奪うと宣戦布告する。
「いとなみいとなめず」感想&評価
色々すっ飛ばかして結婚した清と澄が、徐々に夫婦になっていく物語
冴えない男が何故か美少女と結婚できるという、男の夢と妄想が詰まった作品。
交際経験0のまま結婚というところも、女性と上手く付き合えない男性たちの願望にマッチしています。
それだけなるよくある話ですが、この作品の秀逸なところは、本当の意味で結婚はスタートであり、ゴールではないというところ。
一般論としてではなく、清と澄は結婚してようやく、それまですっ飛ばかしてきた男女交際のあれこれをスタートさせることになるのです。
だって結婚してるのに式でキスもできてない、初夜を迎えて花嫁に逃げられるとか、普通だったらあり得ないですよね。
清と澄は結婚したと言ってもそれはまだ形だけのもの。
「いとなみいとなめず」は2人が本当の夫婦になるための歩みを描いた物語なのです。
あまりに遅すぎる歩みにヤキモキ、できればドラマ化希望
ただその歩みは非常に遅く、読んでいてヤキモキしてしまう展開が続きます。
中高生の恋愛ならこんなものなのでしょうが、「もう結婚しているのに……」という事実が先に立って、「いい加減先に進めよ」とツッコんでしまうんです。
まあ、そういったジレジレ感がこの作品の見どころで、単なるご都合主義的なラブコメとの違いなのでしょう。
また現時点(2021年9月時点)でコミックス5巻が発売されたばかりで、まだまだストーリーのストックは少ないですが、非常にドラマ映えしそうな作品だな、という印象があります。
今のドラマのトレンドとも合致しているように思いますし、このまま人気が出ればその可能性もワンチャン有るかな、と期待しています。
問題点は主人公、清をどんな俳優さんが演じるかというところ。
美男美女のキャスティングなら悩みませんが、恰幅が良くて主役ができる俳優さんって、今誰がいるかなぁ……?
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