「人喰いマンションと大家のメゾン」感想&評価~あらすじ、登場人物の解説を含む~


 今回は「ジャンプ+」で話題のSF冒険譚「人喰いマンションと大家のメゾン」について解説します。

 物語の舞台は地球崩壊1秒前、永遠の時間が流れ無限にリサイクルされ続ける不思議な「マンション」。

 「マンション」で生まれ「大家」の役割を与えられた主人公のメゾンがこの不思議な「マンション」の謎に挑むという物語です。

 かわいい絵柄と残酷な世界観のミスマッチが実に魅力的。

 本記事ではそんな「人喰いマンションと大家のメゾン」のあらすじ、登場人物の解説を踏まえ、その魅力を解説してまいります。

「人喰いマンションと大家のメゾン」あらすじ

 物語の舞台は地球が太陽に飲み込まれ消滅しようとしている終末世界。

 地球滅亡1秒前。

 しかし人類は時間が永遠に引き延ばされた不思議なマンションの中で生き延びていました。

 そのマンションは物も人も全てがリサイクルされる第二種永久機関。

 そこに住む人々は皆役割を与えられて生まれ、そして時がくればマンションマンと呼ばれる謎の存在に回収され、マンションに喰われてリサイクルされることになります。

 主人公は「大家」の役割を与えられた少女メゾン。

 メゾンには同じ日に生まれたジンケンという幼馴染がいましたが、ジンケンはメゾンが大家としての仕事を始める14歳の誕生日、知るべきでないマンションの秘密を知ってしまいリサイクルされてしまいます。

 それを切っ掛けでこのマンションの存在とルールに疑問を持ったメゾンは、何故ジンケンが殺されなければならなかったのか、その理由を知るためマンションの謎に挑んでいくことになるのです。


「人喰いマンションと大家のメゾン」主な登場人物

メゾン

 本作の主人公で「大家」の役割を与えられて生まれた14歳の少女。

 外見はゴーグルがトレードマークのショートカットで活発そうな少女。

 基本的にはしっかり者で、向こう見ずさと冷静さを併せ持ち、頭の回転は速いがカッとなると我を忘れるタイプ。

 ジンケンのリサイクル(死?)を切っ掛けに周囲の反対を押し切ってマンションの秘密を探っていく。

 先代の「大家」はジンケンと同様に知るべきでない秘密を知ってリサイクルされており、周囲からは度々「先代のようになるな」と言われている。

ジンケン

 メゾンと同じ日に生まれた少年。

 いかにもなヤンチャ坊主で、「人権委員」なる役割を与えられているが「大家」と違って特に仕事はない。

 メゾンの居場所を見つけるのが得意で、かつて彼女が触れるべきでない場所に迷い込みピンチになった際、救い出したことがある。

 マンションの秘密に触れてしまいリサイクルされてしまった筈だが、今でも何らかの方法、場所でメゾンを見守っていることを匂わせる描写があり……

リスキー

 不気味なバイザーをつけたショートカットの女性。

 危機管理委員長で、マンション内のあらゆる場所を「目」で監視している。

 自治会長の命令でメゾンを監視しているが、「ジンケン」らしき謎の影とも繋がっており、メゾンにとって敵か味方か不明の謎多き人物。

デンポ

 電報委員のデンポ。

 メガネにオカッパ頭の少年で、小数点エリアに閉じ込められており、その影が助けを求めてメゾンを呼び寄せた。

 かつてマンションフロア拡大プロジェクトの移住メンバーの一人として広大な小数点フロアにやってきたものの、突如プロジェクトは凍結。

 デンポは小数点フロアの住人に退去を促し、最後に自分が出て行こうとした時、既に出口は閉鎖されフロア内に閉じ込められてしまう。

 本人は既に白骨化しているが、マンションでは人はマンションマンに回収されリサイクルされないと永遠に死ねず、その影が意識をもって行動していた。

MUSHI

 映画監督兼緑化委員。

 普段は不気味なマスクをしているが、中身はファンキーな見た目の若い女性。

 若くしてマンションマンに殺された友人の仇をとろうとしている。

 禁断のデータに触れ、マンションマンを倒す武器を作成していた。

自治会長

 マンションを統括する自治会のトップ。

 ギョロ目の不気味な老人。

 「大家」よりも立場は上でマンションの秘密に近い場所にいるらしく、秘密を探るメゾンに警告を発している。


「人喰いマンションと大家のメゾン」感想&評価

謎が謎を呼ぶ停滞したディストピア

 この「人喰いマンションと大家のメゾン」は「地球滅亡1秒前」と「時間の止まったマンション」というディストピア世界を舞台に、主人公のメゾンがマンションと世界の謎に挑む物語。

 SF、サスペンス、ホラー、冒険譚の要素が絡み合った内容となっています。

 人がマンションに食べられリサイクルされるというホラーな設定と可愛らしい絵のミスマッチが魅力的で、ファンからは「メイドインアビス」に通じるものがあるとの声が上がっていました。

 一つ謎や設定が明かされると、そこからまた更に謎や疑問が生じ、混迷を深めていくストーリー展開は非常にグッド。

 ホラー要素はあるものの、話自体はあまり暗くないのでスルスル読み進めていけます。

こんな人におススメ

 SF好き、あるいはメイドインアビスのような作品が好きな方には文句なしにおススメ。

 主人公のメゾンが癖の少ないキャラクターなので、基本的には老若男女問わず受け入れられるのではと思われます。

 ただ設定が複雑なので、隙間時間にちょっと読もうとすると、今何が進んでいるのか分からなくなるかもしれません。

 設定を考察したり、しっかり作品を読み込むのが好きな方向けの作品です。



コメント

タイトルとURLをコピーしました