今回は、「ビッグコミックスペリオール」で大人気連載中の「コタローは一人暮らし」について紹介したいと思います。
本作は電子コミック大賞などで徐々に人気に火が付き、2021年4月から関ジャニ∞の横山裕さん主演で実写ドラマ化もされています。
まだ漫画本編が完結しておらずドラマは独自の結末を迎えましたが、こちらでは漫画版を中心にコタローを取り巻く人々、彼の父親や母親との関係について解説していきたいと思います。
「コタローは一人暮らし」のあらすじ(ネタバレ注意)
ぼろアパートに住む売れない漫画家、狩野進の隣の部屋に、まだ4歳の子供、コタローが一人で引っ越してくるところから物語は始まります。
こんな小さな子供が一人暮らしをするなんて普通あり得ない。
狩野は心配してコタローを見守りますが、コタローは幼いながらも意外としっかりしていてきちんとお金も管理し生活できている様子。しかしやはり子供なので知らないことも多く、一人で頭を洗うことが出来ないなど手のかかる一面もあって、次第に狩野はコタローとの距離を縮めていきます。
個性豊かなアパートの隣人たちも巻き込んで、健気でしっかりしているけれど、どこか放っておけないコタローと親子のように日々を過ごしていく狩野。
そして、次第に明かされるコタローが一人暮らしをしている理由と、彼の両親の存在。
詳しくは不明ですが、コタローの父親は暴力的でかなり性格に問題のある人物だったようです。
そしてコタローの母親はコタローを連れて父親から離れて暮らしていましたが、その母親も既に亡くなっています(コタローはそのことを理解していません)。
その後コタローは児童養護施設に預けられていたのですが、コタローの父親が施設に現れて暴れたため、コタローは施設を出て一人暮らしをせざるを得なくなったと言うのです。
コタローは弁護士から毎月母親の保険金を受け取り、アパートで暮らすようになりました。
しかし今でもコタローの父親はコタローの居場所を探しています。おそらくそれはコタローと暮らしたいからではなく、コタローの母親が残した保険金を狙って。
そのことを知って心配する狩野たち周囲の大人。けれどコタローはまだ父親のことが大好きで、いつか再び一緒に暮らしたいと思っているようで……
今後、コタローと父親との関係がどうなるか、非常に気になるところです。
コタローを次第に自分の子供のように思っていく狩野はどうなるのか……コタローの気持ちを考えると、安易に狩野の子供になればいいじゃん、とは言えませんよね。
「コタローは一人暮らし」の主な登場人物
さとう コタロー
主人公で4歳の男の子。目つきが鋭く、好きなアニメ「とのさまん」の影響で自分のことを「わらわ」、相手のことを「おぬし」と言う、結構クセが強いキャラクター。
お気に入りは第一話で買ったおもちゃの刀で、常に腰に差している。
4歳児とは思えないほど生活力があり、人に聞きながらではあるがキチンと健全な生活を送ることができている。
父親だけでなく母親にも虐待されていた形跡があり、母親はコタローに触るときいつも手袋をはめていた。しかしその手袋もコタローにとっては大切な母親との思い出らしい。
父親のことは今でも大好きで、いつか一緒に暮らしたいと思っている。自分が弱いから父親が周りから悪く言われてしまった、だから自分が強くならなければならないと、健気ではあるが自罰的な一面を見せている。
狩野 進 (かりの しん)
コタローの隣の部屋に住む売れない漫画家。31歳。
目つきが鋭く(悪く)、コタローの父親に間違われることも。
自堕落な生活を送ってはいるが、意外と善人で面倒見がいい。コタローのことを気にして徐々にその距離を縮めていく。
田丸 勇 (たまる いさむ)
サングラスをかけたいかつい顔のいかにもな男性。実際、昔は背中に落書きがあったらしく(今は消している)、その筋の方だったらしい。
とても子供好きでコタローのことを可愛がっている。
秋友 美月 (あきとも みづき)
狩野の隣の部屋に住むホステス。
彼氏に暴力を振るわれており、コタローの言葉を受けて彼氏から離れるためにアパートを出ていく。
小林 綾乃(こばやし あやの)
コタローの母親の保険金を管理している弁護士事務所の新人弁護士。
毎週コタローに生活費を届けにきている。
他にも美月の部屋に越してきた子供嫌いの女性や、コタローの父親からコタローの居場所を探るよう依頼を受けた男性など、様々なキャラクターが登場します。
誰も彼も一癖あるキャラクターばかりですが、コタローに関わると優しく、魅力的な一面が見えてくるので、とても良いですよ。
「コタローは一人暮らし」の評価、感想
こんな人におすすめ
人間関係に疲れた人におすすめです。
ほっこりするというより、コタローを見ていると人の強さ、優しさとは何かを思い出させてくれる作品です。
どんなに人につらく当たられても、人を信じることの尊さ、裏切られても構わないと言える優しさ、まだ4歳の子供に色んなことを教えられた気がします。
もちろん、ドラマから興味を持ったという方にもおすすめですよ。
まだ漫画は完結してないけど、実写ドラマとの違いは?
基本的にドラマも漫画も大筋では大きな違いはありません。
ドラマのラストも独自エンドというより、父親との関係にある程度区切りをつけた、といった感じでしょうか。
ただ、漫画と比べると、コタローと両親との関係は若干マイルドに描かれているのかな、という気はしますね。
漫画がどうなるのかはまだ分かりませんが、ドラマではコタローがちゃんと両親から愛されていたんだ、という風にまとめられています。
その上で、ドラマではコタローは狩野と父親どちらと暮らすかの選択で、狩野と暮らし続けることを選びます。
それでもコタローはいつか父親とも暮らしたいと願っており、安易に「拙者の父親は狩野殿だ!」みたいにならなかったところは良かったですね。
今後は漫画版でコタローと狩野がどんな結末を迎えるか、楽しみに見守っていくことにしましょう。
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