今回はアニメ化、実写化もされた大人気漫画「弱虫ペダル」から、アニメ5期ではその活躍がカットされてしまった男「浦久保 優策(うらくぼ ゆうさく)」について解説します。
浦久保優策は作中2年目のIH最終日、手嶋や青八木を苦しめた広島呉南工業高校のエーススプリンター。
勝つためならば手段を選ばぬ卑怯な男ではありますが、ただそれだけではない信念を持った実力者です。
中々味のある良い敵役でしたが、大人の事情かアニメ5期では内容が大幅に改変され、その活躍が丸々カットされてしまいました。
本記事ではそんな浦久保のプロフィールや過去、原作での活躍を中心に解説してまいります。
「弱虫ペダル」浦久保優策のプロフィール
基本プロフィール(誕生日、身長、声優、自転車)
所属 | 広島呉南工業高校 |
身長 | 174cm |
体重 | 62kg |
誕生日 | 4月1日 |
タイプ | スプリンター |
愛車 | EDDY MERCKX |
声優 | 鈴村健一 |
浦久保優策は作中2年目のIH最終日に登場し、波乱を巻き起こした広島呉南工業高校のエーススプリンター。
主人公の小野田坂道らの1歳年上で、手嶋や青八木と同学年です。
外見はツンツンに跳ねた房の太い髪が特徴。
一見すると非常に狡猾で計算高く、目的のためなら手段を選ばない危険な男ですが、意外に友人思いで(1人しかいませんけど)純粋な一面も持ち合わせています。
父親が元々漁師で幼い頃から漁に帯同していたためか、基本的な思考が漁師寄り。
「強い選手」=「大物」と称して、手段を選ばず仕留めようとする悪癖があります。
「獲物」相手に正々堂々フェアプレーで勝負しましょうという漁師なんていませんから(……いないよね?)、ある意味首尾一貫した考え方の持ち主と言えるでしょう。
「呉の陸鮫」の異名を持つ実力派スプリンター
浦久保優策はダーティーな印象が目立ちますが、スプリンターとしての実力も一流です。
異名は「呉の陸鮫」。
自転車競技を始めたのは中学からで、幼い頃から過ごした船上で培った体幹とバランス感覚、天性の理解力で瞬く間にその才能を開花させました。
その最大の武器は、漁の経験を活かして空気の薄い(=空気抵抗が小さい)ところを見抜いて空気を切り裂くように走るスプリント。
これにより浦久保は、まるで他の選手に引いてもらっているかのように先頭を走ることができ、その姿は「空気を割る鮫(エアチョップドシャーク)」とも呼ばれているそうです。
……仮に本当に空気が薄いところが分かるのだとしても、一々空気が薄いところを選ぶのは、それはそれでロスが大きいだろうとか、ならお前集団で走る意味ねーじゃんとか、無粋なツッコミを入れちゃあいけないぞ。
「弱虫ペダル」浦久保優策の過去(庭妻・待宮)
爪弾き者だった自分に手を差し伸べてくれた親友・庭妻
自転車競技を始める以前、浦久保は人付き合いが苦手で周囲から孤立していました。
小学校からの同級生である庭妻は、そんな浦久保を気にかけ、何度も遊びに誘いましたが、いつも「ええ」とすっぱり断られてしまいます。
というのも浦久保は休みの日はいつも父親と一緒に漁にでていて、陸の上にいないのだとか。
浦久保にとっては父とともにいる船上こそが自分の居場所でした。
しかし中学に入ると、浦久保の父は漁師を辞めて稼ぎの良い釣船屋へと転向。
浦久保は暇を持て余し、鬱屈した日々を過ごすようになります。
そんな浦久保に再び声をかけ、自転車競技に誘ったのが庭妻。
庭妻の手を取り自転車競技を始めた浦久保は、メキメキ上達し、その楽しさを知って庭妻に深く感謝するようになります。
そして庭妻への恩返しに、彼が欲しいといった「ロードレースでの勝利」を求めるようになるのですが、それは時に行き過ぎた行為に繋がることとなり……
先輩・待宮を大物と称し、仕留めようとするが……
自転車競技を始めても漁師の感覚が抜けない浦久保。
彼には強い選手を見ると「大物」だと言って手段を選ばず仕留めようとする悪癖がありました。
高校へ進学した浦久保の目に留まったのが、当時呉南の2年生で既にエースとして部を仕切っていた待宮栄吉。
「お……大物じゃ……」
「ありゃあ、大物じゃよ庭妻ぁ」
待宮をロックオンした浦久保は、練習中に待宮に付きまとい何度もラフプレーを仕掛けます。
井尾谷を始めとした周囲はそれに激怒しますが、待宮自身は後輩がイキっているだけだと気に留めず、むしろ自分についてきた浦久保の走りを高く評価していました。
待宮は当初、浦久保や庭妻を含めたメンバーでその年のIHを戦うつもりでしたが、浦久保のラフプレーは過熱し、ついには待宮を崖下に突き落として骨折させてしまいます。
幸い、待宮はIH予選までには回復しレースに影響はありませんでしたが、浦久保は部内で孤立。
退部こそ免れたものの、浦久保の味方についた庭妻とともにIHメンバーから外されてしまいました。
大物を(漁師的な意味で)仕留めれば庭妻も喜んでくれると思っていた浦久保。
しかし庭妻にも迷惑をかけてしまった彼はそれまでの行いを反省、以降は庭妻の望みである「ロードレースでの勝利」のために全力を尽くすようになります。
ちなみに、大怪我をさせたにも関わらず部に残してくれた待宮には浦久保も感謝しているようで、言葉の端々に敬意がにじみ出ていました。
「弱虫ペダル」浦久保優策のIHでの活躍(VS手嶋・青八木)
昨年の待宮と同様に後続集団を言葉巧みに利用
浦久保優策の活躍は作中2年目のIH最終日前半。
彼は仕留めるべき大物として、昨年優勝校である千葉総北の手嶋と青八木に目を付けました。
最終日のレースが始まると、後続は熊本台一の声掛けにより大集団を形成。
しかし思うようにスピードが上がらず不満が上がったところを見計らって、浦久保たちは言葉巧みに熊本台一に取り入り、京都伏見と協力して集団のコントロールを乗っ取ります。
昨年、待宮に同じように利用された熊本台一や他の高校は警戒していたのですが、浦久保は非常に狡猾でした。
先行する千葉総北と箱根学園に追い付き、ついに遅れた手嶋を呑み込む大集団。
トップの牙城を崩し、集団の気が緩んだ瞬間を見計らって、集団を利用して足を休めていた浦久保たち呉南と御堂筋たち京都伏見は集団から飛び出します。
騙され、利用されたことに気づいた集団は、しかし既に足を使い切って彼らを追う余力がありませんでした。
手嶋・青八木とのスプリントデスゲーム
集団に吞み込まれた後、何とか前に追い付こうとする手嶋。
そこに現れたのは彼を救出しにきた青八木でした。
手嶋と青八木は集団を飛び出して加速、何とか呉南に追い付きます。
そこで手嶋に対し、負けたらセンサーチップを川に投げ捨てるスプリントデスゲームでケリをつけようと勝負を持ち掛けた浦久保。
それに応じる手嶋でしたが、既にこの時、手嶋は浦久保の罠に嵌っていました。
それまで作中では隠していましたが浦久保の脚質はスプリンター。
クライマーである手嶋に対して平地では圧倒的に有利です。
しかも手嶋をアシストする立場の青八木は、昨日のレースで膝を痛めていて万全ではありません。
勝利を確信する浦久保。
しかし決着直前、片手で手嶋を押したままゴールまでスプリントするという青八木の無茶苦茶なスプリントにより浦久保は逆転負けを喫します。
呆然とする浦久保は、約束を破って手嶋のセンサーチップを捨てようとしますが、それを止めて手嶋にセンサーチップを返す庭妻。
「漁は終わりじゃ」
「獲物が獲れん日もある」
庭妻の言葉に、浦久保はようやく敗北を受け入れたのでした。
その後、手嶋からセンサーチップを捨てられることなく返された浦久保。
庭妻たちとともに無事最後まで走り切った模様です。
「弱虫ペダル」浦久保優策、アニメ5期ではカットされる
浦久保の純粋さと庭妻との関係性が描かれた原作漫画の浦久保編。
しかしこのエピソードはアニメ5期では大幅に改変され、丸々カットされています。
話数の都合か、それともダーティーなエピソードがアニメで敬遠されたんでしょうかね。
浦久保たちは2日目の落車に巻き込まれてリタイアしたことにされていました。
庭妻に勝利をプレゼントしたかったと悔しそうにレースを眺める浦久保。
アニメ4期のラストでは最終日のスタートシーンで浦久保の背中が一瞬だけだけど映ってたんですけどねぇ……
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