今回は「週刊少年サンデー」で連載中の大人気ファンタジー「葬送のフリーレン」から、勇者ヒンメル一行の戦士「アイゼン」について解説します。
アイゼンはかつて勇者ヒンメルらと共に魔王を倒したドワーフ族の戦士。
後にフリーレンの旅に同行する戦士シュタルクの師匠でもあります。
長命なドワーフ族であり、仲間のヒンメル、ハイターが亡くなった現在も存命中。
本記事ではそんな戦士アイゼンの強さや過去、シュタルクらとの関係を中心に深掘りしてまいります。
「葬送のフリーレン」アイゼンのプロフィール
基本プロフィール(声優など)
アイゼンは約80年前に魔王を倒した勇者ヒンメル一行に加わっていたドワーフ族の戦士。
後にフリーレンの新たな旅に同行する戦士シュタルクの師匠でもあります。
外見は腰の辺りまで届く長い髭と小柄な体躯が特徴で、平素から鎧兜を身に纏っています。
落ち着いた性格の常識人で、勇者ヒンメル一行のツッコミ役を担っていましたが、旅立ちの日にヒンメルとともに王様にタメ口をきいて処刑されかけるなど、融通が利かない一面も。
一方でこまめにハイターと文通をしたり、花畑でハイターと共にはしゃいでみたりと、意外にマメでお茶目な一面も持ち合わせています。
好物は葡萄で、酸っぱいほど好き(ちなみにフリーレンの収集した魔法には、甘い葡萄を酸っぱく変える魔法も存在します)。
魔王討伐の旅の後は仲間と分かれ、かつて故郷があった地で一人静かに過ごしています。
声優は上田燿司さんが担当。
長命なドワーフ族だが衰えは隠せない
アイゼンはエルフのフリーレンほどではないにしろ、長命なドワーフ。
ドワーフ族の具体的な寿命は不明ですが、作中では少なくとも400年以上生きているドワーフも確認されています(エルフのフリーレンは1000年以上、ゼーリエは神話の時代から生きていますが)。
魔王討伐の旅から80年近くが経過し、人間のヒンメル、ハイターが寿命で亡くなった後も、アイゼンは健在。
とは言え、アイゼンもドワーフ族の中ではかなりの高齢で、ヒンメルが亡くなった頃には、
「もう斧を振れるような歳じゃないんだ」
と発言し、衰えが隠せない様子でした。
……まあ、その後普通にシュタルクを戦士として育てて、フリーレンと再会した時には大岩を持ち上げたりしてましたから、衰えたといってもあくまで全盛期と比べれば、なんでしょうね。
「葬送のフリーレン」アイゼンの強さ
アイゼンは全身を鎧で包み、巨大な斧を振るう典型的な重戦士。
その最大の武器は化け物染みた頑丈さで、どんな高所からおちても傷一つなかったり、竜を昏倒させるような猛毒の矢を受けても平然としていたりと、仲間たちをドン引きさせるほどでした。
勇者ヒンメルはスピードタイプの剣士で、僧侶ハイターと魔法使いフリーレンたちを守るタンク役を主に担っていたのがアイゼン。
決して頑丈なだけの戦士ではなく、一撃の鋭さや斧の技量も人類最高峰。
腕力に至っては素手でダイヤモンドを握りつぶせるほどです。
七崩賢「断頭台のアウラ」の部下で、見た者の動きを完全に模倣する魔法の使い手であった魔族のリーニエも、自分の知る最強の戦士としてアイゼンの技を模倣していました。
「葬送のフリーレン」アイゼンの過去
アイゼンが勇者ヒンメル一行に加わる以前のことは、作中であまり詳しく語られていません。
ハッキリ分かっていることは中央諸国ブレット地方にあった故郷の村を魔族に滅ぼされ、一人生き延びたということだけ。
家族の墓が二つあったので、恐らく奥さんと子供がいたのでしょうね。
アイゼンは魔族の襲撃から一人生き延びた自分を”逃げ出した”と認識しているようです。
アイゼンが本当に”逃げた”のかは別として、彼は戦いの前にしばしば恐怖で身体を振るわせており、決して生来勇敢な戦士というわけではなかった模様。
しかし、
「この恐怖が俺をここまで連れてきたんだ」
と、恐怖も過去も受け入れ、戦いに臨んでいました。
「葬送のフリーレン」アイゼンと弟子シュタルク
喧嘩別れになった弟子シュタルク
アイゼンは勇者ヒンメルの死後、シュタルクという人間の少年を弟子に取っています。
シュタルクは魔族に滅ぼされた村から一人逃げ出してきた、アイゼンと似た過去の持ち主。
シュタルクの境遇に感じるものがあったアイゼンは彼を引き取り、戦士として育てました。
二人の師弟関係は非常に良好だった模様。
しかしある日、些細なすれ違いからシュタルクはアイゼンの元を飛び出してしまいます。
突然アイゼンに殴られ、自分が弱くて臆病だからアイゼンに失望されたと考え、彼の元を飛び出したシュタルク。
しかし実はアイゼンはシュタルクの戦士としての才能に恐怖し、反射的に体が動いてしまっただけだったのです。
なお、アイゼンから事情を聞かされていたフリーレンも、敢えてそのことをシュタルクに伝えてはいませんが、シュタルクはアイゼンに対し含むところはなく、今でも彼のことを尊敬しています。
戦士に贈る誕生日のハンバーグ
アイゼンは毎年ヒンメル一行の誰かの誕生日や、シュタルクの誕生日には巨大なハンバーグを作ってくれていました。
それはアイゼンの地方の風習。
シュタルクもアイゼンと近い地方の出身だったようで、かつて彼の兄も同じように誕生日にハンバーグを作ってくれたことがあります。
当時のシュタルクはその由来を知りませんでした。
後にフリーレンの口から教えられたそれは「精一杯頑張った戦士を労うための贈り物」。
兄もアイゼンもシュタルクを戦士として認めてくれていたことを理解し、シュタルクはハンバーグの味を嚙みしめることになります。
「葬送のフリーレン」アイゼン、フリーレンに旅の目的を与える
現在、勇者ヒンメルの魂と対話するため、かつて魔王城があった地「魂が眠る地(オレオール)」を目指して旅をしているフリーレン一行。
彼女にそれを依頼し、旅の目的を与えたのがアイゼンです。
アイゼンはヒンメルが死んだ時、その時になってようやくヒンメルのことをもっと知っておけばと涙を流したフリーレンを哀れに思っていました。
そして彼はずっとフリーレンがヒンメルと再会する方法を探していたのです。
フリーレンと再会した彼は大魔法使いフランメの手記を元にフリーレンにヒンメルとの対話を依頼し、彼女を北の地へと送り出しました。
フリーレンだけでは例え「魂が眠る地(オレオール)」の存在を知ってもそこへ向かおうとしなかったでしょうから、アイゼンがいなければ今のフリーレンの旅は無かったと言えるでしょう。
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