今回は「週刊少年サンデー」で連載中の大人気ファンタジー「葬送のフリーレン」から、作中に登場する「勇者の剣」とそれを守る「剣の里の里長」について解説します。
勇者の剣とは、この世界を滅ぼす大いなる災いを撃ち払う勇者のみが引き抜けるとかいうファンタジーで定番のアレ。
当然、勇者ヒンメルが使っていた剣が勇者の剣だろうと思いきや、実は彼の剣はレプリカでした。
剣の里は本物の勇者の剣を守る隠れ里で、世襲制の里長が代々お役目を引き継いでいます。
本記事では勇者の剣にまつわるあれこれについて深掘りしていきたいと思います。
「葬送のフリーレン」勇者の剣とは?
大いなる災いを撃ち払う女神が授けた剣
勇者の剣とは女神が授けた伝説の剣。
言い伝えには「勇者の剣を引き抜けるのは、この世界を滅ぼす大いなる災いを撃ち払う勇者のみ」とあり、歴史上のどんな英雄達が引き抜こうとしても微動だにしなかったとされています。
作中で実際に振るわれたことがないため、その能力の詳細は不明。
魔物にとっての天敵らしく、魔物は勇者の剣を破壊する衝動を抑えられません。
結果的に魔物を引き寄せる性質があるため、勇者の剣というかドラクエⅢの「おうごんのつめ」みたいな剣ですね。
勇者ヒンメルが持つ剣は偽物
世間では勇者ヒンメルは誰も抜けなかったその剣を抜き、魔王を倒したのだと伝わっていますが、実はヒンメルが使っていた剣は本物の勇者の剣ではなく偽物。
ヒンメルは勇者の剣を抜こうと挑戦しましたが、抜くことができなかったのです。
ただ、勇者ヒンメルを英雄にしたい連中によってその事実は隠蔽され、歪曲されて伝わることに。
勇者ヒンメル自身は、
「いいじゃないか偽物の勇者で」
「僕は魔王を倒して」
「世界の平和を取り戻す」
「そうすれば偽物だろうが」
「本物だろうが関係ない」
と勇者の剣がなくとも魔王を倒したわけで、そっちの方が英雄っぽくてカッコいいとは思いますけどね。
本物の勇者の剣が撃ち払う「大いなる災い」とは?
本物の勇者の剣は、後述する剣の里の聖域の中で守られ、今も台座の岩に刺さったままとなっています。
ここで気になるのは、本物の勇者の剣が撃ち払う「この世界を滅ぼす大いなる災い」って何なの、という点。
ヒンメルに抜けなかったということは「魔王」は大いなる災いではなかったということになります。
まだこの先の未来で勇者の剣が必要になるような災いが起きるということになりますが、フリーレンたちによって七崩賢も全滅し、強力な魔族自体が減っている状況で本当にそんな災いが起こり得るのかは疑問。
となると、実はどこぞのエルフの英雄によってもう勇者の剣は「使用済」で、人間が記録していない大昔に災いは撃ち払われているなんて可能性も……?
「葬送のフリーレン」偽の勇者の剣の由来
行商人からお礼に貰ったレプリカ
勇者ヒンメルが使っていた偽物の勇者の剣は、彼が幼い頃、魔物退治のお礼に行商人から貰ったレプリカです。
行商人は別にヒンメルを騙したわけではなく、将来有望な未来の勇者にと純粋なお礼の気持ちで剣を渡しました。
ただそれを見た幼馴染のハイターに「偽物の剣しか持ってないから偽物の勇者にしかなれない」と言われ、じゃあ本物になってやろうじゃないかと思ったのがヒンメルが勇者を志した切っ掛け。
この偽物の勇者の剣は、形はどうあれヒンメルを勇者へと導いた剣だったわけです。
ちなみにその詳しい経緯はスピンオフ「勇者ヒンメルの冒険譚」で語られています。
ドワーフの鍛冶師・キーゼルの作品
114話「勇者の剣」では偽物の勇者の剣を作ったドワーフの鍛冶師・キーゼルが登場します。
偽物の勇者の剣は、キーゼルが鍛冶師を始めたばかりの頃(ヒンメルの手に渡る100年程前)に帝都の商人に頼まれて作ったもの。
どこかの好事家の収集品として眠るはずの物が、なんの因果かヒンメルの手に渡り、再びキーゼルの目の前に現れました。
鍛冶師を始めたばかりの頃に作った剣ということもあり、剣としての質はさほど良くはない模様(少なくともキーゼル基準では)。
キーゼルはもっと勇者に相応しい剣はいくらでもあると、剣を交換しようとします。
しかしヒンメルは「この剣はもう僕の相棒だ」とその申し出を謝絶。
キーゼルはヒンメルの剣を研ぎ直し、再び自分の剣を勇者に託したのでした。
「葬送のフリーレン」剣の里の里長
勇者の剣を守る剣の里の里長(49代目)
25話「剣の里」では、本物の勇者の剣を守る剣の里と、その里長が登場しています。
剣の里は北側諸国シュヴェア山脈にある隠れ里。
現在の里長は49代目。
里長は世襲制のため、49代目の里長はまだ幼くかわいらしい少女です。
ただし見た目は幼いものの、中身は非常にしっかりしていて口も達者。
剣の里の歴史や勇者ヒンメルにまつわる事情などに関してもしっかり理解しています。
声優は小原好美さんが担当
遺言好きな先々代
勇者ヒンメル一行が剣の里を訪れた際に対応した先々代の里長は非常に遺言好き。
剣の里は勇者の剣を狙って集まる魔物を定期的に駆除する必要があったのですが、勇者ヒンメルが勇者の剣を抜けなかったことを隠すため、冒険者を雇っての魔物の駆除が行えなくなってしまいます。
そのため先々代はフリーレンに50年周期で魔物の駆除をお願いしていたのですが、フリーレンはその約束をブッチし、再び剣の里を訪れたのは約80年後。
「しかし困りますよ、フリーレン様」
「半世紀後にまた来てもらう」
「約束だったのに」
「温厚な私でも流石にブチギレですよ」
と孫の遺言を残していました。
ただ遅れてもフリーレンは必ず来てくれると信じてもいたようで、
「フリーレン様なら」
「やってくれると信じていました」
「マジ感謝」
という感謝の遺言もキッチリ残していました。
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