今回は「週刊少年サンデー」で連載中の大人気ファンタジー「葬送のフリーレン」から、魔王の腹心「全知のシュラハト」について解説します。
全知のシュラハトは千年後の未来まで見通す魔法を操るとされた大魔族。
物語開始前、人類最強と呼ばれた南の勇者と相討って死亡したとされています。
その未来視で自分と魔王の死を知りながら、千年後の魔族のために南の勇者との戦いに挑んだ謎めいた存在。
本記事ではそんなシュラハトのプロフィールや強さ、その登場話と謎について深掘りしてまいります。
「葬送のフリーレン」シュラハトのプロフィール
基本プロフィール
全知のシュラハトは魔王の腹心で千年後の未来まで見通す魔法を操るとされた大魔族。
物語開始前どころか、勇者ヒンメルの冒険が始まる前に人類最強の南の勇者と相討って死亡したと伝わっています。
外見は白目と黒目が反転した目とその下の涙のような模様が特徴の端正な顔つきの男性で、常に顔の下半分を黒いマスクで隠しています。
未来を見通す力を持つ故か感情を全く表に出すことがなく、その言動は非常にクール。
周囲の魔族からも「掌の上で踊らされている」ようだと畏怖されていたようです。
名前の由来はドイツ語で「戦い」。
七崩賢をも上回る魔王の「腹心」
作中で有名な大魔族と言えば「断頭台のアウラ」や「黄金郷のマハト」ら魔王直下の幹部「七崩賢」。
しかし「全知のシュラハト」は魔王の「腹心」であり、立場的には七崩賢よりも上だった模様。
実際に作中では七崩賢を率いて南の勇者との決戦に挑んでいます。
シュラハトが魔王の腹心の地位におさまったのは、単純な実力以上に、未来を見通すとされた魔法の特異性と、個人主義の魔族には珍しく種族全体のことを考えて動ける精神性の持ち主だったというのが大きいようです。
「葬送のフリーレン」シュラハトの登場話(何話)
南の勇者と相討つ(63話)
全知のシュラハトの存在が作中で初めて語られたのは63話。
人類最強の南の勇者のエピソードです。
南の勇者が人類最強と呼ばれた所以は、彼がシュラハトと同様に未来を見る力があったため。
同じ未来視の力を持つ彼らは、数えきれないほど予知した未来の世界で互いに戦い続け、相討ちになるしかないとの結論に至ります。
シュラハトは全七崩賢を率いて北部高原の地で南の勇者と戦い、七崩賢の内3人を南の勇者に討たれながら、最終的に南の勇者と相討ちになったとされています。
このエピソードでは全知のシュラハトはセリフも何もない名前と姿だけの登場で、読者には「南の勇者すげー」という印象だけが強く残りました。
黄金郷のマハトの記憶(88~89話)
全知のシュラハトが再度、そして本格的に登場したのが88~89話。
フリーレンが解析した黄金郷のマハトの記憶の中で、マハトに南の勇者との戦いに参戦するよう召集に来たシュラハトの姿が描かれています。
嫌がるマハトの先を読み、マハトの天敵である七崩賢「奇跡のグラオザーム」を配置してマハトに参戦を応諾させるシュラハト。
その時既にシュラハトは南の勇者との戦いで死ぬつもりでした。
未来においてフリーレンがマハトの記憶を覗いているのを察知し、その妨害をするシュラハト。
彼は自分の死どころか魔王の敗北すら予知しており、いくつもの謎めいた言葉(後述)を残して立ち去っていきました。
「葬送のフリーレン」シュラハトの強さ
全知のシュラハトの具体的な戦闘シーンはなく、その強さについてはっきりしたことは分かっていません。
ただ魔王の腹心を務める大魔族で、人類最強の南の勇者と相討ったことを考えると、単純な戦闘能力も間違いなく作中トップクラス。
89話では南の勇者戦への参戦を嫌がるマハトを見せしめに殺すことも匂わせており、その時のやり取りからするとシュラハトの戦闘能力はほぼマハトと同格。
(マハト)
「見せしめというわけか」
「できると思っているのか?」
(シュラハト)
「できないと思うか?」
「だがやりたくはない」
(マハト)
「だろうな」
マハトは「七崩賢」最強、フリーレンでも勝ち目がないと匙を投げた存在ですから、それと同格であるシュラハトの強さは相当なものと言えるでしょう。
「葬送のフリーレン」シュラハトの謎(真意)
全知のシュラハトが南の勇者と相討って死亡したとされていますが、彼が何のためにそうしたのかは未だ謎に包まれています。
南の勇者が戦った理由はまだわかります。
自分がシュラハトと相討つことで、後に続くヒンメル一行が魔王を倒す未来を見たからでしょう。
ですがシュラハトは南の勇者を倒したところで、結局魔王がヒンメル一行に倒されてしまうことを知っています。
ならばシュラハトが自分を犠牲にしてまで得たかった未来とは一体?
これに関しシュラハトは89話で意味深な発言をしています。
「これは魔族の存亡を」
「懸けた戦いであり」
「敗戦処理であり」
「千年後の魔族のための戦いだ」
南の勇者を討つことが魔族の存亡に繋がる? しかも千年後?
ちょっと大袈裟な気がしますが……そう言えば、この時シュラハトは未来のフリーレンに南の勇者との戦いを見せる訳にはいかないと記憶の解析を妨害していました。
既に終わった戦いをフリーレンに見られたからと言ってシュラハトに何の問題があるのでしょう?
そう言えば南の勇者の死体は見つかっておらず、南の勇者と全知のシュラハトは今も戦い続けている、なんて伝説も一部には伝わっているようですが……?
【2023年11月15日追記】
魔族たちの認識でもシュラハトは死亡済。
ただし、シュラハトはその真意や計画を魔族たちにも語っていなかったようです。
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