「トップウGP」感想(あらすじ、ネタバレ含む)~バイク好きには人気の一方、打ち切りだ、つまらないと評価が割れる理由は?~


 今回は「ああっ女神さまっ」「逮捕しちゃうぞ」などで知られる藤島康介先生の最新作、「トップウGP」について紹介します。

 トップウGPは世界最高峰のバイクレース「MoToGP」に挑む天才レーサーの少年時代を描いた作品で、リアルなバイクデザイン、レース描写で人気の高い作品です。

 その一方で、一部の読者からは「つまらない」「打ち切り」といった声も囁かれており、その理由や実際のところどうなのかを中心に語っていきましょう

「トップウGP」のあらすじ(ネタバレ注意)

「MoToGP」に挑む天才ライダーの少年時代を描いた物語

 物語のオープニングに登場するのは、若干18歳で世界最高峰のバイクレース「MoToGP」チャンピオンに手をかける主人公、宇野突風の姿。

「姉ちゃん、見てるかな」

 突風のその言葉を切っ掛けに、物語は本編である7年前に遡ります

 突風の父親が副業でバイクレースのメカニックをしていたため、突風は頻繁にレース場を訪れていました。

 突風の目当ては、父親がサポートするバイクレーサーにして3歳年上の幼馴染のお姉さん、新井真音。

 真音が走る姿をジッと見ていた突風は、ある日父親と真音からバイクを運転してみないかと持ち掛けられます

 初めは乗り気でなかった突風ですが、いざ走り出すととても初心者とは思えない走りを見せ周囲を驚愕させます。

 真音に煽てられるままバイクを走らせる突風は、ライバルとの戦いや敗北を経て、次第にバイクレースへとのめり込んでいくことになるのです。

最終回はどうなる? 真音は死亡する? 事故?

 さて、この作品は冒頭で突風の未来の姿が描かれており、ある意味結末は既に見えています。

 しかし気になるのは未来の突風がレース前に空を見上げながら発した「姉ちゃん、見てるかな」

 この姉ちゃんというのが、この作品のヒロイン枠にして憧れの人、新井真音なのですが……世界チャンピオンに手をかけた重要なレース、見ていて当たり前ですよね?

 というか、レース会場に来て見ているのが普通。

 これひょっとして、「真音ちゃんどこかで死ぬんじゃない?」と不穏な空気が漂ってしまっています。

 実際、作中では真音がトレーニング中の事故で左足が動かなくなる大怪我を負っており、レースを引退せざるを得なくなってしまいました。
 ただ、真音は右足が仕えなくても世界チャンピオンに輝いたマイケル・ドゥーハンを引き合いにレース復帰を目指し頑張っています。

 まだ安心はできませんが、一先ず死亡は回避。冒頭の発言は、何か事情があってレース会場に来れなかっただけだと信じましょう。

 作品的には多分、真音の今とかその辺りの事情を明らかにして最終回、ってことなんでしょうね。


「トップウGP」の主な登場人物(ネタバレ注意)

宇野 突風 (うの とっぷう)
物語の主人公で小学5年生、11歳の少年。
外見は黒髪でやや三白眼、ふてぶてしい雰囲気の持ち主です。
一度見たものを即座に再現できる天才で、それをバイクレースで発揮して活躍する。
幼馴染の真音に憧れており、レース場には彼女が走る姿を目当てに来ていた。
冷静で物事に執着していないように見えて、意外と負けず嫌いであり、徐々にバイクレースにはまっていく。

新井 真音(あらい まいん)
この物語のヒロイン枠で中学2年生の少女。
外見は長い茶髪を三つ編みにした明るい雰囲気の美少女。
人懐っこい性格をしており、突風のことを非常に可愛がっている。
物語開始当初は100ccのレースに出場しており、連勝記録を持つ優秀なレーサー。
後に250ccにクラスアップするが、練習中の事故により左足が動かなくなる。

宇野 鉄平(うの てっぺい)
突風の父親で、本業小説家、副業でバイクレースのサポーターをしている。
現在は真音のサポートをしていて、突風をレース場に同行させている。
突風の才能に気づいており、彼をバイクに乗せる。

高台 吉哉(たかだい よしや)
突風と同い年の少年でバイクレーサー。友人枠兼ライバル枠。
茶髪ロングヘアの関西人で、お調子者かつ気分屋と属性過多。
レース経験は長く、既に100ccのレースに出場している。

 城下 逸美 (ねごや いつみ)
突風のクラスメイトでメガネをかけたツインテールの少女。
突風に想いを寄せており、レース場に足を運ぶようになる。
真音のことを一方的にライバル視している。

出雲 ウィリアムズ(いずも うぃりあむず)
突風のクラスメイトで金髪の少年。
レース好きで突風のファン。
知り合いになった城下の後押しもあって、自分もバイクに乗るようになる。


「トップウGP」の感想と評価

さすが藤島康介先生、画力は間違いなく高い……が、展開はやや単調か?

 魅力的なキャラクター、リアルで精緻なバイクデザインとレース描写。

 藤島先生ご本人がバイク好きということもあって、画力に関してはさすがという他ないクオリティでしょう。

 バイク好きの方からの評価も高く、もっと色んなバイクを出して欲しいという感想が多数寄せられているようですね。

 一方でストーリーを見てみると、レースものと言うこともあって展開そのものはやや単調な印象が拭えないのかな、というのが正直な感想です。

 中々リアルなレースで展開に波をつけろと言うのも、実際難しいんでしょうけどね。

一部でつまらない、打ち切りと囁かれる理由、比較される「バリバリ伝説」とは?

 一部の読者からは、「つまらない」「そろそろ打ち切りか?」といった声も聞こえてきますが、その理由は概ね、展開が単調だから、というもの。

 もう少しキャラクターを深掘りする日常パートに力を入れて欲しい、ということなんでしょうね。

 よく同じバイク漫画ということで、「頭文字D」で知られるしげの秀一先生の名作「バリバリ伝説」が比較対象に挙げられますが、あちらは不良少年たちの青春模様がメインに描かれていました(本格的にレースに参戦した後半はパドックの人間模様がメインかな?)。

 一方でトップウGPはレースがメインということもあって、少し一般受けはしづらいのかな、という印象を受けます。

 ただ、実際のところ展開が単調というのも、藤島先生という大物への期待の高さからくる評価であって、一般的な水準から言えば気にするほどでもありません。

 先生の前作からすると、ややマニアックな作品なのかな、と。

 クセがあるので人によっては評価が分かれる、しかし試しに読んでみて損はない、というのが私の正直な感想です。



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