今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、心優しく心配性な全国三大エースの一角「桐生 八(きりゅう わかつ)」について解説します。
桐生は九州の雄、狢坂高校を率いる大エースで、どんなトスでも強打で撃ち抜くパワフルなプレーから”悪球打ちの桐生”と称されています。
しかしそうした強靭なフィジカルを持つ反面、プレッシャーに弱いという欠点を抱えており、作中では木兎光太郎と対照的な存在として描かれていました。
本記事ではそんな桐生の魅力について、過去と名言、その後の進路、読みにくい名前や高校名の読み方なども交えて深掘りしてまいります。
「ハイキュー‼」桐生八のプロフィール
基本プロフィール(身長、誕生日、高校名、読み方など)
所属 | 狢坂高校 → アズマ・ファーマシー・グリーンロケッツ(Vリーグ Division1) |
ポジション | ウイングスパイカー → アウトサイドヒッター |
誕生日 | 4月8日 |
身長 | 188.3cm → 189.4cm |
体重 | 85.6kg → 90.5kg |
最高到達点 | 不明 |
好物 | 生牡蠣 |
最近の悩み | サーブレシーブ、後輩指導について、妹の髪が茶色くなった、実家に毎年来ていたツバメが最近来ないこと(以下省略) → 妹が悪い男に騙されていないか心配 |
声優 | ― |
桐生八は九州大分県代表、狢坂高校のエースとして春高本戦に登場したキャラクター。
本人も高校名も読み方が難しいですが、桐生八(=きりゅうわかつ)、狢坂高校(=むじなざかこうこう)と読みます。
外見は眉が太く坊主頭のいかにもな強面の巨漢ですが、性格は非常に仲間想いで心配性。
良く言えば責任感が強く、悪く言えばネガティブで、自分勝手でワガママな人間の多い「ハイキュー‼」エースプレイヤーの中ではかなり異質な心根の持ち主と言えるでしょう。
作者曰く「自己評価の低さが赤葦と似ている」キャラクターで、赤葦と違うのは木兎のようにポジティブなプレイヤーに対しては劣等感にも似た強い対抗心を抱いているところ。
作中では、実際に梟谷学園の木兎と対照的な存在として描かれています。
全国三大エース、全てのトスを強打する”悪球打ちの桐生”
パワー | 5 |
バネ | 4 |
スタミナ | 4 |
頭脳 | 3 |
テクニック | 4 |
スピード | 3 |
※最低1~最大5の5段階評価、→の後ろはVリーグ時点
<Vリーグ後の追加データ>
サーブ | 8 |
レセプション | 8 |
ディグ | 8 |
セッティング | 7 |
スパイク | 9 |
ブロック | 7 |
※最低1~最大10の10段階評価
桐生はコースの打ち分けよりもブロックを突き破るようにぶっ放す、典型的なパワータイプのスパイカー。
狢坂高校ではかなりフィジカルトレーニングを重視していることもあり、その長身と強靭な体躯から放たれるブロックは強烈無比の一言です。
また桐生は単にパワーだけの選手ではなく、どんな乱れたトスであっても完璧に、強打で撃ち抜くことのできるボディバランスと技術こそがその最大の武器。
”悪球打ちの桐生”と呼ばれる所以ですね。
敵からすれば、どんな強力な攻撃で乱しても、桐生の強烈なスパイクで返ってくるのですから、脅威以外の何物でもありません。
こうした桐生のプレースタイルには、彼の過去が大きく影響しています。
「ハイキュー‼」桐生八の人間関係
中学時代、牛島若利(牛若)に敗北したことが大きなトラウマに
”悪球打ちの桐生”の原点は、中学時代の牛島若利(牛若)との試合にありました。
中学時代から有力なエースとして注目されていた桐生と牛若。
当時の評価は総合力ではやや桐生が上、というものでした。
しかしいざ試合が始まり、両エースが徹底的にマークされた時、二人のメンタリティの差が大きく勝敗を分けたのです。
プレッシャーを背負い、それを力にして自分のプレーを貫いた牛若。
プレッシャーに負け、土壇場で相手コートに返すことしかできなかった桐生。
勝ったのは牛若率いる白鳥沢学園でした。
試合後、桐生に頼り過ぎてごめんと謝るチームメイトに、桐生は自分の不甲斐なさを恥じ、涙を流します。
「全部呼ぶけん」
「全部打つけん」
「謝らんでくれ」
それが、どんなトスでも打ち抜くと決めた”悪球打ちの桐生”の原点。
自身と正反対の木兎を終生のライバルと見定める
春高本戦、準々決勝で桐生率いる狢坂高校は木兎率いる梟谷学園と対戦します。
試合序盤こそ狢坂高校が有利に試合を進めるものの、試合を楽しむ強靭なメンタリティを持った木兎が躍動し、逆境を覆していきます。
怯えも焦りもなくただ自分の身体を思うまま操る木兎に圧倒される桐生でしたが、仲間の支えもあってネガティブ思考から脱却。
試合には敗北したものの、エースとして恥じることのないプレーで梟谷学園と戦い抜きます。
試合後、互いに握手をして言葉を交わす両エース。
「お前と戦えて良かった」
「『もっといい球寄越せ』って言っていいと思う」(木兎)
試合が終わった直後にもかかわらず、どこまでも前だけを見ている木兎。
そんな木兎の姿に触発され、桐生は木兎を終生のライバルと見定めるのです。
「ハイキュー‼」桐生八の活躍と名言、その後の進路(日本代表)
卒業後はプロ入り(Vリーグ)、日本代表にも選出される
高校卒業後、桐生はプロ入り。
白鳥沢学園の五色と同じアズマ・ファーマシー・グリーンロケッツ(Vリーグ)へと入団し、木兎へのリベンジを目指しています。
その発言を見る限り、2018年時点でもまだまだリベンジは道半ばのようですね。
また、2021年には妖怪世代の一員としてオリンピック日本代表にも選出されています(本編最終話には出ていませんでしたが、後に発売されたコンプリートイラストガイドブックで判明しました)。
心優しき男、桐生の活躍と名言
それでは最後に、心優しき男、桐生八の活躍を名言とともに振り返っていきましょう。
梟谷との試合前、突然敵エースの木兎にフレンドリーに話しかけられた桐生。
その様子にチームメイトは木兎と知り合いなのかと尋ねますが……
「……いや。良くは知らねぇ」
桐生も困惑した様子。
このワンシーンで桐生の苦労人キャラが明確になりましたね。
そして梟谷戦、序盤は狢坂の対木兎シフトやセッター(赤葦)潰しがハマって狢坂有利で進みますが、”普通”のエースへと覚醒した木兎の活躍で劣勢に追い込まれていきます。
「『楽しい』こそが『最強』なんや」
そう、自分にない強さを持つ木兎に怯える桐生。
仲間の鼓舞も、声援さえもプレッシャーに感じてネガティブ思考に陥ってしまいます。
しかし、ふと気づいたように自嘲する桐生。
「弱えくせに、何を一丁前に」
自分が弱いこと、自信が持てないことなど最初から分かっていたこと。
それでも。
「仲間に恵まれた自信はある」
「逃げ出すくらいなら自惚れろ」
ネガティブ思考を振り切り、終盤でも驚異の悪球打ちを連発する桐生。
それでも僅かに及ばず、激闘の末、試合は梟谷が勝利します。
試合後、涙を流すセッターの臼利に向けて桐生は感謝の言葉を告げました。
「俺は期待されるんが怖かった」
「やけんど今日改めち分かった」
「トスが上がるけん」
「がんばれたんや」
本当に強く、そして今後ますます強くなれる男だと思わせてくれる言葉でした。
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