今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、物語前半において主人公たちに立ちふさがった最強の敵「牛島 若利(うしじま わかとし)」(以下、牛若)について解説します。
牛若は宮城県で絶対王者として君臨する白鳥沢学園のエースとして登場した全国で三指に入るスパイカー。
パワーと体格、バレーボールにおけるシンプルで分かりやすい「強さ」を象徴するキャラクターです。
所謂「中ボス」の立ち位置ながら、ラストでは更なる進化を遂げて再登場した牛若の魅力について、マブダチ天童や主人公日向との因縁、その名言を中心に語ってまいります。
「ハイキュー‼」牛島若利(牛若)ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、誕生日、声優など)、父親ってどんな人?
所属 | 白鳥沢学園3年3組 → シュヴァイデンアドラーズ(Vリーグ) → オジェウワルシャワ(ポーランド・プラスリーガ) |
ポジション | ウイングスパイカー → オポジット |
誕生日 | 8月13日 |
身長 | 189.5cm → 192.7cm |
体重 | 84.8kg → 90.6kg |
最高到達点 | 345cm → 350cm |
好物 | ハヤシライス |
最近の悩み | 無し → 語学をもっと頑張りたい |
声優 | 竹内良太 |
牛若は主人公たち烏野高校と同じ宮城県で絶対王者として君臨する白鳥沢学園高校のエース。
外見は真面目そうではあるもののとにかくゴツイ印象の強い大男で、口を開けば見た目通りの威圧感全開、いかにも「ボス」といった風情を漂わせる男です。
同時にバレー以外は意外とポンコツなようで、口を開けば周囲を呆れさせることも多いお茶目な一面もあります。
白鳥沢学園高校は個人技、突出した才能を活かすことを伝統とするチームで、現在はエースである牛若のスパイクを最大限活かすためのメンバーが集められています。
牛若自身もそのことを自覚しており、自分自身の実力に絶対的な自信を持ち、時に傲慢ともとれる発言を連発します。
ただ、チームメイトに言わせれば根っこのことろは「超バレー馬鹿」。傲慢と言うより、ただただバレーに対して真摯で純粋なだけのようです。
牛若がバレーを始める切っ掛けとなったのが、元バレー選手だった父親・空井崇。
父親は婿養子で、今は離婚して海外でバレーボールチームのトレーニングコーチをしているそうです。
幼い頃左利きを矯正されそうになった牛若を「他人と違う物があるのはこの子の力になる」と、母親の実家に懇願し、矯正せずに育てたのがこの父親。
結果として、左利きという特性は牛若の強力な武器となっています。
見る者を魅了する「全てをねじ伏せるシンプルな強さ」
パワー | 5 |
バネ | 4 |
スタミナ | 5 |
頭脳 | 3→4 |
テクニック | 3→4 |
スピード | 3→4 |
※最低1~最大5の5段階評価、→の後ろはVリーグ時点
<Vリーグ後の追加データ>
サーブ | 10 |
レセプション | 7 |
ディグ | 8 |
セッティング | 7 |
スパイク | 10 |
ブロック | 8 |
※最低1~最大10の10段階評価
牛若は全日本ユースにも召集された全国で三指に入るスパイカーです。
その武器は恵まれた体格と鍛え抜かれたパワーから繰り出される強烈なスパイク。
しかもそれが左利き独特の射出位置と回転によって更に対応困難なものに。
作中ではブロック、レシーブを大砲のようなスパイクで何度も弾き飛ばしていました。
来ると分かっていても止められない、全てをねじ伏せるシンプルで圧倒的な強さを象徴する存在と言えるでしょう。
スタミナにも恵まれており、試合終盤であってもその美しいスパイクフォームは乱れることがありません。
レシーブはあまり得意ではなく、守備にはあまり参加しませんが、そこはチームメイトが献身的に尽くしてカバーしていましたね。
プロになって以降は世界の圧倒的な高さとパワーを前に結果を出せず、悩んでいましたが、その逆境をバネに更なるパワーと手に入れ、世界を相手に戦える最強のスパイカーへと成長していました。
「ハイキュー‼」牛島若利(牛若)の人間関係
異質な存在、日向翔陽との出会い
「何か嫌だ」
牛若にとって、主人公の一人である日向は体格に恵まれているわけでも、優れた技術を持っているわけでもない異質な存在でした。
シンプルな強さこそを至上と信じ、それを体現してきた牛若にとって、日向という理解できない「強さ」は不快なものに感じられたんでしょうね。
「お前を叩き潰したい」
日向に対しては他の誰よりもムキになり、明確な敵として叩き潰したいと感情を露にします。
小さな人間でも戦える。多様なバレーの「強さ」を表現する「ハイキュー‼」という作品において、牛若と日向の対決はメインテーマの一つでもありました。
激闘の末に烏野高校に敗北した牛若。
「次は倒す」
しかしその姿は最後まで堂々たるものでした。
白鳥沢学園高校での立ち位置、天童とはマブダチ!
白鳥沢学園高校において、牛若はチームを率いる主将でありエースであると同時に、ある種の天然キャラ、マスコットの様に扱われていました。
セッターの白布のように心から牛若を尊敬し、尽くしている人間も勿論いましたが、どちらかというと仲間たちはバレー馬鹿で天然の牛若を単純に好ましく思っていたのではないでしょうか。
その筆頭が自称マブダチである天童覚。
人懐っこいもののクセの強いキャラクターと明け透けな物言いで敵を作りやすい天童は、裏表がなく泰然とした牛若とは互いに相性が良かったのでしょう。
ハタから見ると天童が牛若を挑発しているようにも見えてしまうのですが、普通に仲が良いです。
烏野高校との敗戦後、天童は牛若に、
「『俺は牛島のマブダチだったって』自慢するからちゃんと頑張ってね」
「情熱大陸とか出るときは俺『昔の仲間』枠で取材OKだからね」
と言っていましたが、後にこの言葉は世界的なパティシエとなった天童が取材を受ける際、牛若が『マブダチ』として出演するという形で実現することになります。
「ハイキュー‼」牛島若利(牛若)の活躍と名言、その後の進路
卒業後は即プロ入り、しかしスランプに陥り、岩泉との再会を経て最強の大砲へと進化
高校卒業後は即プロ入りした牛若ですが、世界の圧倒的な高さとパワーを前に伸び悩みます。
そしてバレーが子供たちに人気がないことに、プロとしてショックを受けていました。
しかしそんな悩みを吐露する牛島に天童は、
「若利くんがまだ弱いからだよね!」
もっと強くなれ、強くなれば見てもらえると叱咤します。
そして有名トレーナーとなっていた牛若の父に憧れ渡米した青葉城西の岩泉とも偶然再会し、
「ウシワカが「まあまあの選手」なんてのは滅茶苦茶嫌だぜ」
「ずっと負けてきた身としてはよ」
と檄を飛ばされます。
そして牛島は従来のフォームを捨て、動作を止めることなくスパイクを打つことで、打つコースが相手に読まれにくくなり、更にパワーを増すことに成功します。
プロになった牛若はVリーグで影山たちと同じチームに所属し、この新しいスパイクフォームを以って日向たちと再戦を果たします。
そして2019年からはポーランドリーグに渡り、2021年には日向たちと同じオリンピック代表として世界を相手に戦い続けています。
圧倒的な実力と自信(ついでに天然)に裏打ちされた名言と活躍
それでは牛若の活躍をその名言とともに振り返っていきましょう。
「見られることで俺たちが弱くなることはない」
「俺のいる場所が最強の場所だろうが?」
傲慢ともとれる発言。
しかしそれは、圧倒的な実力と自負に裏打ちされたものでした。
「どうした五色」
「お前のその実力で何を焦る必要があるんだ」
ミスをする1年生に向けた飾りのない言葉。
自分の力だけでなく、仲間たちのことも心から信頼しています。
「根拠のない自身は嫌いだ」
「『俺はお前より強い』と言いたかった」
「幼稚だろうか」
「それでも言いたかった」
日向を意識し、そして敗れた後に吐露した純粋過ぎる本音。
こいつは心から不器用なバレー馬鹿なんだなと実感した瞬間です。
「強者であるために、何度でも強さを捨てよう」
プロになって更なる進化を遂げた、完成することのない最強の男。
いつまでもどこまでも日向や影山たちと切磋琢磨し続けていって欲しいですね。
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