今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、全国で5本の指に入るスーパーエースにして梟谷の主将「木兎 光太郎(ぼくと こうたろう)」ついて解説します。
木兎は東京遠征合宿から登場し、その高い実力と明るく裏表のない性格、そしてあり得ないほどの気分屋という欠点から、読者にも嫌味なく愛された人気キャラクターです。
エースでありながらチームの皆に支えられていた木兎が、「ただのエース」へと成長を遂げる様は作中でも屈指の名シーン。
本記事ではそんな木兎の魅力を、人間関係や名言、その後の進路なども踏まえて深掘りしてまいります。
「ハイキュー‼」木兎光太郎ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、誕生日、声優など)、名前の由来(モデル)
所属 | 梟谷学園高校3年1組 → ムスビイブラックジャッカル |
ポジション | ウイングスパイカー → アウトサイドヒッター |
誕生日 | 9月20日 |
身長 | 185.3cm → 190.3cm |
体重 | 78.3kg → 87.4kg |
最高到達点 | 339cm → 348cm |
好物 | 焼肉‼ |
最近の悩み | ・・・・・・なやみって漢字でどう書くっけ?? →なんか、あの、アレ、税金のこととかあんまわかんない。 |
声優 | 木村良平 |
※→の後ろは卒業後のデータ
木兎は全国大会にも安定して出場している梟谷学園高校の主将にしてスーパーエースとして登場しました。
主人公たち烏野高校と公式戦での対戦はありませんでしたが、東京遠征合宿を通じて良き戦友としての立ち位置を確立しています。
外見はミミズクの羽角のような髪型と眉毛が特徴の元気な少年で、試合では常にテンション高く「ヘイヘイヘエーイ!」と叫んで敵味方関係なく士気を高めていましたね。
一方で、常識では考えられないほどの気分屋でもあり、他の人間からするとバカバカしいようなことでいきなりテンションがガタ落ちし、しょぼくれモードと呼ばれる役立たず状態に陥ってしまうこともしばしば。
そんな時はチームメイトがカバーしたり煽てたりと、木兎を上手くコントロールしていたのが梟谷というチームでした。
ちなみに、梟谷のメンバーはその名前がミミズクに由来するものとなっており、木兎はミミズクの和名表記です。
全国で五本指に入るスパイカー、ただし気分屋でムラだらけ
パワー | 5 |
バネ | 4 |
スタミナ | 5 |
頭脳 | 3 |
テクニック | 3→5 |
スピード | 4 |
※表は最低1~最高5の5段階評価、→の後ろは卒業後の値
木兎は全国でも5本指に入るスパイカー(ただし3本指には入っていない)とされるスーパープレイヤー。
特に長身から繰り出されるキレッキレのインナースパイクは、木兎の代名詞と言っても過言ではない得意技です。
スパイクだけでなく、サーブやレシーブも上手く、フェイントやリバウンドといった小技も使いこなす隙の無い能力の持ち主と言えるでしょう。
唯一の弱点はその精神的な不安定さ。
これさえなければ、木兎は3本指のエースたちにも決して引けを取らない存在と言われています。
梟谷のメンバーは、この木兎の欠点を個性として受け入れフォローしていましたが、物語終盤では仲間たちと離れなければならないことを自覚して、木兎はこの精神的な不安定さを克服することとなるのです(詳しくは後述)。
「ハイキュー‼」木兎光太郎の人間関係
日向(と月島?)は愛弟子?
日向に関してはテンション高めのバカ仲間。
天性の煽て上手である日向にのせられて、木兎も日向のことを愛弟子として可愛がっていましたね。
木兎が日向に教えたリバウンドやフェイントは、要所要所で流れを変える日向の技の一つとなっています。
そしてもう一人、真逆のキャラクターながら木兎が大きな影響を与えたのが月島です。
東京遠征合宿で、何でそんな必死にバレーをやるのかと尋ねた月島に、木兎はバレーは楽しいかと問い返します。
首を横に振る月島。
「それはさ、へたくそだからじゃない?」
自分自身も最近まで楽しいと思った瞬間はなかった。
けれど、最高のスパイクを決めて、最高の快感を味わったのだと木兎は言います。
それが月島に当てはまるかどうかはわからない、と前置きし、
「もしもその瞬間が来たら」
「それがお前がバレーにハマる瞬間だ」
この後、月島は白鳥沢戦で牛若にブロックを決め、木兎の言葉を思い返すことになるのです。
黒尾とは立場を超えた悪友
音駒の黒尾とは、同じ東京のライバル校の主将同士ではありますが、非常に仲が良く悪友と言って良い関係です。
東京遠征合宿の際なんかは、いつも一緒に自主練していて同じチームのメンバーより一緒にいた時間が長かったんじゃないでしょうか。
実力はあっても精神的に不安定な木兎と、突出した才能がなくとも精神的な支柱としてチームを支える黒尾は、互いに無いものを補い合い、学び合う関係だったのかもしれません。
赤葦や梟谷のチームメイトは……保護者?
セッターの赤葦をはじめとした梟谷のチームメイトは、木兎にとって仲間であると同時に精神的な不安定さを支えてくれる保護者のような存在でした。
木兎がしょぼくれモードに入っても、彼らは今更動じることはありません。
自分たちがしんどい時は逆に木兎が支えてくれているのだからと、木兎が立ち直るまで献身的にフォローしていました。
木兎にとって梟谷というチームは、後々大きく羽ばたくためのモラトリアム期間のようなものだったのかもしれませんね。
「ハイキュー‼」木兎光太郎の活躍、名言
「ただのエース」への成長、卒業後はプロ、日本代表へ
三年生最後の春高の舞台で、全国三大エースの一角、桐生八率いる強豪狢坂に追い詰められる梟谷。
そこで木兎は覚醒を遂げます。
「俺は今まで『皆のおかげのエース』だったけど」
「あと何日かでお前らとはお別れだから、いい加減」
「ただのエースになるよ」
支えられるエースから自立したエースへと。
この木兎の成長は、間違いなく「ハイキュー‼」屈指の名シーンの一つでしょう。
高校卒業後はプロとなり、MSBYブラックジャッカルでスパイカーとして活躍しています。
日向たちと共にオリンピックでは日本代表にも選ばれ、引き続きライバルたちと凌ぎを削っているようです。
木兎光太郎の名言と言えば……
木兎は作中でも数多くの名言を残していますが(バカな分、発言がストレートなのが良かったのかな)、そのどれもが見る者の心を震わせる前向きなものばかり。
「 “楽”じゃなく“楽しい”を考える」
「ムリではなく、ムズカシイである」
「後のことじゃなくて、今見て、俺たちがどのくらい強くなったか見て」
「試合で100%を出すってカンタンじゃない」
「でもね赤葦、俺には120%をちょうだい」
「お前『絶対に負けられない戦い』とか思ってない?」
「じゃあさ、今まで負けていい戦いはあった?」
しかし、こうした発言がでてきたのは、木兎が「ただのエース」になってから、あるいはその兆しを見せてからでした。
精神的な弱さを克服した木兎だからこそ、最初から強い心を持っていた者よりその言葉が心に刺さるのかもしれませんね。
最期にもう一度、あの言葉を繰り返して、シメとさせていただきます。
「ただのエースになるよ」
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