今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、共感力が高く周囲から愛されるいい奴「金田一 勇太郎(きんだいち ゆうたろう)」について解説します。
金田一は中学時代””コート上の王様”と呼ばれ暴君のごとく振舞っていた影山のチームメイトで、最後には影山を見放した因縁の存在。
主人公らと対立する立ち位置にあり、登場当初は嫌味なキャラクターと捉えられがちでしたが、徐々にその世話焼きで優しい性格が明らかとなり、印象がガラッと変化した少年でもあります。
本記事ではそんな金田一の人間関係(国見・及川・岩泉)や影山との因縁、その後の進路などを中心にその魅力を深掘りしてまいります。
「ハイキュー‼」金田一勇太郎ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、誕生日、最高到達点、髪型、声優など)
所属 | 青葉城西高校1年5組 → 大学4年・埼玉の電気工事会社に就職予定・たまでんエレファンツ所属(Vリーグ Division2) |
ポジション | ミドルブロッカー |
誕生日 | 6月6日 |
身長 | 189.2cm → 192.7cm |
体重 | 74.3kg → 84.3kg |
最高到達点 | 332cm |
好物 | 焼きとうもろこし |
最近の悩み | クラスの女子に「金田一君って“大きい”っていうより“長い”って感じだよね」と言われた → 俺はどうやら酒に弱い |
声優 | 古川慎 |
金田一勇太郎は宮城県内屈指の強豪、青葉城西高校で1年生ながらレギュラーとして活躍する少年で、主人公の一人である影山の中学時代のチームメイトでもあります。
外見は日向に「らっきょヘッド」と称された尖った髪型が特徴の長身の少年。
性格は基本的に面倒見の良い苦労人で、体育会系らしく先輩に対しては礼儀正しい態度を崩そうとしません。
影山に対してのみ毒を吐き刺々しい態度をとっていますが、これは中学時代影山の独善的なプレーに振り回されていた影響ですね。
初登場では影山への不満を口にするキャラクターが前面に出ていたため、嫌な奴という印象が先行してしまいましたが、実際には非常にいい奴で、作者からも愛されキャラと評されていました。
長身を活かし空中戦を制するチームの潤滑剤
パワー | 3 |
バネ | 3 |
スタミナ | 4 |
頭脳 | 2 |
テクニック | 3 |
スピード | 3 |
※最低1~最大5の5段階評価
<Vリーグ後の追加データ>
サーブ | 6 |
レセプション | 6 |
ディグ | 6 |
セッティング | 5 |
スパイク | 7 |
ブロック | 8 |
※最低1~最大10の10段階評価
金田一は長身を活かしたバランスの良いミドルブロッカーです。
1年生ながら強豪青葉城西のレギュラーに選ばれているだけあって、基本的な能力は低くありません。
しかし逆に言えば、現時点で身長以外に突出した強みはなく、悪く言えば凡庸な能力の選手ですね。
しかし金田一はその素直さから周囲の教えグングン吸収し、及川の指導で打点を大きく上げるなど飛躍的に成長している途中。
また、試合中にも及川の指示に的確に対応して敵の攻撃に対処するなど、自ら考えることは苦手な分、他人の指揮で動くことは得意なようです。
肉体的なスペックの高さと精神的な素直さを持つ、非常に伸びしろのある少年と言えるでしょう。
「ハイキュー‼」金田一勇太郎の人間関係
体育会系で及川・岩泉ら先輩には素直で忠実
金田一は典型的な体育会系の少年で、先輩に対しては礼儀正しく素直で、試合中であっても敬語を崩すことがありません。
特に主将の及川、エースの岩泉は中学時代からの先輩ということもあって頭が上がらないようです。
主にバカをやる及川の心配をしていたり、岩泉に折檻されている及川を助けたりと、苦労人らしい一面が垣間見えますね。
また先輩に対してはNOと言えない性格らしく、126話の扉絵では伊達政宗に扮した及川の馬役をやらされていました。
非常に先輩から可愛がられている金田一ですが、一つ気になるのは及川から「金田一」と呼び捨てにされているところ。
他のチームメイトは「~ちゃん」付けで呼ばれているのに、何で一人だけ……?
だらけ系の国見とは中学時代からの名コンビ
中学時代からのチームメイトで同じ1年生レギュラーの国見英とはよく行動を共にしている名コンビです。
世話焼きの金田一と、だらけ系でものぐさな国見は正反対な分、相性が良いんでしょうね。
共に宮城県1年生選抜強化合宿に招集された際も、サボり癖で周囲の反感を買いそうになる国見をその直前で的確にフォローしていました。
また逆に、中学時代の影山との接し方を悔やんで気にする金田一に、国見がフォローを入れることも。
「お前は中学の事、気にし過ぎ」
「お前は精一杯やったろ」
この絶妙な距離感が良いですよね。
「ハイキュー‼」金田一勇太郎の活躍と名言(その後の進路)
高校卒業後は大学進学、プロ入りもしてバレーを続ける
高校卒業後、金田一は大学に進学してバレーを続けています。
2018年時点で大学4年生、既に「たまでんエレファンツ(Vリーグ Division2)」に所属していて翌年から埼玉の電気工事会社に勤務予定ということは、大学は関東の大学に進学したんでしょうね。
チームメイトだった国見は宮城の銀行に勤務予定ということで、進路は全く別々となってしまったようですが、共に宮城で行われた影山と日向の試合を観戦しに行っており、付き合いは今でも続いているようです。
また、詳しくは後述しますがその試合の後では国見と共に影山と和解し、いつかまた一緒にバレーをしようと約束しています。
いつになるか分かりませんが、こういう約束ができるって、それだけで良いですよね。
金田一の活躍と名言、影山との因縁と和解
それでは最後に金田一の作中での活躍と名言、そして影山との因縁と和解を振り返っていきましょう。
「フザけんな!」
「無茶すぎんだよ、お前のトス!」
「打てなきゃ意味ねぇだろうが!」
中学時代、コート上の王様(=独裁の王様)と称された影山の在り方を示す金田一の言葉。
今振り返るとこれは、単なるトスへの不満ではなく、独善的なプレーでチームの輪を乱すことへの怒りと、孤立する影山への心配が込められていたような気がしますね。
そして中学時代、金田一たちと影山は決裂し、高校に入って今度は敵として再会します。
そこにいたのは中学時代とは異なり、仲間と合わせることを覚えた別人のような影山。
「……くそ、なんか悔しいな」
試合後、大きく成長した影山の姿に思わず金田一からこぼれた言葉。
それは自分たちでは影山を変えられなかったことを悔やんでいるようで、同時にその表情は影山に仲間ができたことを喜んでいるようにも見えました。
その後、何度も戦い、すれ違いながらも和解できずにいた彼ら。
しかし、2018年、影山の試合を見に来ていた金田一と国見に向けて影山がこう告げます。
「また一緒にバレーをやろう」
それは自分たちに日本代表にでもなれと言う事か、と驚く金田一たちでしたが、
「おっさんになってからでも」
「じいさんになってからでもいい」
それは影山なりの和解の言葉。
「おう、やろう」
だからこそ、金田一は素直にそれに応じました。
それは金田一自身がずっと伝えたかった言葉でもあったのです。
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