今回は山口つばさ先生が「アフタヌーン」で連載中の青春アートストーリー「ブルーピリオド」から、同級生だけど一歩引いた大人のキャラクター「鉢呂 健二(はちろ けんじ)」について解説します。
鉢呂は主人公の八虎と同期で藝大の油画専攻に入学した男子学生。
八雲やモモちゃんとは藝大入学前からの付き合いで、大抵トリオで行動しています。
社会人経験を経て藝大に入学した大人の男性で、作中では一歩引いた立ち位置で周囲をフォローしている鉢呂。
本記事ではそんな彼のプロフィールや過去、名言を中心に解説してまいります。
「ブルーピリオド」鉢呂健二のプロフィール
基本プロフィール(誕生日、年齢、出身地など)
誕生日 | 11月25日 |
年齢 | 27歳(藝大入学時・八虎より9歳上) |
身長 | 不明(目算で190cmはありそう) |
所属 | 東京藝術大学絵画科油画専攻(学生) |
出身地 | 新潟(藝大入学前は広島勤務) |
声優 | ー |
鉢呂健二は主人公の八虎と同期で藝大に入学した男子学生です。
一度社会人経験を経て藝大に入学した大人の男性で年齢は八虎より9歳年上。
外見は左前髪を目が隠れるほど長く伸ばし、それ以外を刈り上げた独特の髪型が特徴の長身男性。
詳しくは語られていませんが、海外の血が入っており、国籍も日本ではないそうです。
パッと見た目の印象はかなりガラが悪いですが、性格は穏やかで人当たりが良く、多くの人から親しまれる社交的なキャラクター。
一方で、見た目はかわいい女の子(?)である鮎川龍二を前にデレデレしたり、パチンコや競馬などを嗜む駄目な大人としての一面もあります。
八雲、モモちゃんの保護者役
鉢呂は村井八雲、柿ノ木坂桃代(以下、モモちゃん)と藝大入学前からの友人で、作中では大抵トリオで行動しています。
実力と知識はあるものの性格に難がありトラブルを起こしやすい八雲と、幼くマイペースなモモちゃん。
鉢呂はそんな二人の保護者役兼フォロー役で、二人からは「はっちゃん」と呼ばれています。
ちなみに、男と女ではありますがモモちゃんを性的な目で見ることは一切なく、狭いテントの中で一緒に寝ても互いに全く気にする様子は無し。
……まあそもそも、モモちゃんをそういう目で見る男が作中にいないという説もありますが。
「ブルーピリオド」鉢呂健二の過去
一度美大受験を諦め仏具会社に勤務
前述したように、鉢呂は社会人経験を経て藝大に入学しています。
その過去は分かっていない部分も多いですが、以前に一度だけ美大受験をして失敗。
ただ受験には嫌な思いでしかなかったらしく、一度きりで諦めて一時は絵を描くことから離れていました。
その後、広島の仏具会社に就職し、そこで営業成績トップのセールスマンとして活躍。
当時の鉢呂の取引先がモモちゃんの実家のお寺で、その縁でモモちゃんとは親しくしていました。
更にモモちゃんの友人の真田、その真田が広島に呼んだ八雲と知り合い、再びアートの世界に関わっていくようになります。
広島で過ごした八雲、モモちゃん、真田との日々
今でこそ仲の良い鉢呂と八雲ですが、藝大入学を目指す八雲と、既に夢をあきらめた鉢呂は当初やや険悪な関係。
八雲の第一印象がニートの不審者だったこともあり、当時は微妙な緊張感が漂っていましたが、モモちゃんを間に挟むことで、徐々に関係性は改善していきます。
そんな中、真田が実は鉢呂がSNSでフォローする憧れの作家だったことが判明。
彼らに触発された鉢呂は再び絵を描き始めるようになります。
しかしそんな最中、真田は事故で冬の海に落下して死亡。
三人の心に大きな傷を残すことになります。
一番付き合いの浅かった鉢呂は既に立ち直っているようですが、八雲は未だ真田の死を割り切れておらず、鉢呂はそんな八雲に、立ち直ってしまった後ろめたさのようなものを感じているようです。
「ブルーピリオド」鉢呂健二はゲーム好き
鉢呂健二はボードゲーム全般が大好き。
一年次の東京をテーマにした課題では、東京の街の喧騒をボードゲームに見立ててマケットを作っていました。
好きなだけでなく、ボードゲーム、アナログゲーム全般がかなり得意なようで、作中では八雲やモモちゃん相手に賭けを持ち掛け、たっぷりお金を巻き上げています。
モモちゃんだけならまだしも要領のいい八虎に圧勝していましたから、その実力は相当なものでしょうね。
そんな鉢呂の天敵が実は高橋世田介。
暇つぶしに鉢呂が世田介にボードゲームで遊ぼうと持ち掛けたところ、囲碁勝負ではルールも知らなかった世田介が僅か二局目で鉢呂に勝利。
悔しかったのか鉢呂は今度はバックギャモン、次はカタン、大貧民と勝負を挑みますが、ことごとく世田介に敗北。
世田介はモモちゃんから「世田介ぇぇぇ、次は金賭けていままではっちゃんにとられたうちの金取り返してくれぇぇ」と土下座されていました。
「ブルーピリオド」鉢呂健二の名言
最後に鉢呂の心に刺さる名言を紹介してシメとさせていただきます。
努力できることは才能だと思うか、と八虎から尋ねられた鉢呂。
「うん。努力できるのは」
「才能じゃない?」
そう言われると、努力を否定されたように感じるという八虎に対し冷静に、
「論点がズレてるんだよね」
「『努力は努力』派は」
「努力にかけたコストの話をしてて」
「『努力できるのは才能』派は」
「その人の性質の話をしてるんだよ」
「才能とか努力って言葉に」
「囚われすぎじゃない?」
「だってこれって」
「努力とか才能がどうって」
「話じゃなくてさ」
「自分に寄り添った」
「言葉を選ばずに」
「土足で踏み込まれるのが」
「嫌って話でしょ?」
人生経験豊富な鉢呂らしい説得力のある言葉ですね。
また過去に、真田に最近再び絵を描き始めたことを伝える鉢呂。
「10代の頃は」
「わけもわからず描いてたけど」
「美術を手放して」
「世間に出て」
「自分の国籍とか歴史とか」
「知ってからのほうが」
「見える景色も」
「絵を描く意義も」
「くっきりして」
「俺は」
「今じゃないとダメだった」
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