今回は「ヤングジャンプ」で連載中の「ジャンケットバンク」より、作者「田中一行(たなかいっこう)」先生について解説します。
田中一行先生は大胆でインパクトのある作風で話題の漫画家。
エッジの利いた登場人物と言語化困難な独特の表現が特徴で、ハマる人には強烈にハマるタイプの作家さんです。
インタビューなどではその独特の漫画制作スタイルも披露。
本記事ではそんな田中一行先生のプロフィールや経歴などを中心に解説してまいります。
「田中一行」先生のプロフィール
引用元:田中一行/『ジャンケットバンク』
基本プロフィール(年齢、誕生日など)
性別 | 男 |
生年月日(誕生日) | 1986年2月26日 |
年齢 | 39歳(2025年3月31日時点) |
出身地 | 宮城県 |
田中一行先生は現在「ヤングジャンプ」で「ジャンケットバンク」を連載中の漫画家。
絵を描く様になった切っ掛けは書店で寺田克也先生の画集を目にしたこと。
寺田克也先生は「ヴァーチャファイター」などのゲームやアニメ、実写映画まで多くの分野でキャラクターデザインを手掛けているイラストレーター。
田中一行先生は寺田克也先生のスタイルは真似できないとしていて、あくまで憧れの絵として多大な影響を受けていると語っています。
意識して漫画を描き始めたのが高校1年生の頃で、初めて漫画を完成させたのは高校2年生の終わりごろ。
その作品で「新人賞の一番下」とは言え賞を受賞し、担当編集者と相談しながら上京し、専門学校に入学しました。
作家としての経歴
田中一行先生は上京後、19歳の時に「ソアビ」がアフタヌーン四季賞で佳作を受賞、読み切りデビューを果たしています。
また翌年には「ウロト」が同じく四季賞で準入選を受賞し、再び読み切り掲載。
その後、23歳で初の連載ネームが通り、2011年に月刊アフターヌーンで「イコン」の連載が開始されました。
ちなみに連載デビュー前には前田真宏先生の下でアシスタントを経験し、その作画クオリティと速度に衝撃を受けたと語っておられますが、アシスタントとしての経験は2週間ほどだったそうで、師弟関係というわけでもないようです。
その後、「エンバンメイズ」「概念ドロボウ」を連載し、どちらも2、3年で終了。
2020年からヤングジャンプで「ジャンケットバンク」の連載が始まり、現在にいたります。
「田中一行」先生の漫画制作スタイル
後述するインタビュー記事などで語っておられますが、田中一行先生の漫画制作スタイルは中々独特です。
まず最初に話のプロットを箇条書きで五行程書きます。
その後ネーム描きますが、これはキャラの言動を知るためのものなのでアドリブで喋らせ、絵はキチンと入ってはいません。
その後作画に入るのですが、絵に関してはほぼその時のアドリブ。
話の展開は事前に考えてはいるものの、登場人物が変人なので当初の想定通りに進むことは少なく、都度臨機応変に変更しているそうです。
そんな田中先生が漫画を描く上で一番意識していることは「面白い」を優先順位の一番上におくこと。
編集者に修正を指示されても、本当にその修正が面白さに繋がっているのかを意識して、自分の漫画に責任を持つことを心がけているそうです。
「田中一行」先生のインタビュー記事
田中一行先生はインタビュー記事であまりプライベートについて触れられることはなく、基本的には全て漫画について語っておられます。
素顔は非公開。
内容としては新人漫画家向けに「連載を勝ち取る方法」というテーマでアドバイスしたり、漫画家としての経歴やご自身の漫画制作スタイルなどが主となっています。

https://youngjump.jp/comic_award/interview/2022/12/
「田中一行」先生の過去作
初連載作品「イコン」
「イコン」は田中一行先生の初連載作品。
金子ナオヤという平凡な大学生が「誰にでも1つ自分の言う事をきかせる事が出来る」石を手に入れ、恋人と共に次々とトラブルに巻き込まれていく物語です。
軽い気持ちで行ったことが、平穏な日常を壊してしまうサスペンス、ホラーテイストの作品ですね。
異色のダーツ漫画「エンバンメイズ」
田中一行先生の二作目の連載作品。
裏社会で行われるダーツ賭博をテーマに、凄腕のダーツプレイヤー烏丸徨の活躍を描いた物語です。
単純なダーツの腕前で決着がつくことはなく、特殊ルールや心理戦など様々な要素が絡み合った、後の「ジャンケットバンク」と共通点の多い作品ですね。
異能活劇「概念ドロボウ」
「概念ドロボウ」は欲望や勇気、魅力、道徳、まごころといった人の中の形のない概念を盗むことができる「強奪者(=ドロボウ)」たちが跋扈する世界を舞台に、私立探偵の如月ウロが活躍する異能活劇。
人からどんな概念が盗まれたら「こう」なるのか、という謎解き要素の面白い作品ですね。
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