今回は「ヤングジャンプ」で連載中の「ジャンケットバンク」より、模倣と理解の怪物「三角 誉(みかど ほまれ)」について解説します。
三角誉は伊藤班が担当権を持つ作中最高ランクの「1ヘッド」ギャンブラーで、主人公の真経津が主任解任戦で対決した男。
初登場(飛行機で御手洗と遭遇)から名前が判明するまで60話以上間隔が空いていて、満を持して登場した本物の怪物です。
本記事ではそんな三角誉のプロフィールや人間関係、登場回(何話)を中心に解説してまいります。
「ジャンケットバンク」三角誉のプロフィール
引用元:田中一行/『ジャンケットバンク』
基本プロフィール(年齢、誕生日、職業など)
年齢 | 30歳 |
誕生日 | 1月23日 |
身長 | 179cm |
体重 | 70g |
血液型 | AB型 |
趣味 | 人間観察 |
好物 | ラーメン |
職業 | 無職 |
犯罪歴 | 無し |
危険度 | A+ |
三角誉は作中に登場するギャンブラーの一人。
主人公・真経津が二度目の主任解任戦の大将戦で対戦した怪物です。
関わってきた人間を徹底的に監視追跡して完全に模倣し自らの内に取り込み、殺害してきた連続殺人鬼です(三角が直接手を下したわけではない)。
三角誉は生まれつき共感性を持たず、その行動の目的は他人を模倣し理解すること。
「わかり合いたいんだ 皆で幸せに暮らすために」
と発言していますが、そこに相手の都合は一切考慮されていません。
模倣した対象の人格と共存していますが、天堂や周囲の反応からすると他人を模倣しているだけで多重人格というわけではないようです。
強さ:伊藤班最強の駒
三角誉は作中でカラス銀行のラダーで上位50人だけが所属する1ヘッドのギャンブラー。
「1ヘッド」は四つあるギャンブラーのランクの一番上で、意味は「1人のみ残る」。
その戦いでは必ずどちらか(あるいは両方)が死ぬことになります。
通り名は「共同体(ハイブ)」で、それとは別に「全方位ドッペルゲンガー」という呼び方もされていました。
伊藤班が持つ最強の駒。
「1ヘッド」の特権には「第2種白紙権」というものがあり、指定した人間の行動を存在を最長二週間なかったことにする特権ですが、20枚つづりでヘックスメダル(「1ヘッド」戦で使われる賭け金)10枚と高額。
三角誉は自らの殺人を無かったことにするため、これまでこの特権を二度購入しています。
「ジャンケットバンク」三角誉と土屋田謙介
「1ヘッド」クラスのギャンブラーは皆異常者であり、確実に周囲の人間を病ませてしまいます。
比較的善人に見えた眞鍋先生でさえ職場の同僚の心を削っており、連続殺人鬼とされる三角誉であればその悪影響は特に顕著でした。
伊藤班のメンバーも「名前聞くだけで具合悪くなるか賭けません?(蔵木)」「出来れば会いたくない人間の筆頭(雪村)」「アイツ人間の枠に入れていいのか?(昼間)」と散々な反応。
そんな三角誉の担当が出来るのは、土屋田謙介ただ一人。
土屋田は伊藤班の中で間違いなく一番仕事ができず、学習しない反省しない聞きたいしか耳に入らないし覚えない無能。
しかしその全ての無能さが大好きな自分を他人から守り、受けたい時にしかストレスを受けない無敵の裸の王様です。
怪物の前では突き抜けた無能さも武器となるわけですね。
「ジャンケットバンク」三角誉の初登場(飛行機)
三角誉のメインエピソードである主任解任戦第3ゲームが始まったのは170話。
しかしなんと彼はその60話以上前の106話の時点で、正体不明の存在として初登場を果たしていました。
三角誉が登場したのは二度目のオークション送りから復帰した御手洗が帰還のために乗った飛行機の中。
そこで御手洗は、偶然その飛行機に同乗していた三角誉と遭遇し、その異質さと自分の悩みを一瞬で言語がしていく理解力に恐怖します。
この時点では名前は不明。
その後も151話でアイドルを殺害(?)しているシーンが描かれたり、不気味な存在として度々匂わされていました。
名前が判明したのは169話。
殺した人間(?)の人格を内在する連続殺人鬼であることが明かされます。
「ジャンケットバンク」三角誉VS真経津
主任解任戦「デビルズマイン・ツインズ」
真経津と三角誉が戦ったゲームは「デビルズマイン・ツインズ」。
双子の悪魔が地上へ遊びに行くため競争しながら坑道を掘り進めるという設定のゲームです。
四枚のカードを交互に選択し、三種の宝物を見つけながらツルハシで地上への道を掘っていくという内容ですが、このゲームの特徴はとにかく至るところに死のリスクが存在しているところ。
20ターン内に地上に出れなかった場合、岩が落ちてきて圧死。
岩を削って出た塵は、240分以上吸ってしまえば中毒死し、何の対策もなく五回連続で削岩を行えば大爆発。
掘れなきゃ圧死、もたつけば中毒死、急ぎ過ぎれば大爆発、勝利条件は「対戦相手の死亡」のみという何をしても死ぬヤバいゲームです。
理解することで人を殺す怪物
当初、三角誉は内在する弱い人格に相手をさせ、一見ゲームは真経津優位で進みます。
しかしこのゲームは至るところに死の影がチラついており、相手の正体が見えない状況に真経津は焦っていました。
そしてゲームが進むにつれ、三角誉による真経津の理解が進行。
徐々に真経津がカードを選ばされるようになり、追い詰められていきます。
そして判明する三角誉の怪物性。
彼の理解は完璧であり、誇りや矜持といった自分にしかわからないと信じている間隔まで模倣してしまいます。
そうして他者からの理解が限界を超えた時、人は自分の価値を信じられなくなり、最後の愛で自分を殺してしまうのだとか。
つまり三角誉は殺人を犯しているわけではなく、理解しすぎてしまうことで相手を結果的に殺してしまう怪物だったのです。
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