「まったく最近の探偵ときたら」感想(ネタバレ注意)~唯一の謎は真白の正体? マキさんが普通に優秀でかわいすぎる~


 今回は「電撃マオウ」で連載中の異色の探偵マンガ「まったく最近の探偵ときたら」を紹介します。

 本作の内容を一言で言うと、落ちぶれた元高校生探偵のオッサンが相棒の女子高生と繰り広げるドタバタ劇、です。
 コナン君とか金田一少年(こっちはオッサンスピンオフがありますが)のイフの未来みたいなものでしょうか。探偵なのに推理は一切なし、ダメなオッサンがかわいい相棒の女子高性と共に巻き起こす、ただただ爆笑必死のコメディ作品です。

「まったく最近の探偵ときたら」のあらすじ(概要)

探偵と銘打っているくせに、推理は一切なし!

 かつて天才高校生探偵として一世を風靡した主人公、名雲桂一郎
 そんな彼も、35歳となった今では探偵として碌な仕事もなく、事務所の家賃も支払えないありさま

 そんな名雲の元に、女子高生の真白が探偵助手を志望し、転がり込んできたところから物語は始まります。

 ギャルに探偵が務まるかと真白を追い払う名雲ですが、当の名雲は浮気調査さえ満足にこなせないポンコツっぷり(昔ながらの探偵スタイルのせいで周りから浮きまくっていたり、老眼のせいで尾行対象を凝視したり)。

 真白の助けもあって何とか依頼をこなした名雲は、真白を助手として受け入れることを決めます(ただしお金が無いので給料は払えませんが)。

 失敗を繰り返しながらも、探偵とその相棒として仲を深めていく名雲と真白。
 そして続々と現れる「現」天才高校生探偵や、名雲と同じ「元」天才高校生探偵(ただしこちらはまともな社会人)ら、個性豊かな登場人物たち。

 探偵らしい推理やミステリなど欠片もなく、物語はますます愉快に騒がしくなっていきます。

唯一の謎は真白の正体?

 物語のキーとなってくるのが、真白の正体でしょう。

 真白の回想では、かつて高校生探偵だった名雲に幼いころの真白が助けられたと思わしきシーンが描かれており、以前から面識があったことがうかがえます

 また、名雲の昔からの友人である美馬坂警部(元名探偵)から真白は「朝倉」と呼ばれ(今の真白の名字は中西)、「名探偵名雲桂一郎を潰したのは自分のせいだと思っているんだね」と、何やら名雲が落ちぶれた切っ掛けにも関わってきそうな雰囲気

 この物語の唯一の謎は、真白が名雲の元に来た理由、その過去ということになるのでしょう(逆に言えば、それ以外に謎は何一つない)。


「まったく最近の探偵ときたら」の主な登場人物(ネタバレ注意)

名雲 桂一郎(なぐも けいいちろう)
本作の主人公で、「元」天才高校生探偵の35歳オッサン
外見は無精ひげを生やした、ただ渋いだけのオッサンで、恐らく世間一般の35歳より老けている
腰痛、歯痛、四十路肩、老眼、自律神経失調症を患っている。
探偵業は続けているが、ほとんど依頼はなく、事務所兼自宅の家賃もろくに払えない有様。
昔ながらの探偵スタイルしかできないことが原因とは言われているが、それを抜きにしても相当なポンコツであり、本当に天才高校生探偵だったのかも怪しい
スマホ、JK、ホームページの意味も分からず、30代バカにすんなよ、世の30代に謝れと言いたくなるレベルのオッサン

中西 真白(なかにし ましろ)
名雲の元に探偵助手を志望して転がり込んできた女子高生。
外見は黒髪を腰まで伸ばした快活な雰囲気の美少女。
探偵助手らしく(?)超人的な琉球空手の使い手で、1人で893の事務所をうっかり壊滅させるほどの戦闘能力を持つ
特技は劇画調の顔芸と料理。何故か火炎放射器を自作できる
かつて名探偵だったころの名雲に救われたことがある模様。

翌檜 ユウ(あすなろ ゆう)
「現」天才高校生探偵の少年。かつての名雲に憧れて探偵となったらしい
ファッションにあまり興味がなく、すぐに物事を謎に結び付けて考える古典的かつ面倒くさいタイプの探偵。
探偵としては普通に優秀。

風巻 ハナ(かざまき はな )
ユウの探偵助手を務める可愛らしい雰囲気の女性。通称マキ。
若く見えるが年齢は20代
様々な職種を経験しており、とてつもなく優秀。給料にひかれて助手をしている
番組の企画で探偵助手に選ばれた。
貧乳であることを気にしており、ポンチョのような身体のラインが目立たない服を愛用している。

美馬坂 総也(みまさか そうや)
名雲と同じ「元」天才高校生探偵にして35歳。
ただしこちらは警部で妻子もちのキチンとした社会人。
ただ、機械音痴だったり老化は確実に進んでいたりと、そこそこポンコツ。

美馬坂 風(みまさか ふう)
総也の娘で怪盗に憧れ、怪盗ビーバーを名乗る少女。
怪盗の中身が冴えないオッサンだった時は、ショックで泣き出すほど怪盗への憧れは強い


「まったく最近の探偵ときたら」の感想

高校生探偵、年をとったらただのオッサン……それはともかくマキさんかわいい

 本作の感想ですが……世の高校生探偵も年をとったらこんな風にただのオッサンになってしまうのか、いやあまりにもポンコツ過ぎるだろう、と哀愁を感じつつクスクス笑ってしまう、そんな作品ですね。

 そもそも名雲が年齢とか老化で片づけれないほどポンコツ。本当に名雲が名探偵だったのか、怪しくなるレベルのダメ人間です。

 あるいは真白が「名探偵名雲を潰した」というのは、社会的にとかではなく、物理的に衝撃を与えて頭を悪くしたとか、そういうことなんでしょうか?
 まあ、そんな疑いを抱いてしまうほどのポンコツぶりで、それがひたすら面白い作品です。

 加えて言うなら真白とマキさんが非常にかわい

 作者は「川柳少女」なども描かれており、その頃から女性キャラクターがかわいいことには定評がありましたが、真白とマキさんのかわいさは特に秀逸ですね。

こんな人におすすめ

 僅かでも探偵、ミステリ要素を期待している方以外であれば、誰であれ読んでみて損はない作品でしょう。

 隙間時間で読めて、非常に気楽に笑える内容となっており、画風も読み手を選ばないニュートラルなものですので、まずは気軽に手に取ってみてはいかがでしょうか

 反面、欠片でも探偵、ミステリ要素を期待している方は止めた方がいいでしょう。

 この作品に、そんなものは存在しません。



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