「もののがたり」の感想~美しい現代バトル漫画、アニメ化の展望は?~


 今回はウルトラジャンプで連載中の「もののがたり」について紹介していきます。
 書店で純和風のとても綺麗な表紙に惹かれて手に取ったのですが、中身は本格的なバトル漫画で日常パートあり、陰謀ありと、非常に丁寧に作り込まれた作品だと感じました。

 主人公たちの成長と心の葛藤、複数の思惑の絡み合った先を読ませぬ展開は「買い」です。ヒロイン含めた女性キャラがとても可愛らしく描かれていますので、バトルものに興味が無くても絵が綺麗な作品を読みたいという方にもおすすめですね。

もののがたりのあらすじ(ネタバレ注意)

 付喪神が存在する世界で、付喪神に兄と姉を奪われ復讐に燃える主人公、兵馬は付喪神を取り締まる塞眼という仕事についています。
 物語は兵馬の付喪神への復讐心を危うく思った祖父が、兵馬を6人の付喪神と共に暮らすぼたんという少女の元に送り込み、彼らが一緒に暮らすところから始まります

 実は兵馬はぼたんの婿候補として送り込まれたわけですが、それはそれ。

 付喪神を家族とし、心を通わせるぼたんが理解できず戸惑う兵馬。逆に人を信じきることのできないぼたん。二人は共に暮らしていく中で異なる考え方に触れ、少しずつ心を許し、成長していきます。

 そして次第に明かされていく兵馬の兄と姉を殺した付喪神、ぼたんの中に秘められた神の存在、それらを取り巻く塞眼の組織と付喪神側の思惑。

 今後どうなるのか、なかなか先が読めない作品。できることなら、伏線と設定をキレイに消化した上で結末へと向かって欲しいものです(打ち切られて駆け足で完結させられることがないよう祈っています)。


もののがたりの主な登場人物(ネタバレ注意)

岐 兵馬(くなと ひょうま)
主人公。21歳。塞眼と呼ばれる付喪神を取り締まる仕事をしている。
幼いころに兄と姉を唐傘の付喪神に殺され付喪神を憎んでいる。
「奥羽の鬼瓦」と呼ばれる強力な付喪神を討伐したことのある実力者。
御三家岐家の次期当主。
生真面目かつ非常に真っ直ぐな性格をして、基本的に迷うということがない

長月 ぼたん
京都の大学に通う20歳の少女。「婚礼丁度」と呼ばれる6人の付喪神と暮らしている。
神(マレビト)をその身に宿す「憑坐(よりまし)」と呼ばれる存在。
その特異な生い立ちから、人間を心から信じることができないでいる。
恋愛は怖い、的な発言をしつつも、あまりにも真っ直ぐな兵馬には比較的あっさり絆されている。
これまで恋愛ができなかった原因は、多分6人の小姑。

婚礼丁度
ぼたんに仕える6人の強力な付喪神。兵馬を婿に相応しいか見極めようとしている

①羽織(はおり)
羽織の付喪神。眼鏡をかけた女性で6人のまとめ役。
穏やかで冷静沈着な大人の女性で、兵馬に対しても「素直な良い子」と最初から好意的。

②匣(くしげ)
白髪の寡黙で屈強な初老の男性。
ぼたんに宿る神(マレビト)の封印役。

③鏡(かがみ)
幼女の姿をした鏡の付喪神。対象の過去を見抜く力を持つ。
天真爛漫な性格で、変化の術で大人の姿になることもできる。

④硯(すずり)
前髪で片眼が隠れた男性の姿をした硯の付喪神。
一見すると女好きのなよっとした男だが、怒らせると怖いタイプ。

⑤結(ゆう)
若い女性の姿をした簪の付喪神。
ぼたんを溺愛していて、婿を見る目は一番厳しい。

⑥薙(なぎ)
若い男性の姿をした刀の付喪神。乱暴だが真っ直ぐな性格。
早々に兵馬と激突するが、一番早くに和解する気持ちのいい男。

(しかし普通に考えると、キャラ強めの舅姑が6人か……ヒロインがぼたんじゃなかったら、ほとんどの男は逃げ出すでしょうね。いや、兵馬の前に実際に逃げ出した男が2人いたな)

門守 椿(かどもり つばき)
塞眼京都支部代表の娘。典型的なバトルジャンキーの美少女。
兵馬の兄と姉とは生前交流があり、2人を殺した付喪神を(戦う相手として)追っている。

八衢 菫(やちまた すみれ)
八衢家より送り込まれたぼたんの護衛の少女。
年若い少女だが、右目が傷でふさがれている。
御三家八衢家の当主の娘であり次期当主。
女版の兵馬とも言うべき少女で、兵馬の前例があったためあっさり受け入れられる。

辻 白百合(つじ しらゆり)
辻家より送り込まれたぼたんの護衛の少女。
全く戦いの気配がしない、たおやかな雰囲気の美少女。
御三家辻家の当主の曾孫であり次期当主。



もののがたりの感想と今後(最終回は? アニメ化はされる?)

 一言で言えば、クオリティの高い王道バトル漫画です。作画はもちろん、世界観やキャラクターなどがとても丁寧に描かれていて、読んでいる人を飽きさせません。最近ありがちな奇をてらった設定などはなく、単純に一つ一つに深みがある良作ですね。

 強いて難を挙げるなら、2014年から連載されていますが、連載スピードがゆっくりなため、2021年3月時点でまだコミックス12巻。このクオリティの作品を連載するとなるとやむを得ない部分はありますが、今後の展開が気になって仕方がないもどかしさは、読む前に覚悟した方が良いかもしれません。

 ただ、最近の展開的に最終回が近そうな気もしますが……続けることも終わらせることもできる、どっちにも転びそうな雰囲気ですね。

 非常に良い作品なのですが、今後アニメ化とか他のメディアへの展開は難しいだろうな、と感じています。

 もちろんアニメ化を希望する人は多く、そういった意味で可能性はあるのですが、輪郭線と白さが強調されたあの画風は、漫画だからこそ映えている部分もあり、単純に難しい

 アニメであの線を表現するとなると、相当力を入れて作らないと安っぽくなっちゃいそうなんですよね。

 漫画のクオリティが高いだけに、下手にアニメ化とかされると作品に傷がつきそうで嫌だなぁ……とか気の早い心配をしてみたり。

 アニメ化はして欲しいけど、安っぽいアニメは見たくない……悩ましいなぁ。

【追記】
 2021年11月発売のウルトラジャンプ12月号で重大発表が予定されているとの情報があり、ついに……?


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