リィンカーネーションの花弁、作中最強「項羽」~彼の本当の願い、ダルモンとの最期~

 今回は、マグコミで連載中の大人気漫画「リィンカーネーションの花弁」における最強キャラ「項羽」について紹介したいと思います。

 少年漫画、しかもバトルものとなると強さのインフレが激しく、『最強って言っても、すぐもっと強い奴が出てくるんでしょ?』と思われるかもしれませんが、この項羽、まごうことなき最強です。
 しかも強いだけでなく、人間としても非常に魅力的。だからこそ彼は、皆が認める最強の男なのです。

リィンカーネーションの花弁、作中最強「項羽」のプロフィール

 リィンカーネーションの花弁は、自らの首を切ることで前世の才能を得ることができる「輪廻の枝」によって、過去の偉人・罪人の才能(=異能力)を得た「廻り者」と呼ばれる者たちが繰り広げるバトル漫画です。

 その中で項羽は罪人格の才能を持つ廻り者を率いるトップ
 こう書くと悪の親玉か、という印象を持たれるかもしれませんが、彼は元々「偉人の杜(後に主人公も所属する)」という偉人格の才能を持つ廻り者の組織の初期メンバーだったのです。
 彼は前世が偉人であれ罪人であれ、廻り者を同じ同胞であると考え、共存することを望んでいました

 けれど仲間たちと意見が対立し、偉人の杜を脱退。そしてその時自分を助けてくれた罪人格の廻り者たちのための居場所、そして死に場所を作るため、かれは罪人格の廻り者たちを率いて主人公たちと戦うことになるのです。

 生きるための、そして死ぬための戦い……罪人格の廻り者たちの決意には、彼らをただの悪役だと思えない尊さがありますね


リィンカーネーションの花弁、項羽が持つ最強の才能「万象儀」

 作中で廻り者たちは特殊な才能(=異能力)を持っており、その内容は単純な武術の才能から超人的な頭脳、果ては空間転移や重力操作、不死身の肉体まで多岐にわたりますが、その中でも項羽の持つ才能はまさしく最強に相応しいものです。

万象儀
この世の万象を闘気で支配し、武器にする才能

 ん? ちょっと分かりにくいし、ただ武器にするだけって地味じゃない?
 いえいえ、この才能、実ははとんでもないチートなんです。項羽の身体から出る闘気(=黒い靄)で対象を覆うことで、その対象を文字通り完全に支配し、操ることができます
 作中ではそれを応用して岩をゴーレムのように操ったり、空間転移までしていましたから、その応用力はとてつもないものです。

 その全開出力は不明ですが、作中では「黒死無争」という結界、ブラックホールを作る技さえ使用していましたから、項羽がその気になれば世界を滅ぼすことさえたやすいのかもしれませんね。

 ただし、この才能にも一つだけ欠点があり、「武器にする」才能であるため、使った後は必ず誰かを「傷つける」必要があります。これをもって、項羽は自身のことを「誰かを傷つけないと何もできない奴」と評しており、この辺りが項羽がただの最強ではない魅力的なキャラクターであるゆえんなのでしょうね。


リィンカーネーションの花弁、項羽の最期、ダルモンと共に死亡(ネタバレ注意)

 さて、最強である項羽も、実はコミック第7巻で死亡しています。
 「最強なのに何で?」と思われるかもしれませんが、項羽は自分の力で全てを解決することを望んでいなかったのだろう、というのが私の感想です。

 項羽は死の直前、主人公に「万象儀」を引き継がないかと持ち掛けます。けれど主人公はこれを拒否。項羽の「万象儀」で全てを支配すれば今起こっている問題は全て解決するかもしれないけれど、それは項羽が選ばなかった道だ、と。

 項羽は最期の時をダルモンという「暗殺天使」の才能を持つ仲間の少女と共に迎えます。ダルモンの才能は「自分の命と引き換えに対象者を確実に殺めることができる」「対象者を選ぶまでどんな手段であっても傷つくことがない」というもの。つまり、誰かを殺さない限り死ねない才能でもあるんですね。
 ダルモンは瀕死の項羽を対象に選び、共に最期の時を迎えます。罪人の才能に翻弄された者たちの最期、ぜひご一読を。


コメント

タイトルとURLをコピーしました