文豪ストレイドッグス「天人五衰」~特一級の危険異能犯罪者で構成されたテロ組織、そのメンバーと目的は?~

 今回は大人気漫画「文豪ストレイドッグス」から、「国家消滅」を理想として掲げたテロ組織「天人五衰(てんにんのごすい)」について解説します。

 天人五衰とは特一級の危険異能犯罪者で構成されたテロ組織。

 作中では武装探偵社を自分たちの目的を阻む最大の障害と認識し、探偵社と真っ向から対立しています。

 登場当初はその全容が謎に包まれていた天人五衰。

 本記事では彼らの概要とメンバー、その真の目的を中心に解説してまいります。

文豪ストレイドッグス「天人五衰」とは?

特一級の危険異能犯罪者で構成されたテロ組織

 「天人五衰」とは五人の特一級の危険異能犯罪者で構成されたテロ組織にして殺人結社。

 「国家消滅」を目的として掲げ世界各地で暗躍していましたが、当初その全容は謎に包まれていました。

 作中では武装探偵社を自分たちが目的を果たす上で最大の障害として認識。

 構成員の一人・ゴーゴリの奇術と書いた内容が現実になる「白紙の本」の「頁」により、武装探偵社こそがテロ組織「天人五衰」であると世間に信じさせ、探偵社を陥れることに成功します。

 「頁」の現実改変能力によって世界中の捜査機関が「武装探偵社」がテロ組織「天人五衰」であると信じ込み、彼らを追い立てる中、本物の「天人五衰」は着々と自分たちの計画を進行させていくことになるのですが……

仏教用語としての「天人五衰」

 「天人五衰」の組織名の由来は仏教用語。

 これは元々仏道における六道(魂が輪廻転生する6つの世界)の最高位・天界に住まう天人に、死の間際に現れる5つの兆しのことを表わす言葉です。

①衣裳垢膩(えしょうこうじ)……衣服に埃と垢が染み出す
②頭上華萎(ずじょうかい)……頭の華鬘が枯れる
③身体臭穢(しんたいしゅうわい)……身体が汚れて臭い出す
④腋下汗出(えきげかんしゅつ)……脇の下から汗が出る
⑤不楽本座(ふらくほんざ)……自分の席に戻るのを嫌がり楽しみが味わえなくなる

 作中では現在の世界を天道になぞらえ、自分たちを「天人の世の終焉を告げる五指」と自称していました。


文豪ストレイドッグス「天人五衰」のメンバー

神威

 天人五衰のリーダー「神威」。

 彼は非常に用心深く、当初は仲間たちの前でも常に顔を隠していました。

 魔人ドストエフスキーすら従えるほどのカリスマを持ち、「凡ての黒幕」とまで称された怪物。

 謎に包まれてたその正体は、江戸川乱歩の超推理により暴かれます。

 その名は福地桜痴

 かつて世界中の危機を救った英雄であり、軍警最強の特殊部隊<猟犬>のリーダー。

 武装探偵社社長・福沢諭吉と旧知の友であった人物です。

フョードル・ドストエフスキー

 魔人ドストエフスキー

 「天人五衰」の名が登場する以前から幾度も作中に登場し、武装探偵社を苦しめてきた危険人物です。

 魔人の異名を持つ超人的で悪辣な頭脳の持ち主で、その才覚は太宰治と互角。

 互いに似た者同士と認識するドストエフスキーと太宰は、物語の裏で熾烈な暗闘を繰り広げています。

 天人五衰の中でも未だその真意が見えない人物で、彼が何故神威に従っているのかは不明。

 本人曰く「異能力(=罪)のない世界の実現を目指している」とのことですが……

ゴーゴリ

 道化師ゴーゴリ

 その二つ名の通り白いシルクハットとマントを身に纏った道化のような恰好をしています。

 天人五衰の目的を邪悪と理解しながら、道徳や感情といった洗脳から抜け出し「自由」でありたいという独特の死生観に基づき、敢えて天人五衰に加入しました。

 唯一自分を理解してくれたドストエフスキーを「ドス君」と呼び、親友と認識しています。

 本来であれば武装探偵社を陥れた際に死ぬ予定でしたが、親友であるドストエフスキーを殺せば自分は真に感情という洗脳から自由だと証明できると考え、死ぬのを取りやめ。

 天人五衰の目的関係なしにドストエフスキーを殺そうと暗躍しています。

シグマ

 天空カジノの支配人シグマ

 実在する文豪がモデルとなり異能者として登場するこの「文豪ストレイドッグス」において、異能者でありながら元ネタとなった文豪が明らかとなっていないキャラクターです。

 その正体は「白紙の本」によってゼロから生み出された人間。

 名前もなく、シグマというのもただの呼び名に過ぎません。

 行き場もなく彷徨っていたところをドストエフスキーに拾われ、天人五衰に加入しました。

 異能力以外は凡人、中々にかわいそうな苦労人。

 元ネタとなった文豪の有無も含め、その正体には未だ疑惑の残る人物です。

ブラム・ストカー

 「不死公主」の異名を持つ吸血種ブラム・ストーカー

 かつて「人類を滅ぼす十の厄災」の一つにも数えられた怪物ですが、8年前に福地に討伐され、聖剣ソルズレヴニによって封印されています。

 天人五衰のメンバーに数えられてはいますが、その実態は他人を吸血種にして操る異能を福地に利用されているだけの道具。

 ブラム本人に世界を害する意思はありません。

 かつて厄災と扱われていた際も本人にその自覚は無く、何か誤解があったようですね。


文豪ストレイドッグス「天人五衰」の目的とは?

彼らが掲げる「国家消滅」とは?

 天人五衰が掲げる理想「国家消滅」とは如何なるものか。

 それは「国家を滅ぼす」ことではなく、「国家という枠組みを消滅」させること。

 リーダーである神威・福地桜痴はかつて戦場で戦争の悲惨さと恐ろしさを思い知りました。

 そして戦争を引き起こすのは国家であると考えた彼は、この世から全ての国家を消し去ろうと動き出したのです。

 しかし国家を消し去ると言っても、それは単純に武力によって成し遂げられるものではありません。

 書いたことが現実になる「白紙の本」であっても、書いた内容に整合性がなければならないという制約があるため、国家を消滅させることは不可能です。

 福地は武装探偵社に濡れ衣を着せ、ブラムの異能を用いて無差別異能テロを敢行。

 世界の危機感を煽り、自らが人類軍のトップとして君臨した上で、「部下が必ず命令通り動く」力を持つ異能兵器<大指令(ワンオーダー)>を国連から預かり、それにより世界を支配しようとしたのです。

メンバーの目的は実はバラバラ

 表向きリーダー神威の意思によって動いている天人五衰ですが、実はメンバーの目的は全くのバラバラです。

ドストエフスキー
表向きは神威に忠実な手駒。
ただ、こいつが神威の目的に共感する理由が不明。

ゴーゴリ
道徳や感情から自由になりたくてテロ組織に加入。
今は親友(ドス君)殺しに夢中。

シグマ
居場所がないので仕方なく。
自分の家である天空カジノを守りたい。

ブラム
聖剣ぶっ刺されて無理矢理操られてるだけ。
神威とかマジで嫌い。

 ゴーゴリ、シグマはもう天人五衰関係なしに動いてますし、ブラムに至ってはそもそも敵対的。

 唯一、忠実そうなドストエフスキーも、本当に神威と同じ目的のために動いているのか、彼のキャラクターを考えれば怪しい所です(最後に裏切りそう)。

 既に「天人五衰」という組織は瓦解し、メンバーそれぞれが自分たちの目的に沿って動いているだけ、という印象ですね。

【まとめ】文豪ストレイドッグスキャラクター一覧



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