今回はワールドトリガーから、この物語の根幹をなす「トリガー技術」の動力源「トリオン」について解説します。
トリオンとはトリガーを起動させるための生体エネルギー。
このトリオンを生み出す能力こそがボーダー隊員やネイバーが戦う上では最も重要視され、その優劣がトリガー(武器)の出力を左右します。
しかしこのトリオンに関しては、関連する用語が輻輳しており、やや分かりにくい部分も。
本記事では、そもそもトリオンとは何か、その平均値や後天的な増加、具体的な戦闘への影響について解説してまいります。
ワールドトリガー「トリオン」とは?
「トリガー」を起動させるための生体エネルギー
トリオンとはボーダー及びネイバー世界の根幹技術「トリガー」を起動させるための生体エネルギー。
この「トリガー」は狭義では武器・兵器として用いられていますが、ネイバー世界では広く生活全般に用いられており、欠くことのできない存在となっています。
トリオンは人間であれば誰でも持っているエネルギーですが、その生成能力(=トリオン能力)には個人差が存在。
その優劣がトリガーの出力などに直結するため、ボーダーもネイバーも優秀なトリオン能力の持ち主を確保しようと躍起になっています。
なお、トリオンの存在は地球では一般には秘匿されており、ボーダー内でもB級以上の正隊員にしか知らされていません。
トリオン器官とは
トリオン器官とは人間であれば誰しも持っている、トリオンを生み出す見えない臓器。
心臓の隣に位置しているそうです。
ネイバー(近界民)が人間を捕獲した際、トリオン能力が高い人間はそのまま連れ去られますが、低い人間はトリオン器官だけが抜き取られ、持ち去られることに。
トリオン器官を抜き取られた人間は死亡してしまいます。
トリオン体とは
トリオンで構成された仮の肉体で、主に戦闘に用いられることから戦闘体と呼ばれることもあります。
普段はトリガーホルダーの中に格納されており、トリガーを起動させることで生身からトリオン体へと換装されます。
トリオン体になると身体能力が大幅に強化され、トリオン以外の攻撃ではほとんどダメージを受けることがなくなります(トリオン兵に通常兵器が効かないのはこのため)。
なお、このトリオン体の強度や身体能力に、トリオン能力の優劣は影響しません。
トリオン体は生身で起こる生理現象はほぼ再現されていますが、酸素消費が少ないため息切れは起こりにくく、消化効率が良いため生身より食事回数が少なくて済みます(太りやすい)。
また痛覚の有無は自由に設定でき、通常はごく僅かに痛みを感じる様に設定されているそうです。
トリオン体の外見は自由に設定できますが、あまり生身とかけ離れた姿にすると動きに支障がでるため、せいぜいが髪型を変えたり、バストサイズをアップさせたりする程度の変更です。
トリオン体が破壊された場合、生身の肉体に戻ることになります(ボーダー正隊員のトリガーは緊急脱出機能が付いているため、基地に肉体が転送される)。
一度破壊されたトリオン体は時間をかけてトリオンを回復させ作り直す必要があり、すぐには復帰できません(トリオン体の損傷をこれ以外の方法で修復することは”普通は”できない→例外)。
トリオン量が多い人間ほど復帰までには時間がかかり、最低ランクの人間でも1~2時間程度はかかるそうです。
なお、トリオン体には伝達脳とトリオン供給器官と呼ばれる急所があり、これを破壊されるとトリオン体は崩壊してしまいます。
トリオン能力とは(量・質)
トリオン能力とはトリオン量とも表現され、一般的にトリオン器官から生み出されるエネルギーの多寡によって優劣が決まります。
トリオンは「トリガー」を動かすエネルギーですから、エネルギー量が多いほど優れているのは当然ですよね。
また「量」以外にも作中ではトリオンの「質」という概念が登場しています。
この「質」という概念はアフトクラトルのトリガーホーンという技術について語られる際に触れられており、曰く「トリガーホーンは埋め込まれた人間のトリオン量だけでなく質も変化させる」のだとか。
トリオンの「質」がどういったものかは詳しく言及されていませんが、前後の文脈などから推察するに、恐らくトリオンの制御能力に関する概念と考えられます。
ワールドトリガー「トリオン量」の平均値は?
ボーダーでは、隊員の各能力を数値で評価しており、トリオン能力に関してもデータが存在しています。
その評価値の上位を並べてみると(ブラックトリガー使いは除く)、
順位 | 名前 | トリオン |
1 | 雨取千佳 | 38 |
2 | ヒュース | 18 |
3 | 二宮匡貴 | 14 |
4 | 出水公平 | 12 |
5 | 木崎レイジ | 11 |
6 | 北添、加古etc | 9 |
1位はモンスター、2位は強化人間ですから別格として、一般的にトリオン量の評価は「10」を超えればトップクラス。
判明している隊員たちのトリオン量のボリュームゾーンを見ると、平均は概ね「5~7」程度。
少ない隊員で「4」程度となっています。
ただ、データが判明している隊員たちの大半はB級中位以上の優秀な正隊員で、ボーダーには彼ら以外にも多数の隊員たちが存在しています。
トリオン量「4」の木虎藍が「自分は平均」と発言していたことを考えると、ボーダー全体でのトリオン量の平均値は「4~6」程度でしょう。
ちなみに昔の木虎は今よりトリオン量が少なかったらしいこと、そしてトリオン量「2」の三雲修が試験に落とされていることから、ボーダーで戦闘員として採用されるラインは「3」と考えられます。
ワールドトリガー「トリオン量」は増える?
トリオン能力(トリオン器官)は筋肉のように、使うことである程度鍛えることが可能です。
ただ年齢が若い内しか成長は見込めないため、ボーダーでは若い隊員たちを優先的に採用しています。
ただ、隊員たちの入隊年数とトリオン量にあまり相関関係がないことを考えれば、訓練によってトリオン量を増やすのには限界がある模様。
トリオン能力は筋肉や運動神経以上に先天的な要素が大きいと考えられます。
だからこそボーダーでは、トリオン量の多寡で入隊可否をきっちり線引きしているのでしょう。
ワールドトリガー「トリオン量」は戦闘にどう影響する?
「トリオン量」と「攻撃力」は比例しない?
BBF(ファンブック)などで公開されているボーダー隊員たちのパラメーターを見ていると「トリオン量」が戦闘にどう影響するのか、少しわかりにくい部分があります。
公開されているパラメーターは次の8種類。
・トリオン
・攻撃
・防御・援護
・機動
・技術
・射程
・指揮
・特殊戦術
この中で特に分かりにくいのが「トリオン」と「攻撃」の項目です。
わざわざ「トリオン」と「攻撃」の項目を分けているのであれば、普通に考えれば「トリオン」の値は「MP」的な項目で、「攻撃」の値は予めトリオン量の要素を加味した値となっているはず。
しかし射手(シューター)の二宮さんと出水を比べると、
二宮:トリオン14、攻撃12
出水:トリオン12、攻撃8
と、同じトリオンの弾丸をぶつけるポジションにも関わらず、トリオン量以上に攻撃力に差があります。
多少タイプに差があるとはいえ、出水の「攻撃力」が二宮さんの2/3しかない、というのは少し違和感がありますよね。
実はパラメーターの「攻撃」の値はイコール現実の攻撃力というわけではありません。
「攻撃」の値は攻撃スタイルや戦闘技術など「トリオン」以外の要素を表わす値。
実際の攻撃力(威力)は「トリオン」と「攻撃」両方の値を参照して算出されます(「実際」と言いつつ「ゲーム的」な表現なのはご容赦ください)。
ポジションによって「トリオン量」の影響は異なる
ではなぜわざわざ「攻撃」の評価を一本化せず「トリオン」と「攻撃」の二つに分けているのか。
それはポジション、攻撃方法によって「トリオン量」の影響が異なるからだと考えられます。
例えばトリオンの弾丸をぶつける射手・銃手は「トリオン量」の影響を最も大きく受けるポジションです。
逆にトリオンでブレードを生成して戦う近接手(アタッカー)は「トリオン量」の影響をあまり受けません。
もちろん「トリオン量」が多ければブレードの強度は増すでしょうが、ブレードの攻撃力を大きく左右するのは、むしろそれを振るう使い手の技量です。
つまり、弾丸トリガーとブレードトリガーとでは参照パラメーターが違うのです。
・弾丸トリガー 「トリオン:影響大」「攻撃:影響小」
・ブレードトリガー「トリオン:影響小」「攻撃:影響大」
隊員たちの中には万能手(オールラウンダー)として弾丸・ブレード、両方のトリガーを使う者も存在しますから、彼らの戦闘能力をより正確に評価するため「トリオン」と「攻撃」の値を分けているものと考えられます。
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