ワールドトリガー「アフトクラトル」~「神の国」と呼ばれる近界最大級の軍事国家、その目的、侵攻メンバー、保有トリガーなど~

 今回は大人気漫画「ワールドトリガー」より、「神の国」と呼ばれる本作最大の敵対勢力「アフトクラトル」について解説します。

 アフトクラトルは玄界(地球)に侵攻してくる敵対勢力・近界(ネイバー)の中でも最大級の勢力を誇る軍事国家。
 作中では舞台となる三門市に大規模侵攻をしかけ、多大な被害をもたらしました。

 本記事では、今後遠征の目的地にもなっているアフトクラトルの内情や戦力、侵攻の目的などを中心に改めて整理してみたいと思います。

ワールドトリガー「アフトクラトル」の基本情報

「神の国」と呼ばれる近界最大級の軍事国家

 アフトクラトルとは「神の国」と呼ばれる近界最大級の勢力を誇る惑星国家。

 その呼び名の由来は「神」と呼ばれる強力なトリオン能力者を「母(マザー)トリガー」の生贄に捧げ、巨大な星を構築していることにあります。

 近界の国家は星そのものを「母トリガー」によって構築・維持しており、その星の大きさ(「母トリガーの出力)はそのまま国家の勢力に比例します。

 アフトクラトルは「神」の質が高いため、広大な領土と高い戦力を保持できているというわけですね。

アフトクラトルを支配する四大領主

 アフトクラトルの実権を握っているのは四大領主と呼ばれる四つの大きな家です。

 彼らは一種の貴族社会で、領主の家の下に配下の家があり、さらにその下にまたその配下、という階層構造になっています。

 各領主は普段は国家内で縄張りを主張し、互いに対立しており、彼らが手を組むのは他の国家と戦争をする時ぐらい。

 また、四大領主の中でも「神」を見つけ出した家は、その功績によって「神」が「母トリガー」を維持している間は特に強い権力を主張できるそうです。

保有する戦力(ブラックトリガー・強化トリガー・角(ホーン)・トリオン兵など)

 アフトクラトルが保有する戦力は圧倒的です。

 まず何より凄まじいのが、戦況を単騎で覆す性能を持つブラックトリガー(黒トリガー)を13本も保有していること(7年以上前の情報なのでさらに増えている可能性あり)。

 さらにブラックトリガーに匹敵する最新鋭の強化トリガー使いの存在も確認されています。

 アフトクラトルのトリガー使いは角(トリガーホーン)と呼ばれるトリオン受容体を頭部に埋め込むことで、後天的にトリオン能力の高い人間を生み出すことに成功しており、そうした精鋭たちとブラックトリガー、最新鋭の強化トリガーの組み合わせは驚異の一言です。

 また、トリガー使いだけでなく、保有するトリオン兵の量・質ともに高く、特にトリガー使いの捕獲を目的とした新型トリオン兵「ラービット」は、使い捨ての兵器でありながらA級隊員でも一対一では敗北しかねないほどの性能を有してます。

従属する国家(ガロプラ・ロドクルーンなど)

 軍事国家であり近界に大きな影響力を持つアフトクラトルは、多数の近界国家を侵略・属国化して支配しています。

 具体的に名前が出てきたのがガロプラとロドクルーンの2か国で、作中では実際にガロプラがアフトクラトルの命令で玄界(地球)に攻め入ってきました(ロドクルーンはトリオン兵のみ供出して侵攻には不参加)。

 ガロプラは必ずしも侵攻に積極的ではありませんでしたが、その力関係からアフトクラトルの命令には逆らうことができません。

 元々ガロプラはアフトクラトルに侵略された側ということもあって、表向きはともかく感情的には強い反発心を抱いているようです。


ワールドトリガー「アフトクラトル」による大規模侵攻

大規模侵攻の概要(アフトクラトル編・何話から何話)

 アフトクラトルによる大規模侵攻はコミックス6巻の44話からコミックス10巻の81話に渡って描かれています。

 ただし、この侵攻に先立っては事前に多数のトリオン兵が尖兵として送り込まれ、綿密な調査が行われており、実質的な侵攻作戦は「ワールドトリガー」開始当初から描かれていたとも言えるでしょう。

 大規模侵攻におけるアフトクラトル側の戦力は、4年半前に起こった第一次近界侵攻(1200名以上の死者、400名以上の行方不明者が発生)の8倍以上。

 投入されたトリオン兵の量・質も凄まじいものがありましたが、それ以上に脅威だったのは6名の人型近界民(ネイバー)の存在です。

 通常、ブラックトリガーは失うことのできない貴重な戦力のため本国の守りに使われることが多く、遠征(侵攻)に投入されるブラックトリガー使いは多くて1人。

 しかしこの大規模侵攻には何と、4名ものブラックトリガー使いが参加していたのです。

 最終的にボーダーはアフトクラトルの撃退そのものには成功しますが、民間人には重傷者22名、軽傷者68名の被害が発生。

 そしてボーダーにも死者6名(全て通信室オペレーター)、重傷者4名、行方不明者32名(全て訓練生であるC級隊員)+1体(レプリカ先生)の被害が発生しています。

侵攻に参加したアフトクラトル側のメンバー(戦力・キャラクター)

 侵攻に参加した6名のアフトクラトルの人型近界民(ネイバー)は次の通りです。

ハイレイン(ブラックトリガー「卵の冠(アレクトール)」)
侵攻計画のリーダーでアフトクラトルの四大領主の一人。

ミラ(ブラックトリガー「窓の影(スピラスキア)」)
ハイレインの補佐官の女性でワープ能力を持つブラックトリガーを使う。

ヴィザ(ブラックトリガー「星の杖(オルガノン)」)
老齢ながら剣聖と呼ばれる達人で、国宝とされるブラックトリガーを使う作中最強候補。

エネドラ(ブラックトリガー「泥の王(ボルボロス)」)
自身の肉体を液体・気体に変化させるブラックトリガー使いで、粗暴な性格の問題児。

ランバネイン(強化トリガー「雷の羽(ケリードーン)」)
ハイレインの弟で高速飛行と大威力の砲撃を使いこなす。

ヒュース(強化トリガー「蝶の楯(ランビリス)」)
ハイレイン直属のエリン家に使える若き忠士で磁力と斥力を操るトリガー使い。

 どいつもこいつも化け物のような使い手ばかりですが、特にやばいのがブラックトリガーが自己回復能力を持つハイレインと、最強おじいちゃんことヴィザの存在。

 この6名に加えてA級隊員でも一対一では厳しい(太刀川とかA級でもトップクラスの変態は除く)新型トリオン兵「ラービット」が多数投入されていたのですから、本当によく撃退できたものです。


ワールドトリガー「アフトクラトル」の目的とは?

大規模侵攻の表向きの目的と真の目的

 さて、これほど凄まじい戦力を投入したアフトクラトルの目的はどこにあったのか。

 その背景にはアフトクラトルの「母トリガー」を維持する「神(強大なトリオン能力者の生贄)」の寿命が尽きようとしていることがありました。

 アフトクラトルは「母トリガー」がなければ星そのものを維持できなくなってしまうのですから、一刻も早く新たな「神」を探す必要があります。

 しかし、アフトクラトルほど強大な国家を維持するには、生半可なトリオン能力者では「神」として足りず、その資格を持った強大なトリオン能力者(通称「金の雛鳥」)でなくてはなりません。
 そして「金の雛鳥」を探すためになりふり構わず大戦力で様々な国を侵略している、というのが大規模侵攻の表向きの目的だったわけです。

 もちろん実際に「金の雛鳥」が見つかればそれに越したことはなかったでしょうが、リーダーであるハイレインは、それほど強大なトリオン能力者が都合よく見つかるとは期待していませんでした

 その為、「金の雛鳥」が見つからなかった場合は次善策として配下の家の中から一番強力なトリオン能力者を「神」として生贄に捧げることを決めていたのです。

 「神」の候補者はエリン家の当主。

 その場合、最も邪魔になってくるのがエリン家に忠誠を誓うヒュースの存在です。

 つまりハイレインの真の目的は、侵攻計画に乗じてヒュースを排除することにこそあったのです(運よく「金の雛鳥」が見つかって排除せずに済めばそれでも良し)。

 実際、ハイレインの目論見通りヒュースは玄界(地球)に取り残される形で排除されました。

 ちなみに、問題児過ぎて邪魔なので、ついでに上手くいったら処分しようと思われていたエネドラという憐れな男もいましたが、こっちはあくまでおまけでしょうね。

属国のガロプラに再侵攻を命じた目的

 アフトクラトル、というかハイレインは自分たちの侵攻直後、属国であるガロプラに玄界(地球)への再侵攻を命じています。

 その目的は、ボーダーが連れ去られた人たちを取り戻そうと追ってくるのを妨害すること。

 通常であればわざわざ本拠地にトリオン能力者がやってきてくれるのですから、逆に捕獲して利用すればいいと考えるでしょう。

 しかし現在のアフトクラトルは次代の「神」選びで内部がゴタゴタしているため、外部の相手をする余力がありません。

 そのため、ハイレインは属国を差し向けてボーダーの遠征を妨害するよう命じました。

 アフトクラトルの侵攻を退けたボーダー相手に属国では役者不足とも思えるでしょうが、本拠地を攻められている中では大規模な遠征計画など実施しにくいもの。

 妨害勢力がいるという事実だけで十分なんです。

 また、あわよくば玄界(地球)の恨みがアフトクラトルではなくガロプラに向けばいいとも考えていたでしょうね。

 本当に狡猾というか手堅いというか、陰湿というか……



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