今回は「週刊少年サンデー」で連載中の大人気ファンタジー「葬送のフリーレン」から、老獪さと情熱、人望を兼ね備えた老魔法使い「デンケン」について解説します。
デンケンはフリーレンとフェルンが参加した一級魔法使い試験の受験者として登場したご老体。
血みどろの権力闘争を勝ち抜いた宮廷魔法使いであり、受験者の中でもトップクラスの実力者です。
その後の「黄金郷のマハト」編ではマハトとの因縁や亡き妻との過去でも注目を浴びたデンケン。
本記事ではそんなパーフェクトおじいちゃんのプロフィールや強さ、作中での活躍を解説してまいります。
「葬送のフリーレン」デンケンのプロフィール
基本プロフィール(声優など)
デンケンはフリーレンとフェルンが参加した一級魔法使い試験の受験生として登場した老魔法使いです。
年齢は勇者ヒンメルの死後30年時点で78歳。
単眼鏡と豊かな髭が特徴の小柄なご老体で、一見するとドワーフにも見えますがれっきとした人間です。
初登場時点(第37話)では二級魔法使いでしたが、既に血みどろの権力闘争を勝ち抜き宮廷魔法使いの座についていた有名人(宮廷での序列と大陸魔法協会の等級は無関係)。
一級魔法使いとも遜色ない実力者として注目を集めていました。
権力者ではあるものの、元軍属の叩き上げで、根はむしろ誠実で実直。
冷静沈着で協調性を重んじ、高い洞察力と判断力を併せ持つ一方、いざとなれば素手で泥臭く殴り合うことも躊躇わない熱い御仁です。
名前の由来はドイツ語で「考える」。
声優は鈴代紗弓さんが担当。
面倒見の良いおじいちゃん
20代半ばで妻を亡くして子供もおらず(詳細は後述)、その反動か若者の面倒を見るのが大好き。
一緒に一次試験を受けたラオフェンを孫のように甘やかしたりリヒターを食事に誘ったりと、試験外でも交流を持っていました。
実はフリーレンに憧れて魔法使いを志した過去の持ち主であり、魔法に対するスタンスや思考が彼女と似通っています。
また1級魔法使い筆頭のレルネンはかつてデンケンと共に宮廷に勤めていたことがあり、デンケンの同期で友人でした。
「葬送のフリーレン」デンケンと一級魔法使い試験
魔法使いとして権力の頂点を極め、一級魔法使いと遜色ない実力者でもあったデンケンですが、彼は一級魔法使いの称号に何ら魅力を感じず、これまで試験を受けずに二級魔法使いに留まっていました。
元々一級だの二級だのと言うのは大陸魔法協会が比較的最近になって定めた等級。
宮廷勤めのデンケンには必須のものでもありませんでした。
そんな彼が改めて試験を受けたのは、北部高原にある故郷に帰り、妻の墓参りをするため。
現在の北部高原は魔族の残党が暴れまわる危険地帯で、立ち入るには一級魔法使いの同行が必要とされています。
しかもデンケンの故郷は七崩賢「黄金郷のマハト」によって黄金に変えられた城塞都市ヴァイゼ。
ヴァイゼは現在マハトごと大結界で封印されており、一級魔法使いでなくては立ち入ることができない地となっていたのです。
一級魔法使い試験では一次試験でフリーレンと対決して敗れ、魔力も尽きて失格を待つばかりの状態でしたが、土壇場で失格者から合格条件の「隕鉄鳥」を殴り合いの末、奪い取るという荒業で何とか突破。
続く二次試験もフリーレンらとの協力で突破し、ゼーリエの最終面接でもその戦意を認められ、見事一級魔法使い試験に合格しています。
「葬送のフリーレン」デンケンと妻(過去)
デンケンの妻は城塞都市ヴァイゼの領主グリュックの娘、名をレクテューレと言います。
幼い頃に家族を魔族に殺されたデンケンは親戚であるグリュックの下で育てられ、レクテューレは彼にとって幼馴染でもありました。
しかし妻レクテューレは生まれつき身体が弱く、治療をするには金と権力が必要。
そう考えたデンケンは故郷を離れて軍属となり、妻を救うため奮闘しました。
ですがデンケンが軍人として出世した叙勲式の晩、彼の下に妻レクテューレの訃報が届けられます。
妻を救う金と権力を手に入れ全てが報われたと思っていた彼は、結局妻の死に目に立ち会うことさえできなかったのです。
しかも妻の死後ほどなくして、大魔法使いゼーリエが一級魔法使いになったものには望むあらゆる魔法を授けるという特権を携えて大陸魔法協会を設立。
もし妻が死ぬ前にその特権があれば……
無力感に苛まれたデンケンは、ずっと故郷に帰ることさえできずにいました。
「葬送のフリーレン」デンケンの強さ
デンケンはフリーレンのような規格外には及ばないものの、作中でもトップクラスの実力を持つ魔法使いです。
魔法使いとしての知識、実力、洞察力においては現時点でフェルン以上。
宮廷魔法使いとして獲得した老獪さと人心掌握能力をも併せ持ち、バランス・安定感で言えばフリーレンをも凌ぐかもしれません。
魔法使いとしての戦闘スタイルは、多彩な攻撃魔法で相手の魔力切れを狙う古い世代の戦い方。
特に得意な魔法というものはなく、作中では竜巻、業火、光の矢と実に多種多彩な魔法を使いこなしています。
また、一級魔法使いの特権としてゼーリエからは呪い返しの魔法(ミステイルジーラ)を獲得。
呪い返しの魔法(ミステイルジーラ)
呪いとは人類が未だ原理を理解できない魔族の魔法。
この呪い返しの魔法は呪いと認識したものをただただ自動的に跳ね返す。
人類には防御も回避も困難な魔法に対する数少ない対抗策ですが、習得には少なくとも百年を要する神話の時代の魔法。
デンケンはこれを「黄金郷のマハト」が使う「万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)」への切り札として手に入れていました。
「葬送のフリーレン」デンケンVS黄金郷のマハト
デンケンは黄金化した故郷のヴァイゼを元に戻すため、黄金郷のマハトと対決します。
マハトはかつてヴァイゼの領主グリュックに仕えており、デンケンにとっては魔法使いとしての師匠でもあります。
本来であれば圧倒的な格上であるマハト相手に、弟子としてマハトの戦い方を熟知し、呪い返しの魔法(ミステイルジーラ)を準備していたデンケンは善戦。
しかし無名の大魔族・ソリテールの乱入もあり、一度は敗れ黄金化されてしまいます。
その後、フリーレンにより黄金化を解除され、マハトに再戦を挑むデンケン。
致命傷を負いながらもマハトの一瞬の隙を突き、切り札として隠していた高圧縮のゾルトラーク(人を殺す魔法)を放ち、マハトと相打ちに持ち込みました。
その後マハトに止めを刺したデンケンは治療を受けて生き延び、ヴァイゼは黄金化から解放されることに。
ラストでは妻レクテューレの墓前で「俺は最後まで、醜く足掻いたぞ」と穏やかに報告するデンケンの姿が描かれていました。
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