今回は「マンガワン」で連載中のドラゴンとのゆるゆる同居ファンタジー「ドラゴン養ってください」について解説します。
この作品は異世界からやってきたドラゴンが、”一竜前”になるまで自分を「養ってほしい」と平凡な大学生のアパートに居候する日常系ファンタジー。
ドラゴンだけどそんなに凄くなく、かといってそんなに駄目でもない中途半端なドラゴンが、修行もそこそこに現代日本ライフを満喫していきます。
本記事では「ドラゴン養ってください」のあらすじや主な登場人物の解説を踏まえ、その魅力を語ってまいります。
「ドラゴン養ってください」あらすじ
昨今のモンスターが人化する風潮に異を唱える、ファンタジーに少しうるさい男子大学生・村上は、ある日公園で、
「養なってください(※)」
と書かれたスケブを持って立つドラゴンに遭遇します。
(※)送り仮名が多い上に原作では漢字も間違っている。
ドラゴンの名はイルセラ。
自分がこことは違う世界からやってきたドラゴンだと言います。
実はイルセラはドラゴンが”一竜前”として認められるための試験に落ちてしまい、怒った両親に魔力の無い世界で己を鍛えろと放り出されてしまったのだとか(※)。
(※)イルセラは試験に落ちたのは惜しくも紙一重で、しかも両親に言われるまでもなく自ら進んでこの世界に来たのだと主張。
しかしドラゴンも知らない世界では不自由だらけで修行どころではありません。
なので自分を養ってくれる人間を探して(パニックにならないよう人気の少ない公園に)立っていたのです。
当初は得体の知れない生き物と同居は無理と断った村上ですが、その後イルセラに救われ、元々ファンタジー好きだったこともあり、成り行きでイルセラとの同居を開始。
周囲にイルセラの存在がバレそうになったり(一応パニックになるので隠してはいる)、小さなトラブルこそありますがイルセラは意外な適応力を見せ同居生活は案外順調。
イルセラがおにぎり屋でバイトを始めたり、商店街の人たちと関わるようになったり、村上の同級生にイルセラの存在がバレたりと、徐々に彼らの周囲は騒がしくなっていくのでした。
「ドラゴン養ってください」主な登場人物
村上
本作の主人公の一人で安アパートで独り暮らしをする平凡な大学生。
女子に免疫の無いタイプで、ファンタジー好き。
昨今のモンスターが安易に女体化する風潮に異を唱えている。
小型化したイルセラ(もちろんドラゴン)がドストライクらしく、イルセラは彼の視線に危ないものを感じていた。
大学では映画サークルに入っており、撮影なども普通にこなせる模様。
イルセラ
本作のもう一人の主人公で異世界からやってきたドラゴン。
見た目は純白の神々しいドラゴンで、声や喋り方からすると恐らくメス。
無駄にプライドが高く本人は認めていないが、どうやらドラゴンの間では自堕落な劣等生だったらしく、”一竜前”になるための試験に落ち、修行のために両親に人間界に送り出されたらしい。
ドラゴンなので基礎スペックは高いが、変化は苦手でサイズ変化も長い時間は持たず、人化もできない。
また空は飛べるが高いところが苦手。
こちらの世界で初めて食べた”おにぎり”がお気に入りで、おにぎり屋でバイトを始める。
サキ(おにぎり屋のおばあちゃん)
近所の商店街でおにぎり屋を営むおばあちゃん、
ノリも勢いも良くしっかりしているが、老眼のためイルセラを見ても「ちょっと太った全身白塗り素っ裸のやたら首が長い」人間だと認識し、バイトとして受け入れてしまう。
意外とちゃっかりもの。
名前を間違えるクセがあり、村上が何度訂正しても治らず、イルセラはブブゼラと呼ばれている。
犬飼ミツキ
村上の同級生で同じ映画サークルに所属しているパリピ系少女。
ノリが良くグイグイ来るタイプで、村上がまともに話せる唯一の女子。
村上のアパートに踏み込み、イルセラの秘密を共有することとなる。
実はおにぎり屋のサキさんの孫。
「ドラゴン養ってください」感想&評価
何気ないやりとりにセンスが光る良作
印象としては目新しさこそないものの、安心して読めてところどころクスっと笑える作品。
日常ものとはかくあるべしと言った良作です。
ドラゴンと人間の日常ものというテーマそのものはありふれていて既に掘り尽くされていますが、この作品ではイルセラがドラゴンという記号でなく、きちんと個性を持ったキャラクターとして出来上がっているところが良いですね。
それも何気ない上から目線とか言葉選びのチョイスとか、ちゃんとドラゴンしているところがまた良し。
また話の展開としてもファンタジーとリアルとギャグの微妙なバランスをうまくとっているなと感じました。
こんな人におススメ
日常系で基本男性向けではあるものの、女性でも違和感なく読める作品。
言葉選びなど微妙にぶっこんでくる部分があるので、案外ウケる年齢層は高めかなと感じました。
あと理屈っぽいシュールな部分があったりで、ファンタジーという感じはあまりなかったですね。
通勤時間などの隙間時間にちょっとずつ読めるタイプの作品。
アプリで試し読みが出来るので、まずはそちらから試してみては。
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