今回は大人気漫画「文豪ストレイドッグス」から、太宰治の親友でありその生き方を決定づけた男「織田 作之助(おだ さくのすけ)」ついて解説させていただきます。
織田作は太宰のポートマフィア時代の回想に登場するキャラクターで、小説版「太宰治と黒の時代」ではもう一人の主役とも呼べる存在です。
本記事では太宰をして「どんなマフィアより恐ろしい」と言わしめながら、不殺の信念を掲げた織田作の強さ(能力)、生き様と最期を中心に語ってまいります。
文豪ストレイドッグス、織田作之助のプロフィール(声優含む)
基本プロフィール(年齢、身長、誕生日、声優など)
年齢 | 23歳 |
身長 | 185cm |
体重 | 77kg |
誕生日 | 10月26日 |
血液型 | 不明 |
好きなもの | カレー |
嫌いなもの | 肩の凝る食事会の食事 |
声優 | 諏訪部順一(少年期:上村祐翔) |
織田作は太宰治のポートマフィア時代の回想に登場する人物で、太宰治の親友にしてポートマフィアの最下級構成員。
本編開始時には既に故人となっています。
外見は赤毛の精悍な目つきをした青年で、いつもベージュのコートを愛用しています。
ポートマフィアの何でも屋として爆弾処理から猫探し、構成員のトラブルの仲裁まで何でも仕事を請負いますが、ただ一つ、殺しだけは決してしようとしません。
当時ポートマフィアの幹部だった太宰、そして情報部に所属していた坂口安吾とは、組織の序列を超えた親友で、いつもバーで酒を酌み交わしていました。
子供好きなのか、それとも贖罪なのか、龍頭抗争と呼ばれる裏社会の抗争で親を亡くした5人の子どもたちを養っているという、マフィアらしからぬ一面も持っています。
過去編「太宰治と黒の時代」におけるもう一人の主役
「太宰治と黒の時代」は角川ビーンズ文庫でノベライズされた物語で、本編の4年前、当時18歳だった太宰治がポートマフィアを抜けるに至った一連の事件が描かれています。
織田作はこの「太宰治と黒の時代」におけるもう一人の主役。
彼はラストが切り取られた夏目漱石の小説に魅了され、いつか裏社会から抜け出し、自分も小説家になりたいという夢を抱いていました(その詳しい経緯は夏目漱石の紹介記事をご覧ください)。
しかし最終的に織田作の夢は叶うことなく非業の最期を遂げることとなるのですが、彼が最期に残した言葉が後の太宰の生き方を決定づけることとなるのです(詳細は後述)。
文豪ストレイドッグス、織田作之助の強さ(異能力)
異能力:天衣無縫
織田作はポートマフィアでの序列こそ最下級でしたが、その実力は作中でも屈指のものでした。
異能力:天衣無縫
5秒以上、6秒未満の未来を予知する能力。
命の危機に瀕した場合には意図せず発動するが、予知した時点で既に罠にハマっている場合は対応できない。
異能力バトルの定番、強キャラ御用達の未来視の能力ですね。
見ることができる時間軸は限定的ですが、こと戦闘において未来を知れるというのは圧倒的なアドバンテージ。
特に回避能力においては他の追随を許さず、ifの世界では芥川龍之介の猛攻をカレーを食べながら平然と凌いでいたほどです。
また、織田作は異能力だけでなく体術や銃の腕前も一流ですから、本当に戦闘者としては隙のない存在だったと言えるでしょう。
不殺の信念を掲げた元暗殺者
それほどの実力者である織田作もポートマフィア内での序列は最下級であり、組織内では軽んじられていました。
その理由は人を殺そうとしないから。
「本気の織田作はどんなマフィアより恐ろしい」
太宰や一部の実力者は織田作の実力を見抜き、畏怖していましたが、織田作はむしろそんな自分を捨てたいと考えていました。
かつての織田作は殺し屋でした。
しかし夏目漱石の小説に出会い、いつか自分自身の「殺し屋が殺しを辞めた物語」を書きたいと願い、何があっても人を殺さないと誓ったのです。
けれどその誓いは無惨に踏みにじられてしまいます。
文豪ストレイドッグス、織田作之助の最期(死亡)、名言
殺された子供たち、ミミック首領アンドレ・ジイドとの一騎打ち
ある時、異国の異能力集団ミミックがポートマフィアに襲撃をかけてきました。
ミミックは戦争で祖国に裏切られた者たちで、戦いの中で死にたいと願い、自分たちを殺せる存在を求めてヨコハマの街に流れ着いたのです。
そしてミミックの首領アンドレ・ジイドは、織田作と同じ未来視の能力者でした。
ジイドは自分を殺す存在として織田作と戦うことを望みますが、織田作はそれを拒否。
しかしジイドは織田作を戦場に引きずり出すため、織田作が養っていた子供たちを彼の目の前で爆死させるという暴挙に出たのです。
子供たちを失い、小説家になるという夢を抱けなくなった織田作は、ミミックに単身で乗り込みます。
そして組織の人間を皆殺しにし、最後はジイドとの一騎打ちの果てに相打ちとなりました。
太宰治を変えた織田作之助の最期と名言
ジイドとの一騎打ちの直後、血の海に沈む織田作の元に駆け付けたのが太宰治でした。
織田作のことを「大馬鹿」と罵倒する太宰に、織田作は最期に語り掛けます。
「人を殺す側だろうと救う側だろうとお前の予測を超えるものは現れない」
「お前の孤独を埋めるものはこの世のどこにもない」
それはかつて、生きる意味を探してマフィアに入った太宰に向けた言葉でした。
「どうすればいい」と問いかける太宰に、織田作は道を指し示します。
「人を救う側になれ」
「どちらも同じならいい人間になれ」
「正義も悪もお前には大差がないだろう…そのほうが幾分か素敵だ」
こうして、太宰はポートマフィアを抜け、人を救う仕事を探して武装探偵社へ入社することとなるのです。
いや、織田作の最期は文豪ストレイドッグス屈指の名シーンですよね。
ちなみに、スピンオフである「文豪ストレイドッグスBEAST」では、武装探偵社に所属して小説家になる夢を叶えた織田作の姿を見ることができますから、興味のある方は是非ご一読を(……まあ、こっちはこっちで切ない内容なんですけどね)。
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