今回はヤングジャンプで連載中の大人気漫画「ゴールデンカムイ」から、謎に満ちたイケメンスナイパー「尾形 百之助(おがた ひゃくのすけ)」について解説します。
ゴールデンカムイは明治末期の北海道・樺太を舞台に、男たちがアイヌ民族から強奪された金塊を求めて争いを繰り広げる物語。
そんな中で尾形は主人公の杉元らと敵対する第七師団の一員として登場しますが、その目的はようとして知れず、次々と陣営を裏切って立ち回る謎に満ちた存在です。
本記事ではそんな尾形の過去やアシリパとの関係を中心に、その魅力を深掘りしてまいります。
「ゴールデンカムイ」尾形百之助のプロフィール
基本プロフィール(外見、性格、所属、誕生日、声優など)
尾形は鶴見率いる帝国陸軍北海道第七師団所属の上等兵で、物語当初は金塊を巡って主人公の杉元たちと敵対する存在として登場しました。
外見は猫を思わせる大きな瞳と癖のない黒髪が特徴のイケメン(作風的に分かりにくいですが)。
元第七師団長の父と妾の母の間に生まれたという複雑な出生の持ち主です。
極めて冷静沈着で頭の回転が速く、掴みどころのない性格をしたキャラクター。
他者を殺害することに関し罪悪感を一切持たない残酷さを持つ一方で、老人や子供といった弱い立場の者には優しさを向けることのできる二面性の持ち主です。
好物はあんこう鍋。
誕生日は1月22日、アニメ版での声優は津田健次郎さんです。
その強さや能力~かっこいい敏腕スナイパー~
尾形は極めて優秀な軍人でありスナイパーです。
特にスナイパーとしての腕前は傑出しており、300m以内なら確実に頭部を射抜き、最大で2000mの狙撃も可能かのような発言(多少のブラフは入っているでしょうが)をしています。
銃の扱いに関しては非常に慎重で、寝るときや入浴中も手元から離すことがありません。
接近戦は専門外ですが、作中での立ち回りを見るとそこそこ戦えるようですね。
また、鶴見をして「敵に回すと非常に厄介」と評された最大の武器はその頭の回転で、状況を見ながら随時陣営を裏切り、乗り換えて狡猾に立ち回る作中屈指の頭脳派でもあります。
「ゴールデンカムイ」尾形百之助の過去や人間関係
妾の子供として育ち、血の繋がった両親と弟を殺害した過去
尾形は元第七師団長の父とその妾の間に生まれた子供で、父と本妻との間に男子が生まれたことが切っ掛けで母と共に父から捨てられ、母方の実家で育てられました。
母方の祖母には非常にかわいがられていたようで、その影響もあってか尾形は”バアチャン子”を自称していますね。
成長した尾形は陸軍に入隊し、第七師団に配属されますが、彼が師団長の妾の子であることはどうやら師団内では周知の事実だったようで、師団内での居心地は決して良いものではなかったようです。
第七師団には尾形の腹違いの弟・勇作も配属されていて、勇作は尾形のことを慕っていましたが、尾形自身は弟にあまり良い感情を持っていませんでした。
日露戦争終結後、尾形は鶴見の指示で父を自殺に見せかけて殺しています。
その際父に、父に捨てられ頭のおかしくなった母を毒殺したこと、弟を戦争中に密かに射殺したことを告白していますが、父の反応は冷たいものでした。
尾形は母と弟を殺したことを、父の愛情を期待しての行動と語っていましたが……
アシリパとの関係がかわいいと評判
本作のヒロインであるアシリパに対して、尾形は格別に穏やかで優しい態度を向けています。
元々弱者に対しては優しい所もある尾形ですが、アシリパに対するそれは、それだけではないように思えますね。
家族の愛情を知らない尾形にとって、明るく自分を受け入れてくれるアシリパは非常に心安らぐ存在だったのではないでしょうか。
アシリパは杉元に好意を向けていますが、その想いに作中で唯一気づいているのも尾形。
そんな微笑ましい関係の風向きが変わったのが、アシリパがのっぺら坊の娘だと判明してからです。
それ以降の尾形は杉元を排除し、アシリパの関心が自分に向くよう振舞うなど、謎に満ちた行動を取るようになっていくのです。
「ゴールデンカムイ」尾形百之助の活躍
”コウモリ野郎”と揶揄され陣営を次々に裏切る尾形
元々尾形は第七師団の鶴見の配下でしたが、北海道征服を目論む鶴見一派に従順に従っていたわけではなく、影で造反を企んでいました。
これ自体は鶴見本人が反逆者なので、間違った行動ではありません(そもそも師団長の父親を殺していたことは別として)。
しかし鶴見への造反がバレて師団を離脱。その後、土方と交戦の末、土方の用心棒として彼の一派に加わります。
その土方が杉元たちと手を組んだことで今度は杉元たちと行動を共にするようになり、アシリパたちとも関係を深めていきました。
しかしアシリパがのっぺら坊の娘と判明すると、網走監獄でキロランケと手を組み、のっぺら坊と杉元の二人を狙撃。のっぺら坊は死亡し、杉元も脳を負傷し死亡したかに見えました(杉元は生き延びていたわけですが)。
そして二人を狙撃した尾形は何食わぬ顔でアシリパの前に現れ、二人が死亡したと告げるのです。
アシリパへ向ける感情は? 目を毒矢で撃たれ死亡説も流れたが……
この後、尾形は自身が狙撃犯であることを隠し、何食わぬ顔でアシリパたちとともに行動を共にしています。
尾形のこの行動についてはネット上でも様々な推測が流れ、
①金塊を得るためにアシリパを懐柔している
②アシリパの好意が欲しくなった
③金塊を巡る争いから早くアシリパを解放しようとしている
など、様々な説が流れていますが、この件に関して尾形の真意は明らかとなっていません(本人にもはっきりした理由はわかってないんじゃないでしょうか)。
その後、復活した杉元と再会し、アシリパとの対話を諦めた尾形はアシリパに自らを毒矢で撃たせます。
アシリパが尾形を撃ったのははずみによるものでしたが、尾形はアシリパに殺人を犯させたことにどこか満足げな様子でした。
しかし、尾形はそれを是としなかった杉元によって処置を受け、右目を失ったものの一命をとりとめます。
「ゴールデンカムイ」尾形百之助の目的と最期(死亡・自殺)
尾形百之助は樺太での一件後、独自のルートで北海道に戻ります。
再び暗躍を続ける尾形の目的は、鶴見中尉を味方につけ、自分自身が父親と同じ師団長の地位に就くことでした。
それは、自分のような欠落した人間でも師団長には成り上がれると証明するため。
尾形は父親も、父親が選んだ弟・勇作も、自分と同じく価値のない存在だと証明したかったのです。
暴走する列車の上で鶴見中尉に協力を迫る尾形でしたが、その目的は彼らに追い付いた杉元とアシリパによって阻まれます。
追い詰められた尾形は、それでもアシリパに殺人を犯させることができることに満足そうでした。
しかし、そんな尾形の前に、自分が殺した弟・勇作の幻影が現れます。
勇作を否定する尾形でしたが、心の中のもう一人の尾形が、勇作は幻影ではなく、尾形自身の罪悪感だと指摘します。
それを気づかせたのは、勇作によく似たアシリパ。
かつて尾形は勇作に人を殺させようとし、勇作はそれを罪悪感から拒絶。
勇作が口にした「罪悪感」が理解できなかった尾形は自分が欠落した人間だと思い込み、勇作を殺害してしまいました。
そんな自分が罪悪感を抱いているとすれば、それはまさしく今までの行動すべての否定です。
尾形は自分自身に銃口を向け、自殺しました。
それは錯乱しての行動だったのか、それとも最期に、アシリパに人を殺させたくないと思ったのか……
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