今回は「ONE」先生原作の大人気作品「ワンパンマン」から、一部で弱い、リンゴと叩かれる不遇なS級ヒーロー「アトミック侍」について解説したいと思います。
アトミック侍は剣の道を究めたハードボイルド系侍ヒーロー。
S級4位というその順位が示す通り、ヒーロー協会では最強クラスの戦力と見做されています。
しかし作中では敵との相性によるものか、それとも単純に実力が不足しているのか、黒いせいし戦など黒星が積み重なっているアトミック侍。
本記事ではそんな彼の経歴や戦績などを踏まえ、その実際の強さについて考察していきたいと思います。
「ワンパンマン」アトミック侍ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(年齢、身長、体重、ランキング、声優)
年齢 | 37歳 |
身長 | 177cm |
体重 | 71.3kg |
好きなもの | 強い者、好敵手、弟子、洗いたてのフンドシ |
嫌いなもの | 弱い者、ごちゃごちゃ煩い事、取材 |
趣味 | 剣術修行、弟子と一緒にする諸国巡り |
ヒーローネーム | アトミック侍(本名:カミカゼ) |
ランキング | S級4位 |
声優 | 津田健次郎 |
アトミック侍はその卓越した剣技をもって戦う侍ヒーロー。
侍のようなちょんまげ頭に赤いマントを羽織った如何にもな風貌をしています。
性格は「ハードボイルドかつ人情派」と微妙に矛盾したことを自称していますが、実際にその通りの微妙な二面性の持ち主。
強者しか認めないといいつつ弟子や身内には甘かったり、色々厳しいことは言いつつも最終的にコロッと情に流されるタイプのおっさんですね。
ちなみに「おっさん」と呼ばれるのは嫌なお年頃。
強者しか認めない実力至上主義者で、A級で傲慢な態度が目立つアマイマスクなどとは作中でもトラブルを起こしています。
また、S級の実力者に対しても人格面で問題ありと言ってシルバーファング以外は認めておらず、とにかく敵を作ってばかりいますね。
アトミック侍と三人の弟子、剣聖会
アトミック侍はヒーロー協会の内外に同じ剣客同士、広い人脈を持ちます。
ヒーロー協会内にはA級2・3・4位に位置する三人の弟子。
・A級2位:イアイアン
・A級3位:オカマイタチ
・A級4位:ブシドリル
また、ヒーロー協会外でも剣聖会という剣客の組織に所属しており、ニチリン、アマハレ、ザンバイ、ハラギリといったS級ヒーローと同格と思われる大剣豪と交流を持っています。
剣聖会はかつて「日輪(にちりん)」と「月輪(がちりん)」という二振りの刀を手にし剣聖として無双の強さを得たとされる剣士の伝説を体現することを宿願とする組織。
剣客同士の繋がりは深いようで、怪人協会編ではアトミック侍の求めに応じて剣聖たちが援軍に訪れていました(そして悉く倒されていった)。
ちなみにニチリンはアトミック侍の師にあたります。
「ワンパンマン」アトミック侍の強さ(その刀、弱い?)
斬撃さえ通じればヒーロー協会最強の一角?(技)
アトミック侍はS級4位というランキングが示す通り、ヒーロー協会内でも最強の一角と称される実力者……ということになっています。一応。
実際、斬撃が通じる相手に対しては強く、そのヒーロー名は「その一撃は原子をも寸断し、破壊力は戦術核にも匹敵する」彼の剣技からきているそうです。
アトミック斬
アトミック侍の代名詞とも呼べる技。
秒間100を超える斬撃を繰り出し、射程内の敵を無数に切り刻む。
実際には原子までは斬れないし、戦術核ほどの威力もないので、再生・分裂能力を持つ敵には通じないし、それどころか普通に硬くて斬れないこともある。
アトミック一文字斬
アトミック斬の膨大な斬撃を一つに束ね威力を高めた斬撃。
同系統の技に改稿により削除されたアトミック集中斬がある。
作中では斬撃どころか物理攻撃が通じるかどうかも怪しい強敵とばかり対戦しており、正直なところあまり戦績は芳しくありません。
S級内での強さを比較すると、ヒーロー協会最強はタツマキ(制御不能なサイタマ、ブラスト、そして既にそういった次元に存在しないキングさんは除く)、それに技のシルバーファング、力のクロビカリ、スピードの閃光のフラッシュが横並びで続きます。
シルバーファングやフラッシュは相性の悪い敵ともある程度戦えていますし、アトミック侍はこの二人と比べるとやや劣る印象。
また、クロビカリ相手だと斬撃が通じない可能性が高いですね。
決して弱い訳ではありませんが、実力的にはS級上位層には一歩劣ると言わざるを得ないでしょう。
精神感応剣「日輪刀」
アトミック侍には未だ使いこなせていない切り札が存在します。
それが怪人協会との戦いの最中、命を落とした剣聖会の師、ニチリンから受け継いだ「日輪刀」です。
日輪刀は精神感応剣と呼ばれ、主の器を図って力を貸すかどうかを決める生きた剣。
認められなければ剣を抜くことさえできず、アトミック侍も極限まで集中が高まった際、辛うじて認められた程度です。
村田リメイク版196話では、日輪刀を抜き刀と同化したアトミック侍が、災害レベル「竜」の強敵、ホームレス帝の巨大な光弾を切り裂き、黄金せいしの12兆分の腕を切り落とすなど、凄まじい戦闘力を発揮していました。
とは言え、その代償は大きく、ほんの一瞬の攻防でアトミック侍は日輪刀に気をごっそりと持っていかれ、まともに立つこともできない状態に。
今後、アトミック侍がこの日輪刀を使いこなすことができれば、S級内での実力の序列も大きく変動しそうです。
「ワンパンマン」アトミック侍VS黒いせいし
怪人協会編において、アトミック侍は斬撃の通じない怪人たち(エビル天然水、ブサイク大総統)と戦い苦戦ばかりを強いられていましたが、その中で最もボコボコにされた相手が黒いせいし(規約にひっかかりそうなので平仮名表記で統一)。
黒いせいしは兆を超える無数の怪人からなる群体で、その全てを殺しきらない限り倒せないという強敵。
アトミック侍がいくら切り裂いても命のストックはほとんど削れず、それどころか分裂した個体があちこちから襲い掛かってくる始末。
アトミック侍も、分裂させないように中途半端に切り裂き、その上で打撃によりダメージを与えるなど工夫はしていましたが焼け石に水でした。
黒いせいしは災害レベル「竜」の怪人の中でもかなり上位の存在で、確実に倒せるのはS級でもタツマキぐらいなのですが、アトミック侍はこの戦いのせいで「弱い」という印象が一部読者に根付いてしまった気がしますね。
「ワンパンマン」アトミック侍VSキング(リンゴと呼ばれる理由)
アトミック侍は一部のファンの間では「リンゴ」「林檎侍」の愛称で親しまれています。
その原因となったのが、村田リメイク版234話(原作版109話)におけるアトミック侍とキングの間で起こったあり得ない勘違い。
ある日弟子たちとともに回転ずしに入ったアトミック侍は、食事をしていたキングと出会います。
キングが戦っている姿を見たことがなく、その実力を疑っていたアトミック侍はキングに勝負を挑みますが、キングは「むやみに死人を出したくない」と戦いを拒否。
しかしその代わり、アトミック侍はキングにリンゴと刀を渡し、リンゴを斬ってみてくれと言います。
アトミック侍には手相を見るように、他人が刀で物を斬っている様子を見るとその人間がどういった人生を歩んできたかが分かるという特技があったのです。
刀を持ち、じっとリンゴと向き合うキング。
しかししばしの後、キングは何もせず刀を置き、その場を立ち去りました。
その様子を見たアトミック侍は、キングが自分に視認もできないほどの速度でリンゴを斬り、そして細胞の隙間を縫うように斬られたリンゴは自分が斬られたことにも気づかず切断面が接合しているのだと解釈。
……が、実際にはキングは何もしておらず、それどころか刀を抜くことも出来ずそのまましれっと逃げて行っただけ。
このあり得ない勘違いに「バカすぎる!」と読者は爆笑。
これをきっかけにアトミック侍は「リンゴ」「林檎侍」の愛称で親しまれるようになったのです。
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