今回は大人気漫画「文豪ストレイドッグス」から、その狂気の異能力を大人たちに利用された悲劇の子供「夢野 久作(ゆめの きゅうさく)」、通称「Q」について解説させていただきます。
夢野久作はポートマフィアの構成員であり、普段はその危険さゆえに座敷牢に幽閉されている少年。
狂気に満ちた笑顔を浮かべ、一般的な倫理観など持ち合わせていない危険な存在ですが、彼もまた異能力によって人生を狂わされた被害者だったのです。
本記事では夢野久作の過去とその後、異能力などを中心にそのプロフィールを深掘りしてまいります。
文豪ストレイドッグス、夢野久作のプロフィール(声優含む)
基本プロフィール(年齢、身長、誕生日、性別、声優など)
年齢 | 13歳 |
身長 | 146cm |
体重 | 38kg |
誕生日 | 1月4日 |
血液型 | AB型 |
好きなもの | 自分、混沌、黒砂糖 |
嫌いなもの | 自分、平和、社会、病院 |
声優 | 工藤晴香 |
夢野久作はポートマフィアの構成員であると同時に、組織内でも普段は座敷牢に幽閉されている危険人物。
外見は白と黒のツートンカラーの髪と、黒目がち大きな目が特徴なかわいらしい雰囲気の子供ですが、その顔には常に狂気じみた笑みが張り付いています。
分かりにくいかもしれませんが性別は男。
ポートマフィア内では「Q」の通称で呼ばれています。
トレードマークは大きなマフラーと、いつも持ち歩いている片足だけの不気味な人形。
子供らしい無邪気さと残酷さをそのまま肥大化させたような性格の持ち主で、自分の異能力で人が死ぬことについて何の感情も抱いていません。
今のところ夢野久作が関心を抱いているのは、唯一自分の異能力を止めることができ、自分を封印した太宰治ただ一人です。
唯一自分を止められる太宰治を憎み、執着している
能力の詳細は後述しますが、夢野久作は極めて凶悪な「精神操作」系の異能力者で、一度発動すれば敵味方お構いなしに発動する爆弾のような存在。
ポートマフィアも夢野久作の扱いには手を焼いており、過去には多大な犠牲を払って彼を封印しています。
夢野久作の異能力を止めることができるのは「異能無効化能力」を持つ太宰治ただ一人。
作中では結局、彼らの直接的な絡みは僅かでしたが、夢野久作は過去に自分を封印した太宰治のことを憎み、彼に執着している節があります。
逆に太宰は夢野久作がいる限りポートマフィアは万が一の保険として自分を殺せないと発言して彼を見逃していましたが、それは太宰が死ねば夢野久作も処分される可能性が高い、ということでもあるんですよね。
太宰が夢野久作を見る眼差しには、敵意や警戒だけでなく彼の境遇に対する同情のようなものが見え隠れしているように思えました。
文豪ストレイドッグス、夢野久作の異能力(強さ)
異能力:ドグラ・マグラ
夢野久作の「ドグラ・マグラ」は異能の中でも最も忌み嫌われている「精神操作」系の異能力です。
異能力:ドグラ・マグラ
自分を傷つけた相手を呪い、発狂させる異能力。
自分を傷つけた相手には「呪いの受信者」として手形の痣が浮かび上がり、受信者は幻覚を見せられて発狂し、周囲の人に無差別に襲い掛かってしまう。
呪いは夢野久作が持っている人形を破壊することで発動する。
日本探偵小説三大奇書、読んだ人間は一度は必ず一度は精神に異常をきたすと言われた「ドグラ・マグラ」の名を冠するに相応しいヤバイ能力ですね。
夢野久作は当たり屋のように相手に自分を傷つけさせてこの異能力を発動させています。
作中では主人公の中島敦がこの異能力で幻覚を見せられ、谷崎ナオミと春野綺羅子を傷つけてしまいましたね。
夢野久作を傷つけた者には自動で手形の痣が浮かび、人形さえ壊せば誰でも異能力を発動させることができてしまうため、作中では組合(ギルド)にこの異能力を利用され「横浜焼却作戦」が企てられてしまいます。
その異能力が利用された「横浜焼却作戦」とは?
作中で武装探偵社と組合を壊滅させるべくポートマフィアから解き放たれた夢野久作でしたが、よりにもよって彼は最悪の相性を持つラヴクラフトに遭遇し、異能力を使ってしまいます。
流石に「ドグラ・マグラ」であっても世界中に知られた「クトゥルフ神話」の狂気には分が悪すぎたのか、夢野久作は逆に形容しがたい何かを見せつけられ、あえなく意識を失ってしまいます。
その後、夢野久作を捕らえた組合は、彼を利用してある狂気の計画を企てました。
組合はジョンの異能「怒りの葡萄」によって街中に張り巡らされた葡萄の樹木と夢野久作の痛覚をリンクさせ、樹木が受けたダメージを夢野久作へのダメージとして変換。
「ドグラ・マグラ」の効果対象をヨコハマの街全域へと拡大した「横浜焼却作戦」を実行しようとしたのです。
「怒りの葡萄」に取り込まれ、異能発動のために膨大な痛みをフィードバックされる夢野久作は、ただただ憐れな生贄でしかありませんでした。
文豪ストレイドッグス、夢野久作の過去とその後
夢野久作の過去については作中ではほとんど触れられていません。
判明しているのは、中原中也がポートマフィアの構成員となった7年前の時点で既にポートマフィアに所属していたこと。
そしてマフィア内で夢野久作を封印した際、多くの構成員が命を落としているということだけです。
しかし7年前というと夢野久作はまだ6歳。
そんな年齢からポートマフィアに囚われ、その異能力を利用されて続けてきたのです。
そう考えると、彼はまさしく異能によって人生を狂わされた被害者でもあったんですよね。
作中では太宰と中也のコンビによって「横浜焼却作戦」発動前に組合から救出された夢野久作ですが、恐らくその後は再びポートマフィアの座敷牢に幽閉されてしまったはず。
果たして彼に救いは訪れるのか……
文豪ストレイドッグス、夢野久作の名言(セリフ)
それでは最後に、夢野久作にまつわる悲しい名言(セリフ)紹介してシメとさせていただきます。
「太宰さんのお友達ってすっごく壊れやすいんだね」
「でもいいんだ、太宰さんを壊す楽しみが残っているもの!」
初登場で敦たちを「ドグラ・マグラ」で発狂させ、太宰と久しぶりの再会を果たした夢野久作。
この時はまだ、無邪気な狂気を湛えた不気味な少年という印象しかありませんでした。
しかしそんな強キャラ感を出して登場した夢野久作も、そのすぐ後にラヴクラフトと遭遇してあっさり囚われの身に。
ジョンの「怒りの葡萄」で痛覚を流し込まれ、「横浜焼却作戦」の人柱となった彼は涙を流して叫びます。
「こんな力欲しいと思った事は一度もない」
「どうして僕ばかりこんな酷いことが起こるの!?」
「神様は誰にでも平等じゃないの!?」
異能力に人生を狂わされた夢野久作の心からの叫び。
しかし、それに応じるジョンの言葉が、世界の残酷さを彼に突きつけます。
「神様はいるよ」
「でも、君を愛してはいない」
できれば彼にも、何らかの救いがあって欲しいものですが……
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