今回は大人気漫画「文豪ストレイドッグス」から、超人的な頭脳を持つ魔人「フョードル・ドストエフスキー」について解説させていただきます。
フョードルは作中でも屈指の策士であり謀略家、退廃的な匂いただよう悪の華とも呼ぶべき人物です。
物語の初期から登場し、徐々にその正体が明らかになってはきましたが、未だその真意ははかりきれません。
本記事では、太宰治と対を為すフョードルの人柄と能力、謀略を中心に深掘りしていきます。
文豪ストレイドッグス、フョードルのプロフィール
基本プロフィール(概要と声優のみ、年齢、身長、誕生日などは不明)
現在判明しているフョードルの肩書は、盗賊団「死の家の鼠」の頭目にして、殺人結社「天人五衰」の構成員。
書いたことが現実になる白紙の「本」を狙って、主人公たちが所属する武装探偵社と敵対するキャラクターです。
外見は肩まで伸びた黒髪と不気味な笑顔が特徴の、病弱そうな青年。
興味のないものには無関心かつ冷徹ですが、普段は感情豊かな仮面をかぶって他者を欺いています。
過去に太宰治と接触したことがあるらしく、互いに似た者同士と認識し、意識しているようです。
声優は石田彰さん。TVアニメ第二期最終話に登場した際は、声優は「???」と伏せられていましたが、ファンにはバレバレで、すぐに公式Twitterでも発表されていました。
「死の家の鼠」→「天人五衰」
フョードルは漫画版では3巻からこっそり登場していましたが、本格的な登場は対組合戦の終盤。
組合の敗北を察したフョードルは、白鯨のメインシステムを掌握して墜落させ、組合内部の混乱に乗じてその資産の4割を強奪します。
その後、フョードルはポートマフィアの幹部「A」にわざと捕まり、その超人的な頭脳を駆使して「A」の一派を死に追いやり、ポートマフィアの異能者の情報を入手。
そして盗賊団「死の家の鼠」頭目として、武装探偵社とポートマフィアの両トップの命を人質にとった共喰い作戦を仕掛けました。
武装探偵社とポートマフィアの連携により共喰い作戦は退けられ、敗北した「死の家の鼠」。
しかし、フョードルにはもう一つの顔がありました。
それは五人の特一級の危険異能犯罪者で構成された殺人結社「天人五衰」の一員であるというもの。
彼らの計画はここからが本番だったのです。
文豪ストレイドッグス、フョードルの強さ、異能力
異能力:罪と罰
フョードルの異能力の詳細は、当初全く謎に包まれていました。
異能力:罪と罰
作中では頭部に触れただけで相手が絶命している描写がある。
また、部下の何人かはマインドコントロールを受けているふしがあり、脳や精神に作用する異能ではないか……と推察されていた。
しかし実はこの触れただけで相手を絶命させる描写は異能ではない薬物などを使ったミスリード。
彼の本当の異能力は「自分を殺した者が次のドストエフスキーになる」というものでした。
フョードルはこの異能力を利用して他人の肉体を乗っ取り、肉体を渡り歩いてきたのです。
他人に殺されることなく毒などで死亡した場合はこの異能の発動条件を満たさず、また異能無効化能力を持つ太宰に殺された場合もそのまま死んでしまいます。
その意味でも太宰はフョードルの天敵と言えたのですが……
その真価は「魔人」と称される超人的な頭脳
とは言え、異能力が強力な敵はこれまでにもいましたし、それだけならばフョードルはそこまで怖い存在ではありません。
フョードルの真価は異能力ではなく、太宰から「魔人」と称された超人的な頭脳。
ポートマフィアの幹部「A」とのポーカー勝負で見せた「カード表面の微細な傷を全て記憶」していたことなどはその一端に過ぎません。
恐らくは作中でこれまでに起きた「本」を巡る一連の事件は全てフョードルのシナリオの内。
フョードルと対抗しうるのは、同じく超人的な頭脳を持つ策士、太宰治だけでしょう。
同じ頭脳派ということなら江戸川乱歩がいますが、乱歩の能力はどちらかというと受け身。
先手を取り合う謀略家同士の駆け引きでは、やや分が悪いでしょうね。
文豪ストレイドッグス、フョードルの活躍
異能ウイルスによる共喰い作戦
実際にこれまでフョードルが主人公たちに仕掛けてきた作戦を振り返ってみましょう。
フョードルが最初に武装探偵社に仕掛けてきたのは、「死の家の鼠」による共喰い作戦です。
フョードルが狙ったのは武装探偵社とポートマフィアの両トップ、福沢諭吉と森鴎外。
福沢と森は「死の家の鼠」の襲撃に遭い、48時間以内に二人の内どちらかが死ななければ助からない異能ウイルスに感染させられてしまいます。
感染させた異能者に解除させようにも、「死の家の鼠」の行方は知れず、武装探偵社とポートマフィアは互いのトップを守るために衝突します。
この時は、夏目漱石の介入により武装探偵社とポートマフィアは辛うじて致命的な衝突を逃れ、互いに協力して「死の家の鼠」を退けることに成功しました。
そして首領であるフョードルも捕縛され、投獄されることになったのです、が……
監獄で繰り広げられる太宰との頭脳戦
しかし、フョードルにとっては捕縛され、投獄されたことさえシナリオ通りの出来事でした。
フョードルが投獄された後、「天人五衰」による武装探偵社への本格的な攻撃が始まります。
「天人五衰」は武装探偵社に犯罪者の汚名を着せ、じわじわとその手足をもぎ、追い詰めていきます。
武装探偵社が反撃しようにも、「天人五衰」の全容は知れず、参謀役であるフョードルも監獄の中で守られているため手出しできません(監獄という安全な場所を確保することがフョードルの狙いだったわけですね)。
絶体絶命の窮地でフョードルの策を食い止めたのが、彼と同じ監獄に敢えて投獄された太宰治でした。
太宰もまたフョードルの狙いを見抜き、フョードルの思考を読むために同じ監獄に入っていたのです。
監獄の中で繰り広げられるもう一つの戦い……いや、実に熱い展開ですね。
その後、フョードルは吸血鬼化した中也、太宰はシグマと組んで命がけの監獄脱出ゲームを行うのですが、実は吸血鬼化を解除していた中也の協力もあり、フョードルは敗北。
吸血鬼により殺されたのですが……これにより異能が発動条件を満たし、フョードルはブラムの肉体を乗っ取って復活するという最悪の展開を迎えてしまいます。
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