今回は「ジャンプ+」の話題作「ダンダダン」の作者「龍 幸伸(たつ ゆきのぶ)」先生について解説します。
龍幸伸先生は2021年から「ダンダダン」の連載を開始し、一躍世間にその名が知られるようになった人気漫画家。
それ以前の経歴はあまり知られていませんが、実は龍幸伸先生は若手ではなく、元々10年以上前に「月刊少年マガジン」でデビューし、既に連載も経験していました。
本記事では世間にあまり知られていない龍幸伸先生の過去や、「チェンソーマン」藤本タツキ先生の下でのアシスタント経験などを中心に解説してまいります。
「ダンダダン」作者/龍幸伸のプロフィール
基本プロフィール(性別、年齢、誕生日、出身地など)
性別 | 男 |
生年月日(誕生日) | 不明 |
年齢 | 37歳(2022年9月時点) |
出身地 | 埼玉県 |
龍幸伸先生は2021年「ジャンプ+」で連載を開始した「ダンダダン」がヒットし、一躍その名が世に知られるようになった漫画家。
若手漫画家と誤解されることも多いですが、元々他誌で連載していた経験を持つ、デビュー10年以上のベテランです。
龍幸伸先生は幼い頃から絵を描くのが得意ではあったものの、本格的に学んだことはなく、子供の頃は落書き程度に描いていただけ。
学生時代はむしろ野球少年で、特に漫画家を目指していたわけではなかったそうです。
詳しい経歴は不明ですが、大学には進学せず、また就職氷河期で就職もままならなかったため、高校卒業後はコンビニでアルバイト生活に突入。
転機は21歳の時で、バイト先の店長から「絵が上手いから漫画家になったらどう」と言われ、漫画家を目指すようになります(絶対、店長ノリで適当に言っただけ)。
ガンダムが好きだった龍幸伸先生は、ガンダムを題材にした漫画を描いてKADOKAWAに持ち込みを実施。
内容自体は酷評されたものの、絵は上手かったので曽野由大先生を紹介され、先生のアシスタントしながら3年間ほど漫画の基礎を学ぶことになります。
漫画家としての経歴
龍幸伸先生のデビューは2010年9月、25歳の時。
持ち込みを行っていた「月間少年マガジン」で月マガ新人漫画賞グランドチャレンジの佳作を受賞。
引きこもり少年の活躍を描いた「正義の禄号」で連載を開始します。
しかし「正義の禄号」は1年も持たず打ち切りに。
2013年からは高校野球漫画「FIRE BALL!」の連載を開始しますが、こちらも1年半ほどで打ち切られてしまいます。
その後、担当編集者と合わないと感じていた龍幸伸先生は「ジャンプSQ」へ持ち込みを実施。
そこで後に名物編集として知られることになる林士平氏と出会い、ジャンプ系列で連載を目指すことに。
アシスタントとして修業をつみながら「恋愛栽培法」「神様のいる街 」「山田キキ一発」といった読み切り作品を発表し、2021年に「ダンダダン」の連載を開始、現在に至ります。
「ダンダダン」作者/龍幸伸は藤本タツキの元アシスタント
「チェンソーマン」藤本タツキの下で賀来ゆうじらとアシスタントを経験
龍幸伸先生はジャンプ系列に移って以降、林士平氏の紹介で後に「チェンソーマン」の作者として知られることになる藤本タツキ先生の下でアシスタントを経験することになります。
同僚アシスタントは「地獄楽」の賀来ゆうじ先生(後に賀来先生の下でもアシスタントを経験)、そして臨時アシスタントとして「スパイファミリー」の遠藤達哉先生など、後にジャンプを代表することになる早々たる面々。
林士平氏が名物編集として有名になった理由がよく分かりますね。
林士平氏が藤本タツキ先生や賀来ゆうじ先生の下に龍幸伸先生を送り込んだ理由は、真面目で考え過ぎる性格を心配してのこと。
自由奔放に好きなものを描く2人の作家に刺激を受けてほしいと考えていたようです。
「地獄楽」賀来ゆうじからはその画力を絶賛される
明日4月6日(火)からついに恩人・龍幸伸先生の新連載「ダンダダン」が開始です!
僕の知りうる限り、総合的な画力が最も高い人で、どの現場でもこの人の絵を参考にするように言ってきました。楽しみです。また明日、改めてツイートします。
なんだか自分の連載開始前のように脈拍が上がってきました… https://t.co/nFuEtl2lxu— 賀来ゆうじ (@ug_kaku) April 5, 2021
元同僚アシスタントであり「地獄楽」連載時にアシスタントとしてサポートしてくれた龍幸伸先生のことを、「地獄楽」の賀来ゆうじ先生はしばしばSNSなどで発信しています。
特に印象的なのがこの「僕の知りうる限り、総合的な画力が最も高い人」という大絶賛。
元々月間少年マガジンで「正義の禄号」や「FIRE BALL!」を連載していた時はそこまで絵が上手い印象は無かったのですが、ジャンプに移ってからは話のセンスだけでなく画力も格段に向上していますね。
「ダンダダン」作者/龍幸伸、ダンダダン誕生の経緯
連載企画が通らず一時漫画が描けなくなる
ジャンプに移って良い編集者と、才能あふれる仲間と出会うことができた龍幸伸先生ですが、ジャンプに移籍して以降の漫画家生活は決して順風満帆ではありませんでした。
とにかく連載企画が通らない。
アシスタントと並行して何度も連載企画を提出しますが、そのことごとくがボツになってしまいます。
元々他誌で連載経験を持つ先生からしたら、本当につらい時期だったでしょうね。
2019年には、その時自分が持っているもの全てをつぎ込んで「キョンシーもの」の連載企画を提出しましたが、それもボツに。
とうとう龍幸伸先生は漫画を描くことができなくなってしまいました。
切っ掛けは、映画『貞子vs伽椰子』
そんな龍幸伸先生に、編集の林士平氏は「1ページでもいいから好きなものを描いてほしい」と声をかけたそうです。
先生は言われた通り何か描こうとネタを描き連ねたノートを見返すと「映画『貞子vs伽椰子』が面白い」のメモが。
元々オカルトやホラーは苦手としていた龍幸伸先生ですが、良い意味で馬鹿っぽいこの映画、そして「化け物には化け物をぶつけるんだよ」というセリフを切っ掛けに、妖怪の力を宿して妖怪や宇宙人と戦う「ダンダダン」のアイデアを思いつくことになります。
本人的にはリハビリみたいなもの、林さんが面白がってくれればいいやぐらいのテンションで始めたそうですが、これが見事連載を獲得。
「ジャンプ+」でページ数など制約の無い中、自由に描ける環境というのも良かったのか、瞬く間に「ジャンプ+」を代表する作品の一つになりました。
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