今回は「ジャンプ+」の話題作「ふつうの軽音部」について解説します。
この作品は元々ウェブコミック投稿サイト「ジャンプルーキー!」でインディーズ版が投稿されていましたが、そこで編集者の目にとまり作画を変えて「ジャンプ+」での連載が開始されました。
分類としては高校の軽音部を舞台にしたガールズコメディですが、キラキラした雰囲気は全くなく、絶妙に漫画として面白いこの「ふつうの軽音部」。
本記事ではそのあらすじや登場人物の解説を踏まえ、その魅力を語ってみようと思います。
「ふつうの軽音部」あらすじ
主人公の鳩野ちひろはこの春から大阪の高校に通う15歳の少女。
音楽の趣味が少し変わっている鳩野は、高校入学を機にギターを買い、軽音部に入部することに。
そこでなら音楽の趣味が合う友達ができるかと思っていましたが、陰キャ気味の鳩野はバンドメンバーを探すのも一苦労。
クラスメイトの紹介で幸山厘というベーシストの少女と知り合い、その流れでヨンス、かっきーという男子2人と4人でバンドを組むことになりますが、幸山厘以外皆下手くそで、さっぱり噛み合う気配がありません。
一方、クラスメイトで同じ軽音部の一軍女子、内田桃は仲の良い女子三人でバンドを組んでいましたが、部内の男女関係が原因でバンド解散。
鳩野たちのバンドもあっさり男子が抜けてしまいますが、その後、幸山厘の暗躍により内田桃が加入。
鳩野が初ライブの失敗やバイト、公園での弾き語り修行など経験を積んでいく裏で、男女関係で変わらずワチャワチャしている軽音部。
それをかき回し、鳩野のために新メンバー藤井彩目を加入させる幸山厘。
バンドメンバーは4人そろったものの、噛み合っているんだか噛み合っていないんだか分からない鳩野たちの今後は……?
「ふつうの軽音部」ジャンプルーキー版
「ふつうの軽音部」は元々、原作担当のクワハリが作画も行い、ウェブコミック投稿サイト「ジャンプルーキー!」に投稿していた作品です。
2023年1月~9月まで22話が投稿されており、現在も閲覧可能(こちら)。
PV数による「ジャンプ+」連載権獲得はならなかったものの、編集者の目にとまり連載が決定。
作画担当に「野球場でいただきます」の出内テツオを迎え、2024年1月から「ジャンプ+」で毎週日曜日に連載されています。
「ふつうの軽音部」主な登場人物
鳩野ちひろ
本作の主人公で大阪の高校に通う高校1年生の少女。
外見は黒髪長髪で三白眼。
親の離婚で母親の実家がある関西に引っ越したため、普段は標準語。
父親の影響で音楽が好きになるが、ギターを始めたのは高校から。
歌は上手いわけではないが、声量があって独特の迫力がある。
担当パートはギター→ギターボーカル。
内田桃
鳩野と同じクラスの一軍女子で同じ軽音部。
みつあみでかわいい系の性格の良い陽キャだが、恋愛経験がなく男子には興味がない。
入部当初は中学時代の同級生と3ピースバンド「サウンドスリープ」を組んでいたが、メンバーの一人の乃木が同じ部の鷹見にフラれたことで退部、もう一人の大道も部内に彼氏ができたことで揉め、バンドは解散。
幸山の暗躍もあり鳩野とバンドを組む。
担当パートはドラム。
幸山厘
鳩野と同学年で軽音楽部に入部した少女。
見た目だけは長身・ショートヘア・おっとり系の美少女。
しかし中身は何故か鳩野を「神」と崇めるヤベー女。
鳩野を輝かせるために暗躍し、部内の人間関係をかき回して鳩野のためにメンバーを集める。
担当パートはベース。
藤井彩目
鳩野と同学年で軽音楽部に入部した少女。
外見は髪の一部を染めた目つきの鋭い少女で、少し他人を見下しがち。
当初は鷹見らのバンド「protocol」のメンバーだったが、付き合っていた鷹見にフラれて脱退。
紆余曲折あり鳩野のバンドに加わるが、裏で自分がフラれる原因を作った幸山には一発かましてやろうと考えている。
担当パートはギター。
新田たまき
軽音部の副部長で高校3年生のふわふわ系少女。
人当たりが良く、鳩野たちのバンドに臨時でギターとして加わってくれた。
実は同性愛者で中学時代好きだった女性の先輩からお古のギターを貰ったことが切っ掛けでバンドを始めた。
担当パートはギターボーカル。
大道優希
内田桃の中学時代からの友人でサウンドスリープのギターボーカル担当。
黒髪長髪の面倒見の良い少女で、部内の先輩と付き合い始めたことで桃ともめ、バンドを解散する。
現在は桃との関係は良好。
乃木舞伽
内田桃の中学時代からの友人でサウンドスリープのベース担当。
鷹見と付き合っていたが、彼にフラれたことで部を辞めてしまう。
鷹見項希
鳩野と同学年で軽音楽部に入部した少年。
自らがリーダーを務める「protocol」のギターボーカル担当で、一年生の中では突出した実力を持つ。
当初は乃木と付き合っていたが、面倒くさいという理由で藤井彩目に乗り換え、その後同じような理由で藤井をフッている。
鳩野からは「無性にむかつく」「生理的に無理」と評される。
水尾春一
鳩野と同学年で軽音楽部に入部した少年。
鳩野とはバイト先が同じ。
藤井彩目の後釜で「protocol」のギター担当。
「ふつうの軽音部」の感想(ここが面白い)
普通の人間模様を描きながら漫画として面白い
タイトル通り「ふつうの」軽音部にありそうな人間模様を描いた作品。
特別インパクトや意外性のあるストーリーというわけではなく、音楽はあくまで一要素といった印象。
作画も正直特別目を引くというわけではなし。
ただこれを漫画として見た時、無茶苦茶バランスが良くて普通に面白い。
良い意味でweb連載の漫画らしい作品です。
スキップとローファーっぽい?
ネット上で他の人の感想を見ていると、アフタヌーンで連載中の「スキップとローファー」に似ているという声がチラホラ。
主人公の顔が似ているので、同じ作者が描いているのではと思った人も少なからずいるようです。
ただ実際に中身を比べてみると、主人公以外の作画はさほど似ておらず、ストーリーも同じ青春ものではありますが、「ふつうの軽音部」の方がカラッとしていて少年向けの内容になっています。
青春群像劇は好きだけど、あまり重たくてジメジメした内容は得意じゃないという方には「ふつうの軽音部」がおススメです。
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