今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、宮城県王者白鳥沢学園高校男子バレー部を率いる名将「鷲匠 鍛治(わしじょう たんじ)」ー鷲匠監督について解説します。
鷲匠監督は高さとパワー、個の力で点を取るシンプルな戦術を重んじる指導者。
速さと多様なコンビネーションで点を取る烏野高校とは正反対のスタイルで、特に小柄でパワーもない日向翔陽には厳しい目を向けていました。
そんな鷲匠監督が日向に向ける感情の変化は物語後半の見どころの一つ。
本記事では鷲匠監督のプロフィールや名言などを中心にその魅力を語ってまりいます。
「ハイキュー‼」鷲匠鍛治(鷲匠監督)ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、年齢、声優など)、奥さんの名前、その後
所属 | 白鳥沢学園高校 |
ポジション | バレー部監督 |
年齢 | 71歳(誕生日は不明) |
身長 | 不明(日向と同じくらい=160cm台前半) |
体重 | ー |
最高到達点 | ー |
好物 | ー |
最近の悩み | 最近は自主性のある生徒が減った気がする |
声優 | 中尾隆聖 |
鷲匠監督は宮城県の王者、白鳥沢学園高校男子バレー部を率いる名将です。
外見は太めの眉特徴の小柄なご老体で、常に不機嫌そうに目を吊り上げている印象があります。
性格はとにかく厳しく、試合中ミスをした五色に対して発したこの叱責が、鷲匠監督のキャラクターを如実に物語っていますね。
「見合いなら女とやれ、やアアア!」
一方で気に入った相手に対しては面倒見が良く、教え子たちからは意外に慕われています。
日向たちがプロ入りした2018年時点では白鳥沢学園の監督を辞しており、奥さんを連れて教え子たちの試合を観戦しにきていました(大分雰囲気が柔らかくなっていましたね)。
ちなみに奥さんの名前は鷲匠照乃(わしじょうてらの)さんで、監督より一歳年上の優しそうな雰囲気の女性です。
現役時代はジャンプ力とレシーブには自信があったが、小柄な体格ゆえに……
パワー | 不明 |
バネ | 不明 |
スタミナ | 不明 |
頭脳 | 不明 |
テクニック | 不明 |
スピード | 不明 |
※表は最低1~最高5の5段階評価
バレーボール選手に限らずパラメーターが公表されていることの多いハイキューキャラクター(清水、谷地など)ですが、71歳の鷲匠監督は流石に評価対象となっていません。
現役時代は(本人曰く)ジャンプ力とレシーブには自信があったものの、小柄な体格ゆえに周囲からは「もう少し身長があれば」と評価されていたようです。
そうした経験もあってが、監督としての鷲匠鍛治は体格に恵まれた才能ある選手を集めて、ただひたすら個の力を磨いていくシンプルな指導方針の持ち主。
「大きいものが強い」
それが鷲匠監督が現役時代の経験から得た、否定しようのない真理の一つだったのです。
実際、高校3年間という短い期間ではコンビネーションや戦術を磨いていくにも限界があり、新しい戦術を覚えるより個の力を磨く方が理に適っています(というか無理がない)。
ある意味で主人公たち烏野高校とは正反対の考え方の持ち主であり、このコンセプトのぶつかり合いが物語前半の見どころの一つとなっています。
「ハイキュー‼」鷲匠鍛治(鷲匠監督)の人間関係
牛若、天童ら教え子たちに向けた愛情
鷲匠監督は厳しい指導方針ながら、教え子たちからは意外に慕われています。
基本的に白鳥沢学園高校のレギュラーは鷲匠監督自らスカウトして集めてきた才能あふれるメンバー(白布は一般入試組)。
特に主将でありエースの牛島若利(牛若)はチームの中核であり、現在の白鳥沢学園高校は牛若を最大限活かすように作られています。
高さとパワーを兼ね備えた牛若は鷲匠監督にとっての理想。
教え子ながらシンプルに「かっこいい」と称賛できる存在なのです。
また、中学時代の評価は低かったものの、鷲匠監督によって才能を見出され引き上げられたのが天童覚。
天童は個人技に偏ったプレーで周囲から孤立していましたが、その才能が鷲匠監督の基準にハマり、白鳥沢学園にスカウトされています。
天童も鷲匠監督のことを鍛治君と呼んで慕っており、春高予選で敗北した時は「さらば俺の楽園」と引退を嘆いていました。
少なくとも教え子たちにとって、鷲匠監督は厳しくとも愛すべき理想の指導者だったのでしょう。
日向翔陽に向ける期待と否定(ガッツポーズ)
鷲匠監督が主人公の一人、日向翔陽に向ける感情は作中において大きく変化していきます。
現役時代、小柄な体格ゆえに挫折した鷲匠監督にとって、同じく小柄な日向は過去の自分のような存在。
しかし日向は鷲匠監督のように挫折することなく、鷲匠監督が作った高く強い白鳥沢学園のバレーと対等に渡り合っていきます。
「俺は俺の40年を懸けて」
「烏野10番」
「お前を否定したい」
鷲匠監督が日向に抱いた想いは、その在り方への強烈な否定でした。
その想いを超え、白鳥沢学園に勝利した日向たち烏野高校。
鷲匠監督は敗北後、すぐに日向を認めたわけではありません。
宮城県の擬似ユース合宿にも日向を召集しませんでしたし、日向が乱入してきた時には厳しい言葉を投げかけていました(球拾いとしては参加させたので、全く期待していないわけではなかったのでしょうが)。
合宿、そして春高本戦を通して少しずつ日向への評価を改めていく鷲匠監督。
その評価が明確な”期待”へと変化したのは、烏野高校と鴎台高校の一戦でした。
その試合、跳躍方法の改善により高さを手にした日向はブロックの上からスパイクを打ち抜きます。
自分に身長がないから”高さ”以外で戦うしかないと考えていた鷲匠監督と、小さくても”高さ”を諦めなかった日向。
日向のその姿を見て、鷲匠監督の心が叫びます。
「俺にもできると」
「叫びだす」
日向のサービスエースにガッツポーズを見せる鷲匠監督。
そこには誰より日向翔陽に期待する、一人の男の姿がありました。
「ハイキュー‼」鷲匠鍛治(鷲匠監督)の活躍と名言
春高予選決勝で見せた教え子への信頼
鷲匠監督が登場したのは春高予選決勝でしたが、試合中、鷲匠監督は烏野の烏養コーチのように細かく指示を出すようなことはしませんでした。
口を出したのは消極的なプレーでミスをした五色に対する叱責ぐらいでしょうか。
元々白鳥沢学園は複雑な戦術を駆使するチームではないから、というのもあるのでしょうが、それでも普通の監督なら厳しい場面であれこれ口をはさみたくなるもの。
どんな場面でも教え子の力を信じ、堂々たる戦い方を貫きました。
そして、
「次にコートを出てくる時は」
「勝者になって戻ってこい!」
奇しくも烏養コーチと同じ想いで教え子たちを送り出す鷲匠監督。
形は違えど、そこには指導者としての揺るぎない信頼がありました。
日向翔陽に向けた数々の名言(俺以上に~)
それでは最後に、鷲匠監督は日向翔陽に向けた数々の名言を紹介し、シメとさせていただきます。
「影山というセッターのいないお前に」
「俺は価値を感じない」
宮城県の有望な一年生を集めた擬似ユース合宿に招集されず、無理やり乱入してきた日向にかけた厳しい言葉。
小柄な日向が活躍できているのは、影山というセッターの超絶技巧あってのことなのだと、改めて現実を日向に突きつけます。
「俺たちに」
「体格の代わりに与えられたものこそ」
「その”飢え”なんだよ」
そして合宿が終了し、日向について話をするコーチたちに対し、日向の高さというものに対する”飢え”を理解し、ポツリと語る鷲匠監督。
この時はまだ、日向が歩む茨の道に期待の言葉は口に出せずにいました。
しかし春高での日向の躍進を目の当たりにし、その評価が一気に期待へと変わった鷲匠監督。
日向が高校卒業後、ビーチバレーで修業を積みたいと考えているという話を耳にした鷲匠監督は、かつての教え子がビーチバレーの指導者をしていると伝え、日向のブラジル留学の手配までしてくれました。
日向には烏養前監督や猫又監督など、他にもいくらでも伝手があるのに、何故わざわざ肩入れするのかと尋ねられた鷲匠監督はこう答えます。
「俺以上に日向翔陽に期待する人間が居てたまるか」
監督がデレた!?
そしてブラジル修行から戻ってVリーグ入りした日向の成長を穏やかな眼差しで見つめる鷲匠監督。
「何をどれだけできようとも」
「俺たちに”十分”は無えんだ」
その口から出たのは、尽きることのない日向への期待でした。
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