今回は週刊少年ジャンプの傑作バレーマンガ「ハイキュー‼」から、誰よりも目立たないセッターを目指した男「白布 賢二郎(しらぶ けんじろう)」について解説します。
白布は宮城県の王者、白鳥沢学園の正セッターとして登場したキャラクター。
その華々しい肩書とは裏腹に、白布は強力なスパイカーを活かしたシンプルなトスワークを是とする自己主張しない堅実なセッターでした。
誰もが華やかなプレーに憧れる中、誰より白鳥沢学園の”強い”バレーに共感した白布。
本記事では、そんな白布の過去や作中での名言、その後の進路などを中心に深掘りしていきます。
「ハイキュー‼」白布賢二郎ってどんな奴?(声優含む)
基本プロフィール(身長、誕生日、声優など)、五色には当たりがキツイ
所属 | 白鳥沢学園2年4組 |
ポジション | セッター |
誕生日 | 5月4日 |
身長 | 174.8cm |
体重 | 64.4kg |
最高到達点 | 305cm |
好物 | しらす |
最近の悩み | 身長が欲しい |
声優 | 豊永利行 |
白布は2年生ながら宮城県の王者、白鳥沢学園で正セッターを務めるキャラクターです。
外見は前髪を斜めにカットした色素の薄い髪と、クールで端正な顔立ちの美少年。
性格は見た目通りクールで淡々としていますが、その一方で敵のプレーにイライラしてムキになってしまう負けず嫌いなところもあるようです。
中学時代は無名の選手でしたが、当時見た牛島若利(牛若)の圧倒的な強さに魅了され、牛若と一緒にプレーしたい衝動にかられて猛勉強、一般入試で白鳥沢学園に入学を果たします。
実は白鳥沢学園のレギュラーの中でスポーツ推薦でないのは白布だけなんですよね。
その冷めた性格故か、先輩たちとも積極的に絡むことはありませんが、牛若に対する尊敬の念だけは揺るぎなく、牛若に張り合おうとする1年生レギュラー五色に対する当たりは非常にキツイものとなっています。
自己主張せず最強のスパイカーを活かすことを徹底
パワー | 2 |
バネ | 3 |
スタミナ | 4 |
頭脳 | 4 |
テクニック | 4 |
スピード | 3 |
※表は最低1~最高5の5段階評価
セッターとしての白布を一言で表すなら「堅実」です。
最強のスパイカーに打ちやすいトスを上げることだけに力を注ぐ、シンプルなプレーを是とする珍しいタイプのセッター。
作中では、自分の技量が試される速攻などの速いトス回しや奇をてらったトリックプレーを好むセッターが多い中、白布は自分の技量を主張することなく、ただ打ちやすいトスを上げ続けています。
勿論、速攻やツーアタックなども使用しますが、それはあくまでエーススパイカーの体力を温存するため。
要所では必ずといっていいほど牛若にオープントスを上げています。
白布のスタイルは個人技、今の代で言えば牛若というエーススパイカーを活かす白鳥沢学園の戦術とも合致しており、単純な技量で言えば3年生セッターの瀬見の方が上とも言われていますが、自己主張しないことを是として白布が正セッターに選ばれています。
ちなみに、中学時代の白布は速攻を多用する攻撃的なセッターで、速いトス回しも水準以上にこなすことができます。
ただ、作中では敵に対抗して速さを求めたプレーをした結果、その綻びを敵(月島)に突かれてしまい……
「ハイキュー‼」白布賢二郎の人間関係
牛島若利(牛若)、その強いバレーに憧れ白鳥沢の門を叩く
前述した通り中学時代の白布は無名の選手で、速攻を好む攻撃的なセッター。ある意味どこにでもいる選手でした。
そんな彼が変わったのは中学時代に白鳥沢学園と北川第一中学、牛若と及川の試合を見たことが切っ掛けです。
白布は、理性では自分が目指すべきは及川のようなスタイルだと理解していながら、シンプルな高さとパワーで全てをねじ伏せる牛若のような戦い方が一番カッコいいと思ってしまいました。
下手をすればオープントスだけで勝ってしまうような戦い方。
牛若の前ではセッターの自己主張など必要ないと理解していながら。
「……俺、白鳥沢に行く」
「強い連中が集まることろへ」
「強いバレーをやりに行く」
それでも、その強さに惹かれて白鳥沢学園の門を叩き、牛若に尽くすセッターとなることを選択したのです。
比較されるセッターは同じ奉仕型の赤葦、王様型の及川
白布はその「エースに尽くす」スタイルから、しばしば梟谷のセッター赤葦と比較されています。
赤葦もエース木兎を信奉し、木兎に非常に尽くしてはいますが、どちらかというと赤葦はメンタル面で不安のある木兎への気遣い、コントロールで苦労しているタイプ。
もし白布が木兎と同じチームだったら、木兎がショボクレモードに入った瞬間、正論で追い詰めて潰しちゃいそうですね。
逆に赤葦なら牛若ともそれなりに上手くやるでしょうし、少なくとも精神的な安定感、汎用性では赤葦に軍配が上がりそうです。
また、タイプは違いますがチームの100%を引き出すセッターとして白鳥沢に来るべきだったと評されていたのが王様型の及川。
実際、及川が白鳥沢に来ていたら、チーム特性に合わせたシンプルなトス回しに切り替えて白布以上に牛若の力を引き出していたかもしれません。
まあ、実際そうなったら相性的に及川のメンタルがやられちゃうでしょうけど。
ある意味、白布が白鳥沢に入ったのは適材適所。
彼は白鳥沢だからこそ輝けるセッターなのでしょう。
「ハイキュー‼」白布賢二郎の活躍と名言、その後の進路
卒業後はバレーを辞めて医学部へ進学
白布は高校卒業はバレーを辞め、医学部へ進学しています。
滅茶苦茶似合う進路ですよね。
2018年のVリーグで牛若・影山たちアドラーズと日向たちジャッカルズが対戦することになり、高校時代のチームメイトが続々観戦に訪れていましたが、残念ながら白布は医学部の実習で来ることができませんでした。
白布本人は相当見に行きたかったのか、LINEの文面から口惜しさが滲み出ていましたね。
また、当時のチームメイトとは変わらず連絡を取り合っているようで、関係性は変わっていないようです。
シンプルで強いバレーに憧れた男の活躍と名言
それでは最後に、白布の活躍をその名言ともに振り返ってしめとさせていただきます。
「牛島さんに頼ることだけが俺の仕事じゃない」
影山に対抗するよう、ツーアタックでお返しした白布の言葉。
実際、牛若に頼ることしかできないセッターに、牛若の力を引き出すことができるはずもありませんよね。
「うちのスパイカーに道を開けろ」
月島の執拗なリードブロックのストレスで焦る白布。
スパイカーを思っての言葉ではありますが、その想いは綻びとなり、結果としてトスが低くなってしまったことで牛若のスパイクがドシャットされてしまいます。
「でも俺にとっての一番かっこいいバレーはこれだ」
「正しさなんてクソくらえ」(原作には無し)
「誰よりも目立たないセッターに俺は成る」
開き直り、自分を立て直した白布。
華やかなセッターに憧れる思いもあり、速く華麗なトス回しがセッターにとって”正しい”と理解している。
それでも自分が一番かっこいいと感じた強いバレーを信じて、自己主張せず目立たないセッターとなることを選んだのです。
「どんな状況でも無慈悲に俺を使うことができるか」(牛若)
「”どんな時でもトスを上げる”というのは」
「牛島さんが使い物になる内は、という事ですよね?」
「そうだ」(牛若)
最終局面直前、かつて牛若が自分に言った言葉を思い出し、疲弊した牛若に発した無礼とも思える発言。
自分は無慈悲に貴方を使う。
だから貴方も最強のスパイカーであり続けてくれ。
言葉の裏に込められた想いに応えるように、牛若は穏やかに微笑みながら応じます。
白布の成長と、牛若との信頼関係が伝わってくる名シーンでした。
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