「半人前の恋人」感想&評価(ネタバレ注意)~美術男子と職人女子の恋と成長の物語~


 今回は「ジャンプ+」で連載中のピュアラブストーリー「半人前の恋人」について解説します。

 この作品は地味な美術系男子と太鼓職人を目指す少女の恋愛と成長を描いた物語。

 王道で奇をてらうことのない、素直に応援したくなるピュアな二人の姿が丁寧に描かれた作品です。

 雑誌連載だとどうしてもインパクトが重視されがちですから、ある意味web漫画らしい良作と言えるでしょう。

 本記事では「半人前の恋人」のあらすじや登場人物の解説を交えつつ、その魅力を語ってまいります。

「半人前の恋人」あらすじ

 美術部だからという理由で学校に設置する備品の製作を任された地味系男子・伊吹進太郎。

 進太郎が慣れない手つきで木工作業を行っていると、怖そうな女子がイライラした様子で進太郎を睨みつけてきます。

 ビビる進太郎でしたがここは美術室。嫌なら別の場所に行けと内心虚勢を張って作業を続けていると、その女子は進太郎から道具を取り上げ、慣れた手つきであっという間に備品を作り上げてしまいました。

 まるで職人じゃんと感動した進太郎は、その女子が美術で居残りをさせられているのだと勘違いし、彼女に変わって石膏像のデッサンを書き上げます。

 しかし実は彼女は居残りをさせられていたわけではなく、絵が上手くなれば仕事で役に立つのではと自主的に絵を教わっていました。

 彼女の名は杉崎響子。

 祖父が和太鼓の職人で、彼女自身も太鼓職人を目指し修行を積んでいました。

 杉崎さんの職人としての颯爽とした姿に見惚れ、惹かれていく進太郎。

 一方の杉崎さんも、スケッチブックに進太郎が描いた絵が切っ掛けで彼に興味を持ちます。

 二人は絵画と和太鼓、分野は違えど製作者として互いをリスペクトし合うようになり、やがて恋人関係に。

 不器用ながらもまっすぐに、関係性を積み上げていきます。


「半人前の恋人」主な登場人物

伊吹進太郎

 本作の主人公の一人。

 高校三年生で美術部の部長を務める少年。

 黒髪眼鏡の地味系男子で美大を目指して予備校に通っている。

 あまりモテず、今まで女性と付き合ったことが無い。

 性格は気弱だが面倒見が良くお人よし。

 ヘタレのように見えて、意外にハッキリ想いを口にするタイプ。

 杉崎さんと出会って一か月足らずで告白し、恋人となる。

杉崎響子

 本作の主人公の一人。

 高校三年生で家が「杉崎太鼓店」という和太鼓の店を営んでおり、太鼓職人を目指して祖父の仕事を手伝っている。

 見た目は色素の薄い髪をロングヘアにしたヤンキー系女子。

 気が強くて口は悪いが、根は真面目で仕事に対してはとても真摯。

 職人の仕事で手がゴツく、あまり女の子らしくない自分にコンプレックスを抱いている。

 進太郎が描いた石膏デッサンに見惚れ、彼に興味を持つようになる。

陽毬(ひまり)

 杉崎さんの幼馴染で親友。

 外見は黒髪ツインテールで今どきのかわいい少女。

 性格は明るく誰とでもすぐ仲良くなれるタイプで、杉崎さんの家に入り浸っており、彼女の祖父とも顔なじみで遠慮がない。

 恋愛に疎い杉崎さんの保護者役で、いつも彼女のことを気にかけている。

 進太郎と同じ美術予備校に通っている少年。

 見た目はチャラ男でいかにも女子にモテそうなタイプ。

 性格は意外と真面目な常識人で付き合いが良く、タイプは違えど進太郎と仲が良い。

 作中では進太郎サイドの保護者役として、陽毬と親しくしている。


「半人前の恋人」感想&評価

web漫画らしいオーソドックスな良作

 感想を一言で言うならば「こういうので良いんだよ」。

 恋愛に不慣れな美術男子と職人女子のピュアラブストーリーで、特にストレスを感じる展開もなく、素直に良い子二人の恋愛を応援したくなるような内容。

 雑誌連載だとどうしてもインパクトが重視され、過剰な演出や展開が続く作品が多いですが、この「半人前の恋人」は非常にシンプルで安定感「大」。

 web漫画ならではの良さが前面に出たオーソドックスな良作です。

 「とっととくっつけよ」とか焦らされることなく、言うべきところでハッキリ言葉にする主人公なのも良し。

 繰り返しますが「こういうので良い」んです。

こんな人におススメ

 作品の展開や画風的に男女年齢を問わずおススメできる作品です。

 ただ一方で、話の展開が淡々としているため、刺激のある作品を求めている方には向かない内容。

 ストレスなくほのぼのニマニマしたい方におススメです。

 まだ始まったばかりなので、どこまで話が膨らむか、続くかは不透明ですが、アプリ内での人気は高く、これからが非常に楽しみな作品。

 長く続いて欲しいので、興味を持っていただけたなら是非試し読みだけでも。



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