今回は「ジャンプ+」の話題作「怪獣8号」から、戦いを愛するあまり自ら兵器化を望んだ人型怪獣「怪獣10号」について解説します。
「怪獣8号」は怪獣が天災の一つとして発生するようになった架空の日本を舞台に描かれるSFバトル作品で、怪獣10号とはその怪獣の中でも特に強力とされる「識別怪獣」の一体。
怪獣でありながら人語を解し、戦いを愛する極めて特殊な個体です。
作中では自分と互角の戦いを繰り広げた保科副隊長に執着し、自ら彼の兵器となることを望んだ怪獣10号。
本記事ではその強さと正体、保科副隊長との絡みを中心に解説してまいります。
「怪獣8号」怪獣10号とは?
史上10番目の識別怪獣
怪獣10号とは史上10番目に確認された識別怪獣。
コミックス3巻24話から始まる「立川基地襲撃」編において、強力な翼竜型怪獣を複数率い、防衛隊第3部隊が拠点を置く立川基地を吸収した強敵です。
外見は頭部中央の十字の切れ込みの奥にある単眼と巨大な一本角と尻尾が特徴の人型怪獣。
通常時のサイズは怪獣としては小型で、身長は目算で3mもありません。
怪獣10号の名前の由来でもある「識別怪獣」とは、討伐が特に難航した強力な怪獣に付けられる呼称。
その発見された順番に合わせて「怪獣〇号」とコードネームが割り振られています。
人語を解し、戦いを愛するバトルマニア
怪獣10号は知性を有し人語を解する特殊な怪獣です。
基本的に怪獣とは、強力な個体であっても知性はなく、本能で動く存在。
しかし怪獣8号以降の識別怪獣、9号と10号はいずれも高度な知性を有しており、怪獣たちに何らかの変化が起きているものと言われています。
怪獣10号の性格は典型的なバトルマニア。
力の拮抗した強敵との戦い、特に真正面からの殴り合いを愛する脳筋です。
基本的に戦ってさえいられれば立ち位置や環境に拘りはなく、防衛隊に倒された後はあることを条件に防衛隊に協力しています(詳細は後述)。
「怪獣8号」怪獣10号の強さ(フォルティチュード)
怪獣10号は識別怪獣に分類されるだけあり、怪獣の中でも極めて強力な個体です。
怪獣の強さは「フォルティチュード」と呼ばれる指標で表わされ、8.0以上で大怪獣、9.0以上で歴史に残る大怪獣とされていますが、この怪獣10号のフォルティチュードは通常形態で8.3。
その戦闘スタイルは強力なパワーと装甲、再生能力にものを言わせた典型的なステゴロタイプ。
表面装甲は特に強固で、頑丈さで言えば怪獣8号以上とされています。
この通常形態でも十分に強力ですが、怪獣10号は巨大化して更にパワーアップすることが可能。
巨大化した怪獣10号のフォルティチュードは9.0、歴史に残る大怪獣クラスです。
特別な能力があるわけではありませんが、巨体によってパワーとタフネスが更に強化されており、作中では第3部隊の総力でもって戦い、辛うじて撃破することができました。
「怪獣8号」怪獣10号は怪獣9号に作られた存在
怪獣10号は、今のところ本作のラスボス格と見做されている「怪獣9号」によって作られた存在です。
怪獣9号はただ強いだけでなく、人間や怪獣を吸収してその能力・知識を獲得し、吸収した対象に擬態する能力を持つ極めて特殊な個体。
そして怪獣9号は自ら意図して怪獣の新種、しかも極めて強力な個体を生み出す能力を持っています。
怪獣10号が知性を有し、人語を解するのも、怪獣9号の影響でしょうね。
フォルティチュード9.0と極めて強力な力を持つ怪獣10号ですが、その10号ですら怪獣9号にとっては試作品という位置付け。
怪獣10号は自分という試作品を経て、より強力な完成品が生み出されることを予期していました。
「怪獣8号」怪獣10号と保科副隊長
怪獣10号は防衛隊第3部隊の保科副隊長に執着しています。
立川基地襲撃の際、通常形態の怪獣10号と互角以上に戦った保科副隊長。
しかし怪獣10号が巨大化して以降は武器を刀しか持たない保科副隊長では相性が悪く、足止めが精一杯でした。
最終的に怪獣10号に止めを刺したのは隊長の亜白ミナ。
しかし怪獣10号が興味を持ったのはミナではなく保科副隊長でした。
第3部隊に倒され、頭部と核だけの状態で捕獲された怪獣10号。
怪獣10号は保科副隊長との戦いを「夢のような時間だった」と評し、保科副隊長以外とは話をしようとしません。
そして怪獣9号に関する情報提供と引き換えに、怪獣10号は自分を兵器化して保科副隊長が着ることを要求します。
自分が再び最高の時間を味わうために、保科副隊長の身体を寄越せ、と。
止むを得ず要求を呑んだ保科副隊長でしたが、10号に主導権を渡すつもりはないとバチバチやり合っていました。
「怪獣8号」怪獣10号、ピョン吉化する(識別怪獣兵器)
自ら望み保科副隊長の識別怪獣兵器となった怪獣10号。
その形態は怪獣10号のなごりを感じさせる尻尾の生えたスーツです。
しかもスーツの胸部には10号の単眼が浮かんでおり、普通に滅茶苦茶喋っていました。
これは10号兵器が史上初の意思を持った怪獣兵器であり、神経同調が困難で音声での意思疎通が不可欠だっため。
しかしこの10号兵器、扱うには普通に厄介でした。
スーツ自体がある程度自分の意思で動くことができ、特に尻尾の部分に関しては完全に怪獣10号の支配下。
そのため保科副隊長の意思とは無関係にスーツの方が勝手に飛び回ってしまうのです。
その様は「ど根性ガエル」のピョン吉そのもの。
初戦闘では保科副隊長と怪獣10号の動きが全くかみ合わずピンチに陥っていましたが、最終的に保科副隊長が動きを合わせ、10号を上手く挑発してコントロールすることに成功。
敵の攻撃を尻尾で防ぎ、いい気になって「ほめろ!」と騒ぐ怪獣10号はちょっと可愛かったですね。
コメント